(4)SEOリンク広告はいらなくなった・・
Googleウェブマスター向けガイドラインにあるリンクプログラムについて考えてきましたが、今回もリンクプログラムについて解説させていただきたいと思います。
今回は
・PageRank を転送するテキスト広告
・PageRank を転送するリンクを含む記事に対して支払いが行われるアドバトリアルやネイティブ広告
の2つについて一緒に考えてみましょう。
・PageRank を転送するテキスト広告
というのは検索順位を上げることを目的にした画像ではなく、テキスト(文字)をクリックするとジャンプする広告の事をいいます。
2013年の初旬からテキスト広告の取り締まりをGoogleは厳しくするようになりましたが、それ以前は検索順位アップに即効性があり、テキスト広告を買えばまず必ずといって良いほど検索順位が上がっていました。
そのため私もセミナーやコンサルティングにおいてテキストリンク広告を買って検索順位を上げることを提案してきました。
しかし、この1年くらい会員の皆様に申し上げているようにリンク広告を購入して検索順位を上げるというのは効果が減ってきているだけではなく、リンクがされているページや、サイトそのものにGoogleが手動によるペナルティーを与えて検索順位を40位以上下げるようになり多くの場合検索順位が圏外になってしまうということが起きるようになりました。
そうした状況になる前にテキストリンク広告を買って検索順位を上げる事を提案してきたことを申し訳なく思います。
こうした状況の中、リンク広告を購入するというのは非常に危険な行為なので私は推奨するのを「基本的に」やめました。
「基本的に」と言うのは、例外があるからです。物事何でも例外があります。
これまでの調査によるとGoogleは次のような場合はテキストリンク広告を購入してもペナルティーを与えずにむしろ検索順位をアップをしてくれるということがわかってきました。
そうしたケースというのは:
(1)トラフィックが発生しているコンテンツがしっかりとしたページからのリンクであり、かつそのリンクが目立っておりネットユーザーがクリックしているリンク広告
(2)PageRank を転送しないrel="nofollow" 属性の含まれたリンク
の2つです。
(1)トラフィック(トラフィック)が発生しているコンテンツがしっかりとしたページからのリンクであり、かつそのリンクが目立っておりネットユーザーがクリックしているリンク広告
というのはどういう事かと言うと、新聞社のサイトからのリンクだとか、地方自治体のサイトからのリンク、人気ブロガーの書くブログ記事内からのリンク等です。
これらのサイトの共通点はたくさんの人達が閲覧してるサイトだということです。たくさんの人達が閲覧しているサイトにはトラフィック(アクセス)が発生しており、そのことをGoogleはクッキー技術によって認識します。
たくさんの人達が閲覧している人気サイトからのリンクであるともう一つの利点があります。
それは、たくさんの人達が見ているサイトからのリンク広告はたくさんの人達の目に触れるのでクリックされやすいということです。
Googleはウェブページにトラフィックがどのくらい発生しているかをクッキー技術によって認識するだけではなく、特定のページを閲覧したネットユーザーがその次にどのページに移動したかを認識しています。
人気のあるページが外部のサイトにリンクを張っている場合、リンクを張られたサイトはある程度信頼出来るサイトであるはずです。
例えば、新聞社のサイトや地方自治体のサイトの広告を購入するのには厳しい広告掲載基準があり、それをクリアしないとリンク広告を掲載してはくれません。よく美容関連、健康関連の広告掲載が却下されることは日常茶飯事で日々厳しくなっているのは周知の事実です。
人気ブロガーも質が悪いサイトや危険な内容のサイトにリンクを張れば閲覧者からの信頼を失うことになり人気ブロガーではなくなってしまうので、リンク先のサイトの内容には気を配ります。
最近よくいただくご質問に「区役所や市役所、県庁のトップページのバナー広告をこれまで買ってきたがやめたほうが良いのか?」というものがあります。
答えは「今はやめるべきではない」ということです。
しかし、こうした信頼できるサイトからの目立つリンクならたくさん買っても効果があるかというとそうではありません。これまで4つの地方自治体のリンクを購入していたらそのうち1つか、2つを残してそれ以外は解約たほうが良いです。
理由は、Googleが高く評価するリンクというのは様々な種類のサイトからのリンク、つまり「リンクバラエティー」または「バラエティーリンク」なので、同じような役所のサイトからのリンクを大量に集めてももはや大きな効果はない時代になってきたからです。
(2)PageRank を転送しないrel="nofollow" 属性の含まれたリンク
次の例ですが、これはGoogleが公式サイト:
でも発表していることですが、
<A href というアンカータグ内に rel="nofollow" 属性の含まれたリンクに変更をすることです。
Googleは公式サイトで以下の事を提唱しています。
テキストリンク広告も、バナー広告も rel="nofollow" 属性が含まれるリンクに変更してもらえば確実にリンクのペナルティーは避けられます。しかし、そうしてしまうとPageRankが転送されないので過去の常識だとリンクを張ってもらう意味は無いように思ってしまいます。
意味はきちんとあります。
それはこれまでレポートで報告してきたように現代のSEO対策で重要なのは「トラフィックSEO」という概念です。
単に機械的にリンクを張ってもらうのではなく、たくさんのネットユーザーにクリックしてもらうリンクでないと効果はほとんどなくなってきています。
例えそこにrel=nofollow属性が含まれていたとしても、実際にネットユーザーがリンクをクリックしてあなたのサイトにやってきてくれればそれはあなたのサイトのトラフィックとしてGoogleがクッキー技術によって認識して評価してくれます。
トラフィックが多いサイトというのは人気の高いサイトなので、Googleは上位表示してくれるというのがこの「トラフィックSEO」の概念であり、それは実際に現実のものとなっています。
・PageRank を転送するリンクを含む記事に対して支払いが行われるアドバトリアルやネイティブ広告
次にGoogleがガイドラインで発表していることは、テキスト広告や、バナー広告などの画像リンクだけではなく、記事広告に対してもペナルティーを与えるということです。
記事広告も私が1年くらい前まで推奨していた広告でクライアントのためにクライアントの商材のテーマに則した記事を500文字以上書いて文中から目標キーワードをリンクテキストに含めてリンクを張るという手法です。
これは非常に効果があるテクニックでしたが、今は最も危険なリンクのパターンといっても良いほど危険なリンクです。
その理由はそうした広告を購入しているサイトの多くがGoogleから手動によるリンクに対策するペナルティーを与えているからです。
そしてそれらのリンクをはずしたらペナルティーが解除されて検索順位もほとんど元に戻っているのです。
結局のところ、リンクのされ方がどうであれ、SEO対策だけを目的にしたリンクを購入することは全面的に禁止になってしまいました。
ということは私たちはそうしたSEO対策をやめなくてはならくなったのです。
リンクを買えなくなったらSEO対策はもう出来ないと思ってしまうことがあります。
しかし、それは大きな間違いです。
SEO対策 = リンク購入
というのは長いSEO対策の歴史の中での一時的な現象でした。
そもそも昔のSEO対策はヤフーカテゴリという信頼できるトラフィックが多いサイトに登録するだけで検索順位が上がっていましたし、サイトの内部にキーワードを含めたり、オリジナルコンテンツを増やすということが重要な時代が続きました。
それが2008年くらいから急に「リンクを買えば検索順位が上がる」という事がはっきりしてきたのでほとんどの人達がリンクを買うという多くの出費を強いられるようになってきたのです。それはあたかも国と国との軍備増強の悪循環のようなものでした。
確かにGoogleがリンク購入を野放しにしてきたのに、急に厳しくしてきたことには憤慨します。しかし、泥沼のリンク増強の競争という悪循環から開放されたのです。
SEOリンク広告はいらなくなったのです。
ただ急に開放されて自由になっても「で、何をしたらよいのか?」と思ってしまうことがあるでしょう。リンク獲得競争が終わったことを悲しむのはおかしなことです。むしろ喜ぶべきなのです。
リンクを買うお金をたくさんもっている企業が得をする世の中ではもう無いのです。軍拡競争は終わったのです。
これからも力を合わせて一緒に新しい本来のあるべきSEO対策を追求して継続的な上位表示という結果を勝ち取りましょう。