(1)リンクに関するガイドラインを考える
今回からGoogleが公開しているウェブマスター向けのガイドラインで重要な部分を発見して、それがどのように私たちのSEO対策に影響を及ぼすのかを深読みして自社のSEO対策に役立てるという連載をスタートします。
今回のテーマは「リンクに関するガイドライン」です。
現在のGoogleはウェブマスター向けのガイドラインで公開しているSEO対策のガイドラインをただ空論や理想論として述べているのではなく、実際に大勢のスタッフを雇用して守ろうとしています。Googleはウェブマスター向けのガイドラインをただネット上で公開するだけではなく、実際にそれを実行に移しています。
ということは私たちはそれに逆らうのではなく、それを理解してガイドラインに触れないSEO対策を実行する必要に迫れています。
近年大きな問題になってきている「不正リンク」の問題も厳しく取り締まるようになってきているという現実があります。
リンクに関するガイドラインは https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja#3 から見れます。
そこに書いていることは大きく分けると次の3つになります:
・デザインとコンテンツに関するガイドライン
・技術に関するガイドライン
・品質に関するガイドライン
品質に関するガイドラインというページには次のような項目が書かれています。(以下、太字部分がGoogleのサイトに書かれています)
「品質に関するガイドライン - 具体的なガイドライン
次のような手法を使用しないようにします。
・自動生成されたコンテンツ
・リンク プログラムに参加すること
・クローキング
・不正なリダイレクト
・隠しテキストや隠しリンク
・誘導ページ
・無断で複製されたコンテンツ
・十分な付加価値のないアフィリエイト プログラムに参加すること
・コンテンツに関係のないキーワードをページに詰め込むこと
・フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページを作成すること
・リッチ スニペット マークアップを悪用すること
・自動化されたクエリを Google に送信すること
次のような望ましい行動を習慣付けます。
・サイトがハッキングされていないかどうかを監視し、ハッキングされたコンテンツを見つけたときはすぐに削除する
・サイトにユーザー生成スパムが掲載されないようにし、見つけたら削除する 」
今回解説させていただくのは「リンク プログラムに参加すること」という項目です。
リンク プログラムに参加すること という項目には次の事が書かれています。
「リンク プログラム
PageRank や Google 検索結果でのサイトのランキングを操作することを意図したリンクは、リンク プログラムの一部と見なされることがあり、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)への違反にあたります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
検索結果でのサイトのランキングに悪影響を与える可能性のあるリンク プログラムの例としては、次のようなものが挙げられます:
PageRank を転送するリンクの売買。これには、リンク、またはリンクを含む投稿に対する金銭のやり取り、リンクに対する物品やサービスのやり取り、商品について書いてリンクすることと引き換えに「無料」で商品を送ることなどが含まれます。 」
解釈:
リンクの売買は現在ほとんど効果がなくなってきており、効果があるどころかGoogleからリンクに関する警告が来て検索順位が落とされるということが2013年後半から多発するようになりました。
今後はいかなるリンク広告も買わない方が賢明です。
また、すでにリンク広告を買っている人は以下の行動基準を持つべきです:
(1)検索順位が落ちていない場合はすでに購入したリンク広告はそのままにしておく。むやみにリンク広告を解約すると検索順位が落ちてしまうことがある
(2)明らかにリンク広告のせいで検索順位が著しく落ちたと思う場合はリンク広告は解約する。リンクを販売した会社にリンクの削除依頼をする。ただし、パスワードなどが予め与えれて自分でリンクを削除する仕組みの場合は速やかにパスワードを入れて自分で削除する
(3)どうしてもリンク削除をしてくれない場合は、Googleウェブマスターツールにサイトを登録した上で否認ツールを使って否認をする。
否認については https://support.google.com/webmasters/answer/2648487?hl=ja
に詳細があります。
否認についてのQ&Aページ
http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2012/10/a-new-tool-to-disavow-links-qa.html
に一つ重要なことが書いています。それは:
「質問: サイトへの不自然なリンクをすべて否認してしまえば、再審査リクエストは通る(手動によるスパム対策は解除される)?
回答:いいえ、今回のブログ記事でもご紹介していますように、サイトに対する手動のスパム対策についての通知が届いた場合は、まずその原因となったリンク(自身が作成した、あらゆる作為的なリンク、低品質なリンク)をできる限り削除する必要があります。違反箇所を削除することが、問題の根本的な解決につながる最良の方法です。」
という部分です。
ここに書いていることはGoogleが認めないリンク広告を削除するのは面倒なので、全て否認することができるのか?ということですが、どうしても自分では削除できないものだけを否認して、削除可能なものは削除するように書かれています。
実際に私のクライアント企業でもGoogleのリンクに関する警告を解除してもらっている方が増えてきていますが、必ずリンク販売会社に事情を説明してリンク広告を削除してもらったり、自分で削除できる広告やミニ検索エンジン(ヨミサーチ)は自分で削除して、どうしても自分では削除できない海外の掲示板や無料ブログのトラックバック投稿、リンク削除を依頼したのにかかわらず何もしてくれない広告会社、そして全く見覚えの無い勝手に張られたリンクだけを否認するようにアドバイスしてきました。
そして最近ではかなりの確率でGoogleからペナルティー解除をしてもらい、検索順位が復旧するようになってきています。
このやり方を知らない人達は高額な費用を払ってリンクペナルティー解除支援サービスを利用している方もいます。
自分でやれば無料ですが、こうしたリンクペナルティー解除支援サービスを利用すると数十万円から数百万円、多いのが100万円前後の料金をとられていることを聞きます。必ず自社でやるようにしてください。
ただし、Googleが教えてくれるリンク元リストにあるURLが何千、何万もあり、一体どれが悪いリンクなのかリンク広告なのかがわからない場合は次のパターンにあるものを削除したり、削除依頼するようにしてください。
● Googleからリンクに関する警告がきたパターンで多いのが:
1、あからさまなリンク広告ばかりのページからのリンク
2、単語1つだけのリンクだったり、複数の単語だけを入れたテキストリンク
3、いいかげんな雰囲気のブログ(無料ブログも、ワードプレスなども同様)
また、数が多すぎて削除できないし、リンクペナルティー解除支援サービスも使いたくないという方は、最終手段としてペナルティーを受けたサイトのドメインを捨てるという最後の手段があります。
これにより復旧している人達も増えてきています。
何とかしてリンクに関するペナルティーを解除された後はどうすればよいのでしょうか?
ほとんどの場合、今後はむやみに自社サイトへのリンクを増やすことは怖くなり中々できなくなるはずです。
しかしそうかといって自社サイトへのリンクを増やさないと検索順位の維持や上位表示は難しくなってしまいます。
今後はどうやってリンクをしてもらえば良いのかが重要になります。
安全で確実なリンクの張られ方は:
(1)会社名や、店名のみのアンカーテキストでリンクを張ってもらう
(ただし、サイト名や、会社名にキーワードが含まれている場合は問題なし)
例:
日本ITF
鈴木食品
印鑑販売ドットコム
(2)URLそのものでリンクを張ってもらう
例:
http://www.nihon-itf.co.jp
http://www.suzuki-shokuhin.com
http://www.inkan-hanbai.com
次回はリンク プログラムに参加すること という項目の他にGoogleのサイトに書かれている:
過剰なリンク交換、または相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成すること。
アンカー テキスト リンクにキーワードを豊富に使用した、大規模なアーティクル マーケティング キャンペーンやゲスト投稿キャンペーン。
自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成すること。
さらに、サイトの所有者が編集時にページに配置したリンクではないリンクや保証していないリンク(不自然なリンクと呼ばれます)を作成することは、Google のガイドラインへの違反と見なされることがあります。Google のガイドラインへの違反にあたる不自然なリンクの例としてよくあるケースを次に紹介します:
PageRank を転送するテキスト広告。
PageRank を転送するリンクを含む記事に対して支払いが行われるアドバトリアルやネイティブ広告。
などについて深く考えて、日々のSEO対策の実践において私たちが何をすべきかを提案していきたいと思います。