(9)隠しテキストと隠しリンクがサイトにあると大変な事になる!!
前回に引き続き今回もサイトの内部についてのガイドラインについて考えてみましょう。
今回のテーマは「隠しテキストと隠しリンク」です。
「隠しテキストと隠しリンク」についてはGoogleウェブマスター向けガイドラインの
に詳細が書かれています。
このように非常に細かくやってはいけないことが書かれています。
1つ1つの注意時点を見てみましょう。
● 白の背景で白のテキストを使用する
ブラウザでウェブページをユーザーが見たときに、白い背景のページの上に白いテキスト(文字)で文章を書けば人間の目には見えません。しかし物理的にはテキストが書かれているのでGoogleのクローラーロボットはそれを読んで検索結果を決める際の情報として使用します。
こうしたことをGoogleが許しておくと、少しでも目標キーワードをたくさん書いて上位表示に有利にしようだとか、自社の所在する地域には関係の無い他の都道府県名や、市町村区名を入れることにおり様々な複合キーワードで上位表示をしようという不正がはびこるようになります。
こうした不正に対してGoogleは私の知る限りかなり前から取り締まりを強化しています。私のセミナーを受講してくれた方が実際の事例を見せてくれたのですが、以前その方は自社のサイトのトップページの一番上に プロポリス という言葉を白いテキストで3回か、4回追加しました。
その後数日以内に検索順位が上がり検索結果の5位くらいに上位表示されました。しかしその方から数カ月後連絡がきたのですが、プロポリス という言葉で検索したら順位が落ちてしまい圏外になったとおっしゃっていたので確認したら本当に圏外になってしっていました。
その後すぐに、白いフォント色で書いたプロポリスという言葉をページから消したら1ヶ月以内に元の順位に戻りました。
この事はテキストだけではなく、リンクテキストにおいても言えます。
私が管理しているサイトの全てのページのフッターから背景が濃いブルーで、その上に明るいブルーでクライアントのサイトにリンクを張っていましたが、ある日気がついたら検索結果が40位以上も落ちてしまいました。
落ちてしまったキーワードはトップページで狙っているキーワードだけではなく、ほとんど全てのキーワードでした。
私は数カ月間何が原因なのか考えながら日々の忙しさでそのことを放置していました。
しかしその後そのサイトを見たら今度は全てのページのページランクが圏外になってしまいました。それまではトップページのページランクは4ありましたし、その他のページも3や、2、低くても1や0だったのですが、全てのページのページランクがグレー色の圏外になりました。(※ページランクについてはGoogleのスタッフが非公式に発表したところ2014年10月以降は最新の数値は発表しないという事です)
全てのページの検索順位が40位以上落ちて、ページランクが圏外になって私は初めて気がつきました。それは全ページフッターからしていたブルーのリンクテキストでした。確かに濃いブルーの上に明るいブルーだと見方によっては隠しているように見えることに気がつきました。私自身振り返って反省すると確かにそのリンクはあまりネットユーザーには見せたくはありませんでした。
結果的に私はネットユーザーには見せたくないように目立たないリンクを張り、同時にGoogleに対してはその存在を認識させて検索順位は高くしたかったということは確かにありました。
この事はGoogleからすればまさにガイドライン違反であり処分すべきことだったのでしょう。
私はこれらの目立たないリンクテキストを削除すれば必ず検索順位とページランクは復旧すると確信していましたので、この顛末をニュースレターやセミナーで事例として利用しようとしたのですぐさまGoogleウェブマスターツール(元:サーチコンソール)に自分が管理しているサイトを登録してGoogleから送付されたメッセージをキャプチャーしました。その画像が下のものです。
案の定Googleから警告がきており、しかもすでに処分をしている旨の通知がきていました。
私はすぐさま全ページからそのリンクテキストを削除して再審査リクエストをGoogleウェブマスターツールからしました。
その後起きたことは:
(1) 5日後に全ページのページランクが復活して、再審査リクエストを受理してペナルティーを解除したというメッセーがGoogleからきました。
(2) それから約3週間後にほとんどのページの検索順位が元に戻りました。
Googleはこのようにウェブマスターガイドラインで警告している事を取り締まるようになってきています。
しかもその処分は情け容赦無いものであり、誤りを訂正しない限り許してはくれません。許されない限り検索順位の復旧はありません。
● テキストを画像の背後に置く
テキストを画像の背後に置くのには2つの方法があります。
1つは良くレポートでも報告しているようなALT属性に書くことです。
画像の裏に書くALT属性には、その画像を端的に説明することがベストです。
例えば、弁護士がクライアントと話している写真のALT属性には
○ クライアントの話を聞く弁護士
と書くのなら端的な書き方なので問題はありませんが、
× 債務整理 大阪で活躍する弁護士がクライアントの債務整理の相談を受けている写真
だと長すぎますし、いかにもこのページやサイト全体で
債務整理 大阪
や
債務整理 弁護士 大阪
を狙っているのがGoogleにわかった場合、そうした言葉をなるべくページ内に書きまくるために意図的に不正をしているという印象をGoogleに与えてしまうことになります。
特に上の悪い例では
「債務整理 大阪で活躍する弁護士がクライアントの債務整理の相談を受けている写真」
債務整理という言葉が2回も書かれているのが良くありません。
少しでも心当たりのある方は全てのページのALT属性の部分を見直してシンプルにすっきりさせるようにしてください。
2つ目の方法はCSS(スタイルシート)を使って画像の裏にたくさんの文字を詰め込む手法です。
これもALT属性と同じように画像について端的にシンプルに説明をするのなら良いのですが、それ以上のことを書くと違反になり、Googleは実際に取り締まりをしてペナルティーを与えるようになっているので気をつけてください。
例えば歯科医院のサイトのヘッダー画像の表面には「鈴木歯科医院」とし書かれていない場合は
○ 鈴木歯科医院
または
○鈴木歯科医院公式サイト
なら問題ありませんが、
× 世田谷区でインプラントをするなら鈴木歯科医院
だと画像の表面に書かれていない文言、特にこのサイトで上位表示を目指している目標キーワードが「世田谷 インプラント」や、「歯科医院 世田谷」の場合はそうした目標キーワードを不当に詰め込んでいるという悪い印象をGoogleに与えることになるので気をつけてください。
● CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
CSS(スタイルシート)を使って出来るもう一つの事としてはブラウザ画面の外側にたくさんのテキストやテキストリンクをさせる方法があります。
これも画像の表面に書いてある文字をブラウザーの外に隠すのは問題ないがそれ以上のことを書くと違反になるので注意するようにしてください。
● フォント サイズを 0 に設定する
フォントサイズを0にしたり、極めて小さくすると丁度蟻のように小さい文字になり、ユーザーの目には触れず、Googleのクローラーロボットだけに見せることになるので不正行為になりますので気をつけてください。
最近はほとんど見かけなくなりましたが、以前は良くそうしたページを見つける事が出来ました。
私はセミナー中にそうしたページを見つけてカーソルを当てて反転表示をして、メモ帳に張り「ありんこが隠れています」と言っていた記憶があります。
ご自分に隠すつもりはなくてもユーザーが読めないほど小さなフォントサイズでテキストを書けば処分の対象になるので気をつけてください。
● 小さな 1 文字(段落中のハイフンなど)のみをリンクにしてリンクを隠す
これは読んだ通りのことですが、1文字でなくとても、2文字、3文字、例えば
FX
だとか、
廃車
などという言葉を文章の一部ではなく、不自然な場所に書いてそこをリンク化すれば危険な行為になります。
危険なテキストリンクというのはユーザーがその存在を認識出来ない目立たないもののことです。ユーザーが認識できなかったら結局は隠しテキストと同じことになります。
サイトに隠しテキストや隠しリンクが含まれていないかを判断する際は、ユーザーから見えにくい部分がないか、ユーザーではなく検索エンジンのみを対象としたテキストやリンクがないかを確認します。 これはまさに先程私が申し上げたことです。
結局はGoogleだけに見えて、ユーザーに見えないようにすることは危険な行為になってきているということです。
ただし、何度も言いますが、画像の表面に書いていることを端的にシンプルに画像の裏やブラウザの外に書くのは違反ではありません。
今現在、こうしたことをしているのではと少しでも心当たりのある方はすでにGoogleからペナルティーを受けており、検索順位がかなり落とされている可能性があります。
少しでも早く全ページを点検して隠しテキスト、隠しリンクを無くすようにしてください。
※ もし御社のサイトの全てのページのページランクがグレーになり圏外になり、かつほとんどの目標キーワードで順位が40位以上落ちたのなら私が受けたペナルティーのように非常に厳しいペナルティーの可能性が高いので、Googleウェブマスターツール(現:サーチコンソール)にそのサイトを登録する必要があります。登録手続きが完了すると通常24時間以内にGoogleから手動によるペナルティーを与えたという通知が届きます。
その場合は、全ページを点検して隠しテキスト、隠しリンクを完全に無くしてから再審査リクエストをしてください。 通常数週間以内に復旧します。
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