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WordPressとMovableTypeを比較!メリット・デメリットは?
執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2022年10月19日
Webの作成をしているとWordPressという単語を耳にすると思います。
世界で最も利用されているCMSです。
CMSとはContent Management System:コンテンツ・マネジメント・システムのことで、動的ページでWebページを生成するプログラムのことを意味します。
世の中では『WordPressを利用すればSEO上有利だから使った方が良い』 という情報がたくさん流れています。 この情報を鵜呑みにしてWordPressを利用している方は、必ずこの記事を最後まで読んで正しく理解して下さい。
WordPressは非常に便利でオープンソースなので利用者が多いのは事実ですが、利用するだけでSEO上有利と言える根拠は何でしょうか?
※オープンソース=ソフトの中身を誰でも見られる状態のこと
WordPressは世界で最も利用されているCMS
WordPressは、世界で最も利用されているCMSと言えます。
CMSのブランドとして世界で1番普及したのが、WordPress(ワードプレス)です。
知名度も高いので、ブログ開設の方法などをネットで検索するとすぐに出てきます。簡単に動的ページを作成できるのです。
デザイン性の高いブログを簡単に作成・投稿することができるツールというイメージです。 サーバーやドメインの費用はかかりますが、WordPress自体は無料で使えるので、安価で気軽に自分のブログを作成できます。
WordPressがこれほどまでに普及した理由は、以下に示すメリットがあるからです。
WordPressのメリット
初心者でも簡単にブログの管理運営ができる
本来、Webページを作成する場合、HTMLなどの最低限の専門的知識が必要です。 WordPressが、全く専門的知識が不要というわけではありませんが、WordPressなしでブログを構築するよりはるかに簡単です。
イメージとしては、Wordに文章と画像を入力するようなものです。 文字の色やサイズ、配置などもボタン一つで変更できます。 また、WordPressはその管理画面にログインできれば、ネット環境がある場所であればどこでもブログの更新や投稿ができます。
デザイン性の高いページを簡単に作成できる
記事の投稿だけではなく、Webサイト自体のデザインのアレンジ性も高いです。
『テーマ』というWebサイトのデザインをパッケージ化したものが、無料のものから有料のものまで豊富に存在します。
その中から自分の気に入った『テーマ』をインストールするだけで、サイト全体のデザインを変更することができます。 HTMLに詳しければ、自由にサイトのデザインを構築できますが、初心者には難しいためこれはたいへん便利な機能です。
プラグインを追加することで様々な機能を追加できる
WordPress自体はブログの投稿はできますが、それ以外の機能は備わっていません。 追加したい機能は『プラグイン』と呼ばれるオプションのようなものをインストールして追加します。 セキュリティ対策やアクセス解析など、多くのプラグインを無料で利用することができます。
※プラグイン=すでに使っているソフト(アプリ)の機能を拡張するために追加するプログラムのこと
自身のサイトに必要な機能を追加できるため、カスタマイズ性は高いですが、入れすぎるとページが重くなります。 必要なプラグインを選別し、追加するようにしましょう。
WordPressのデメリット
サイトの表示速度が遅くなる
HTMLで作成したページに比べると、WordPressで作成したページは、データベースを介するため、表示にどうしても時間がかかります。 データベースを介することで動的ページを作成することができるのでやむを得ませんが、表示速度が遅いとユーザーのストレスになることがあります。
SEO対策など、ページの質を高めるには専門的知識が必要
操作は簡単なのですが、SEO対策やビジネス向けの集客力のあるサイトを作成するには、やはり専門的知識が必要です。 HTML、CSSに関しても、ある程度の理解が必要となります。
ビジネス用のページが、無料のテーマのデザインと同じ場合、素人っぽい印象を与えてしまいます。 個人の趣味のブログ程度であれば問題ないかもしれませんが、より高度なことを求めるならば、やはり専門的知識が必要です。
アップデートなどの定期的なメンテナンスが必要
WordPressはオープンソースであるため、セキュリティ強化のためにも頻繁にアップデートされます。
もちろん、都度利用者もアップデートする必要があります。
ただ、アップデートによって微妙にデザインがズレる場合があるため、定期的なメンテナンスが必要です。
セキュリティ対策に不安がある
大企業などは、自社のホームページをWordPressで作成することはまずありません。
海外の高額なCMSを利用しています。
理由はセキュリティ面にあると言えます。大企業になればなるほど高度なセキュリティ対策が必要です。
WordPressはオープンソースであるがゆえにハッカーなどに狙われやすいデメリットがあります。 セキュリティ対策を強化するとなると、専門的知識が必要となり、そのためのコストもかかります。 初期はWordPressであっても、事業が成長すれば、有料でよりセキュリティに優れた方法を検討する必要があるでしょう。
MovableTypeは静的ページを作成できるCMS
歴史的にはWordPressより先に登場したCMSがMovableTypeです。 古くからあるCMSですので、日本では比較的高いシェアを誇っていました。 MovableTypeもブログのような感覚で記事を作成、投稿することができます。
※Movable Type=ブログを作成・管理するためのソフトウェア
ブログとして利用するという意味では、WordPressと大差ないように感じますが、実際には様々な違いがあります。
MovableTypeのメリット
ブログ感覚で投稿できる
WordPressでも言えることですが、初心者にとってはありがたい機能です。 文字の入力と画像の登録だけでページを作成することができます。
豊富なプランが用意されている
WordPressと違い、MovableTypeは基本的に有料です。
WordPressも実際にはサーバーとドメイン代がかかるので、月々1,000円程度かかってきます。
MovableTypeはソフトウェア版とクラウド版があり、クラウド版はサーバーやアップデート作業は不要です。
WordPressはアップデートが頻繁にあるため、、都度メンテナンスをすることは時間的コストにつながります。 その点はMovableTypeに分があると言えるでしょう。
ページの表示速度が速い
WordPressは動的ページを作成しますが、MovableTypeは静的ページを作成します。
静的ページはデータベースが関与しないため、表示速度は速くなります。
当然、サーバーへの負担も少なく、サーバーダウンのリスクも下げることが可能です。
セキュリティ面で優れている
有料であるMovableTypeは、何かトラブルが起きた時にサポートしてもらえます。 オープンソースではないため、WordPressよりセキュリティ面は優れています。
メーカーサポートを受けられる
WordPressにはない最大のメリットが、このサポート体制です。
MovableTypeは国内産なので、当然マニュアルもサポートも日本語で受けることができます。
これが、MovableTypeが日本で高いシェアを誇る最大の理由です。
MovableTypeのデメリット
プラグインが少なく有料なものが多い
CMSをカスタマイズするために欠かせないプラグインですが、その数はWordPressに比べると少ないです。 また、WordPressは無料のものが多いのですが、MovableTypeは有料のものが多いです。
カスタマイズに関する情報が乏しい
「WordPress」というキーワードでGoogle検索すると、様々なカスタマイズの情報が出てきます。 しかし、MovableTypeは情報も少なく、素人でカスタマイズするのは難しいと言えます。 自分だけの好みのデザインが欲しい方には、少々物足りないかもしれません。
WordPressを利用するとSEO上有利というのは本当なのか?
もしこの仮説が正しければ、WordPressで作ったサイトは軒並みGoogleに上位表示されるでしょう。 このようなうわさが広まった理由は定かではありませんが、CMSの特徴とWordPressの特徴が混合される傾向にあります。
WordPressでページを作るだけで、SEO上有利になることはありません。 MovableTypeも然りです。 結局はユーザーが見やすいページであり、URLがインデックスされやすいなど、基礎がしっかりしたページの評価が上がっていきます。
※インデックスされる=データベースに含まれて検索されるようになること
結果的にSEO上有利になることはあったとしても、それが目的になることはないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
●WordPress、MovableTypeそれぞれ長所と短所がある
●WordPressはライセンス料が無料、MovableTypeは有料
●世界的シェアと使いやすさはWordPress
●セキュリティ面と表示速度においてはMovableType
最後に、Web制作会社などに在籍するプログラマーの中でもMovableTypeを扱いこなせる方は少数です。 シェアの割合から考えても当然です。 ニーズが多いWordPressは、扱える方もたくさんいます。
人材の雇用や外注化の際にはこの辺りもポイントとなります。
この記事を参考にあなたに相応しいCMSをご利用頂けると幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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