SEO用語解説 - D
Googleが推奨するタイトルタグの正しい書き方
執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2021年10月11日
Webページのタイトルタグにはどんなフレーズを書けばGoogleで上位表示しやすくなるのでしょうか?この疑問は多くのサイト運営者が抱く疑問です。
通常、Webページのタイトルタグに書かれているフレーズがそのままGoogleの検索結果ページに表示されます。
例えば、私が管理しているSEOセミナーの案内サイトのトップページのタイトルタグは:
となっています。
そしてGoogleで「SEOセミナー」というキーワードで検索した時に
というように表示されています。
これはタイトルタグに書かれている「SEOセミナーの全国開催日程 鈴木将司のSEO対策セミナー」というフレーズがそのままGoogleの検索結果ページに表示されていることを意味します。
Googleで上位表示するためにはタイトルタグには:
- そのページが上位表示を目指すキーワードを1回か、2回記述する
- 全角で31文字くらいまでのフレーズを記述する
- タイトルタグに記述したフレーズがそのままGoogleの検索結果ページに表示されるので、タイトルタグにはユーザーの注意を引くフレーズを記述する
という3つの重要ポイントがこれまでありました。
3の「タイトルタグに記述したフレーズがそのままGoogleの検索結果ページに表示されるので、タイトルタグにはユーザーの注意を引くフレーズを記述する」について今回とても大きな変化がありました。
Googleが2021年8月24日に「ページタイトルアップデート」を実施したからです。
このアップデートは、GoogleがWebページ検索結果のタイトル生成方法を変更するものです。
この日以来、Webページのタイトルタグ内に記述した文言がそのままGoogleの検索結果に表示されないケースが多数発生するようになりました。
Googleの検索結果ページには上から順番に:
- ページURL
- ページタイトル(サイトへのリンクを含む)
- ページ紹介文
という3つの項目が表示されます。
今回のアップデートが実施されるまではほとんどの場合、
(2)ページタイトル(サイトへのリンクを含む)
には、そのページのタイトルタグで囲われた文言がそのまま表示されていました。
よっぽど的はずれなことをタイトルタグ内に書かない限り、そのページのタイトルタグで囲われた文言がそのまま表示されていたのです。
それではここで今回のアップデートに関するGoogleの公式発表の中身を見てみましょう。
Googleは今回2回にわたり公式発表をしました。
《第1回発表:ウェブページのタイトルの生成方法に関する最新情報(2021年8月24日)》
https://developers.google.com/search/blog/2021/08/update-to-generating-page-titles
《第2回発表:Google によるウェブページ検索結果のタイトル生成方法の詳細(2021年9月17日)》
https://developers.google.com/search/blog/2021/09/more-info-about-titles
の2つです。
1つ目の重要なポイントは:
というところです。
ここに書かれていることは: (1)Googleは実は10年以上前からページタイトルにタイトルタグに書かれた文言をそのまま表示することをやめていたので今回のアップデートが初めてのことではない
(2)新システムではユーザーがWebページにアクセスした時に視覚に入ってくる目立つテキストをページタイトルに使用することがあり、特にH1タグで囲われたページの表題の文言を抜粋してページタイトルに表示することがある
という点です。
(1)に関しては確かに10年近く前から全日本SEO協会の会員さんたちからの質問で「タイトルタグに書いたことがそのまま検索結果に表示されず困っている」という相談をいただくようになりました。しかし、その問題が発生するときはほとんどの場合、タイトルタグにそのページが何のページかというページの本質を書かずに、めちゃくちゃな書き方をしている時だけ発生するというレアなケースでした。
(2)に関しては、私のクライアントさんのサイトでもH1タグで囲われた部分をGoogleが抜粋してそのまま検索結果ページのページタイトルに表示しているケースがあります。
H1タグで囲われたフレーズは通常ページの目立つ部分にありますので、この部分はGoogleが言う「ヘッダータグ内に配置するコンテンツ、およびスタイル処理によって大きく目立つように作られたコンテンツ」でもあります。
このことからわかる対策は、ページのヘッダー部分に目立つように表示されているH1タグで囲われた部分がページタイトルとして表示される可能性がこれまでに比べると格段に高くなったということです。
ということは自分が希望する文言が検索結果ページに表示されないという悩みを持つ人は、まずそのページのH1タグを編集するということが1つの対策になります。
2つ目の重要なポイントは:
というものです。
Googleが適切ではないと判断するタイトルタグ内の文言は:
- Webページのタイトルタグに囲われた文言の中に同じキーワードの数が多すぎる
- 単語をたくさんタイトルタグ内に含めても上位表示はしなくなってきている
- タイトルタグをつけわすれている。あるいはタイトルタグ内に同じような決り文句が繰り返し書かれている
という3つのパターンがあることが明らかになりました。
(1)Webページのタイトルタグに囲われた文言の中に同じキーワードの数が多すぎる
→ 2018年から実施されたコアアップデート以前の時代は、タイトルタグ内に同じキーワードを繰り返しキーワードに意図的に含めると上位表示しやすい傾向がありましたが、今日では効果があるどころか逆効果になるようになりました。
《X 悪い例》
<title>池袋で矯正歯科をお探しなら裏側矯正・矯正歯科で実績の歯医者の鈴木矯正歯科医院</title>
《○ 良い例》
<title>池袋で矯正歯科をお探しなら鈴木矯正歯科医院</title>
(2)単語をたくさんタイトルタグ内に含めても上位表示はしなくなってきている
→ 上位表示したい複数の単語をタイトルタグに機械的に書いてもそれらの単語で上位表示することはなくなってきています。無理やり複数の単語をタイトルタグに含めることはやめましょう。そのページで提供している主なコンテンツは何かを考え、そのことだけをタイトルタグに書くようにしましょう。
《X 悪い例》
<title>池袋・目白・大塚で矯正歯科をお探しならインビザライン・審美歯科・ホワイトニングの鈴木矯正歯科医院</title>
《○ 良い例》
<title>池袋で矯正歯科をお探しならの鈴木矯正歯科医院</title>
(3)タイトルタグをつけわすれている。あるいはタイトルタグ内に同じような決り文句が繰り返し書かれている
→ 稀にタイトルタグをつけ忘れているページがありますが、そのような初歩的なミスは避けましょう。
あるいは、タイトルタグに同じような決り文句を繰り返し書いている場合は別の言葉に置き換えるか、繰り返しの部分を削除しましょう。
《X 悪い例》
<title>池袋で矯正歯科をお探しなら専門医がいる安心の矯正歯科医院 鈴木矯正歯科医院</title>
《○ 良い例》
<title>池袋で矯正歯科をお探しなら安心の専門医がいる 鈴木矯正歯科医院</title>
3つ目の重要なポイントは:
という部分で・・・
- タイトルタグにはサイト名が追加されることがある
- 極端に長い文言をタイトルタグ内に記述するとユーザーにとって無駄な文言だとGoogleが判断した部分は省略されることがある
という点です。
(1)タイトルタグにはサイト名が追加されることがある
→ これは2012年くらいからたまに見かけるケースですが、Googleが自動的に考えた文言が検索結果ページのページタイトルに表示された場合、必要に応じてサイト名が後ろの方に追加されることがあるという現象です。
例えば、下の図はGoogleで「全身脱毛 東京」で上位表示しているmybestという名前のランキングサイトです。
このページのタイトルタグ内には:
【医師監修】おすすめの医療脱毛クリニック29選【失敗しないための病院の選び方は?】 | mybest
と書かれていますが、検索結果ページ上のページタイトル欄には:
【医師監修】おすすめの医療脱毛クリニック29選 ... - mybest
とだけ表示されています。
従来の方式だと:
【医師監修】おすすめの医療脱毛クリニック29選【失敗しない・・・
とページタイトル欄に表示されるのでユーザーにとってそのページの内容やサイト運営者が誰かを予測しにくい情報になってしまいます。 これを避けるためにGoogleは自動的に- (ハイフン)を表示し、その後にサイト名である mybest という文言を表示しています。
(2)極端に長い文言をタイトルタグ内に記述するとユーザーにとって無駄な文言だとGoogleが判断した部分は省略されることがある
→ 上の例がまさにこのパターンです。Googleは 【失敗しないための病院の選び方は?】 という文言は無いほうがすっきりしてユーザーがこのページの内容を予測しやすいと自動的に判断したのでしょう。
私達がタイトルタグに文言を書くときには極力こうした余計な補足文を書くのを避けて、本質的に必要な文言、つまりエッセンシャルな文言だけを書くよう心がけるべきでしょう。
4つ目の重要なポイントは:
とうものです。
タイトルタグ内の文言が完全に書かれておらず、部分的に空白があると、Googleのシステムが自動的にその空白を埋めるためにページタイトルを創作することがあります。タイトルタグの先頭にはそのページのテーマを気忘れないようにしてください。
5つ目の重要なポイントは:
というもので、タイトルタグ内に古い日付が記述されているとページの中身をGoogleが調べて、ページの中身に合った日付に自動的に書き換えるというかなり踏み込んだ編集をしているということがわかります。
6つ目の重要なポイントは:
というものです。
最近の傾向としては、Googleの検索結果ページ上で自社ページの存在を目立たせるために過度な装飾、誇張したフレーズをタイトルタグ内に記述することが流行しています。
2021年の最新版でないのに:
【2021年最新版】一度は行ってみたい渋谷のエステサロン21選
と書いたり、専門家が絶賛していないのに:
専門家が絶賛!女性の肌を根本から美しくするスーパーコスメ「プレミアムエクセラ」
と書くなどはそのページの内容を正確に反映し、表した文言だとは言えません。
こうした風潮に一矢報いるのも、今回のアップデート実施の背景にあるのかもしれません。
以上がGoogleが実施した「ページタイトルアップデート」の影響と対策です。
対策をまとめると・・・
- タイトルタグにそのページが何のページかというページの本質を書くこと
- H1タグなど、ユーザーがページに来た時に目に入ってくる目立つ部分の文言がそのまま抜粋される可能性が高いので、それらの場所には検索結果ページのページタイトルに表示したいことを書くこと
- Webページのタイトルタグに囲われた文言の中に同じキーワードを意図的に何度も繰り返して記述してはいけない
- 単語をたくさんタイトルタグ内に含めない
- タイトルタグをつけわすれてはいけない
- タイトルタグ内に同じような決り文句を繰り返し書いてはいけない
- 極端に長い文言をタイトルタグ内に記述するとユーザーにとって無駄な文言だとGoogleが判断した部分は省略され、最後の部分に「-(サイト名)」ことがあるので極力短めで簡潔な文言をタイトルタグ内に書く
- 誇張を避けてページの内容を正確には反映した文言を書かなくてはならない
これら8つの点に気をつけてサイト内の各ページの品質を高めましょう。
その努力によりユーザーにもGoogleにも良い印象を与え、御社のサイトの品質と信用が高まり検索順位が上がり、Googleからの流入が増えるはずです。