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Googleが高く評価するブログを書くには?

執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2022年2月16日

ブログが誕生して、すでにおそらく20年くらいの年月が経っています。

YouTubeですとかSNSですとかが今は大流行りで、「もうブログはオワコン」なんて言い草がたまに出てきますが、本当にブログはもう過去の遺物なのでしょうか?

いいえ。そう断定するには早すぎます。未だまだブログには価値があります。現に、Googleでの検索順位が高いサイトの多くがサイト内にブログを設置して継続的に記事を更新しているところが多数あります。

その記事の内容いかんで、SEOの命運が左右されます。ブログのSEOで失敗しないために、記事の書き方を見直してみましょう。

ブログの記事、どんな要素がないといけないのか?

 

ブログは、高頻度で更新されてこそ価値があるものです。なかなか更新されないのでは読者は集まりませんし、いかなる利益を生み出す機会も訪れません。

だからといって、中身を選ばずに記事をアップするのは大間違いです。

結論を先に述べます。SEOにプラスになるブログ記事に必要な要素は:

(1)発見 (2)学び (3)娯楽 (4)感動

の4つです。

ユーザはブログ記事に何を期待しているのでしょうか?それがこれら4つのうち最低1つの要素を満たす記事です。

たとえば、どこかの企業のブログを読みに行って、しかし何に満足できる情報が出てこなかったら、それは失望と退屈を味わって終わるはずです。

では、ブログの読者が記事に期待するものは何なのか? そこを突き詰めて考えると、「発見・学び・娯楽・感動」のいずれかだと考えられます。

インターネットは現代を象徴するメディアです。そのメディアに、新しい発見・新しい体験を期待するのは当たり前でしょう。読者はこれらを得るためにこそインターネットの接続の費用や手間暇をかけているのだと認識すべきです。

しかし書かれている記事が、すでに知っている情報ばかりだったら面白味は無くなるでしょう。ブログの場合なら、掲載されている記事に失望したら、そのブログを運営する企業や個人に対する期待は薄れるはずです。信頼も感じなくなるでしょう。

Googleのアルゴリズムはやがて、「このブログは、どうやらネットユーザにそっぽを向かれるブログだったらしい」と気づきます。そうしたらそのブログの検索順位はジリ貧に陥るでことしょう。

Googleはどのサイトやブログが人気があるのかを調べる耐えに、検索結果ページ上のリンクのクリック率や、サイトにユーザーが遷移してから検索結果ページに戻ってくるまでの時間を記録していると言われています。

1 「発見」の定義

たとえば、ニューヨーク州の何かに関する観光案内を見ているネットユーザがいる、としましょう。

その観光案内を読んでいて、バッファローという町があることを初めて知ったとします。これは「発見」です。

バッファローという町がニューヨーク州にあることで、何かのメリットがあってもなくてもかまいません。

未知の情報に接したのなら、それは「発見」です。

2 「学び」の定義

学びは「発見」の先にある現象です。

新たに知った情報があるとして、「それを知ったことで自分自身がどう変わるのか?」そこがポイントです。

自分自身にとって役に立たせることができる情報だったら、それは「学び」になります。

ニューヨークのバッファローという町に、東京から向かうとしたら? 航空券を買って羽田や成田からフライトをするのが常識でしょう。しかしニューヨークに着陸してからのルートは、現地に詳しくないタイプにはなかなか想像がつかないはず。

ニューヨークの某空港から長距離バスに乗るとして、「日本円にしてたったの3000円くらいで行けるルートがある」という情報を説明しているブログ記事があるとします。

そうしたら、そこで初めて「素敵な観光地へ行くためには高い費用がかかる~、と思い込んでいたけど、こういう工夫をすることによってここまで安くなるのか!」という「気づき」をプレゼントできたら、それは「学び」のよい例となります。

その情報を読者が自身の役に立てることができて、自身の暮らしの質を向上させることができる。それこそが学びなのです。

「試験問題の解き方」でもかまいませんし、私が今書いているこの記事のように「企業ブログの上位表示の方法論」でもかまいません。いずれも「発見」を超越して「学び」の境地に入れるのです。

そして「発見」「学び」の先にあるのが「娯楽」です。

3 「娯楽」の定義

ブログ記事には娯楽の要素があると、もっとよくなります。

単に事実や知識を説明・紹介しているだけでは、娯楽になることはありません。

しかし、文章を構成する能力に長けている書き手なら、その文章を読んでいるだけで笑えたり楽しめたり……といった、付加価値を付け加えることができます。単に「学べる」を超越した要素をプレゼントできるのです。

エンターテインメント性は、文章力だけで決まるわけではありません。たとえば、観光バスのような写真や素敵なペットの写真を掲載するだけでも提供はできるものです。

学校の先生に当てはめてイメージすると、ずっとわかりやすくなるのではないでしょうか。

真面目に先生の前で理科のことを説明している先生より、クラス中がいつもゲラゲラ笑い出すような説明ができる先生のほうが、人気が高いはずでしょう。人気が高ければ、卒業後もずっと覚えていてくれて同窓会にも呼ばれることでしょう。

4 「感動」の定義

「娯楽」の要素があるだけでも儲けものですが、まだ先があります。

そのブログ記事を読んだことで、仰天するほどの感服・感銘を引き起こすことができたら、記憶に残るどころではありません。

読者の人生を根本から変えてしまうこともあるでしょう。これが「感動」です。

企業ブログはこの「発見・学び・娯楽・感動」の4要素を、といっても4種類全部は無理がありますのでどれか1要素だけでも、意識して書いたほうが良いでしょう。

せっかく記事を書くのですから、読者の心をとらえる記事を発信できるようにならないといけません。

企業ブログはこの「発見・学び・娯楽・感動」の4要素を……、といっても4種類全部は無理がありますのでどれか1要素だけでも、意識して書いたほうがいいでしょう。

せっかく記事を書くのですから、読者の心をとらえる記事を投稿できるようにならないといけません。

現在の世の中の無数にある企業ブログ、レベル分けしたらどうなるのか

企業ブログにレベル分けをしますと、1~3まで3段階(LEVEL1が低いマインドでLEVEL3が高いマインド)に分けられます。

1 企業ブログ/下位のレベル

これは私が考えた独自のレベル分けであることはご了承いただきたいのですが、LEVEL1に該当する企業ブログは、残念ながらすごく多いのが現実です。

それは「仕事だからなんとなく~、仕方なく書いているブログ」がことごとくあてはまるからです。

私がこれまで見てきた中で言えることとしては、歯科医師のブログはLEVEL1がよく散見されます。

SEOの知識がこの10年でだいぶ普及しているからでしょうか、ひと昔前よりは減っていますが、それでもまだ一般読者の目から見て無味乾燥な記事だらけの歯科医師ブログは多すぎるように思えてなりません。

「患者さんからこれこれこういうお花をいただきました。きれいですありがとうございます」~といったブログ記事は、歯科医院のカテゴリでは昔も今もよく出てきます。

その記事の書き手は、患者がわざわざプレゼントしてくれてうれしかったため、そしてその患者への御礼を表明したいために、ブログ記事に書いたのでしょう。それから思わず写真も撮ってブログに載せたのでしょう。

ところで、その感動はだれにとっての感動なのでしょうか?

歯科医院の受付担当者にとっての感動かもしれませんが、それは世の中全体にあまり関心を持たれないタイプの感動です。

「TV」という、いまだに全世帯に普及しているメディアに置き換えたら、もっとわかりやすくなるでしょうか。

TVのCMやエンタメ系の番組の制作サイドでは、お茶の間に広く受けるコンテンツを絶えず意識しているはずです。どこかの一家庭内でしか通用しないお笑い内容では、視聴者の大半にそっぽを向かれてしまいます。

ブログ記事をはじめ、インターネットに情報を発信するという行動も、キー局のTV番組の制作と同じくらいの意識をもって臨む価値があるのです。

黎明期のインターネットなら、そういう性質はまだ希薄でした。まだ閲覧者が少なかったからです。インターネットの原型ともいえる旧式のパソコン通信の時代は、狭いコミュニティの中でやり取りが行われていました。その時代は、利用者が少なかったからこそ、書きたいことを好きなように書いてもかまわなかったのです。

しかし今のような、小さな子供から高齢者まで世界中がネット接続できる時代になったら、TVと同じくらいの性格を帯びるようになりました。これは、コンテンツの制作サイドに意識の変化を要求します。

何よりも制作サイドは、責任を痛感しながら作業にあたらないといけません。企業の名前を出すコンテンツであればなおのこと、好きなことを自由に書けなくなりました。

ネットの場合ならTVと違い、「炎上」という困った現象がいつ起こるかわからない、そんなリスクと隣り合わせでもあります。

そして、責任感が要求されることだけが重要なのではありません。企業の名前を出すブログでは「仕方なく更新する」「惰性で記事を書く」ということはやめましょう。

責任を追及されないように、当たり障りのない記事を書く……というのも、違った意味で大問題です。読者がたまに来ても何も与えられません。これでは無用の長物でしかありません。

2 企業ブログ/中位のレベル

これは普通のブログ、平凡なブログを意味します。

たった今、仕方なく更新されるブログが無用であると書いたばかりですが……「仕方なく」ではなく「この記事をぜひ読んでほしい」と、はっきりとしたモチベーションをもって書かれたブログなら、LEVEL1にあてはまることはありません。

しかし……投稿された結果、読者に何か発見を与えたり、感動や楽しみをもたらしたりしていないなら、よそのブログと比べてたいした違いがありません。結果的に「平凡なブログ」となってしまうというわけです。

LEVEL2の平凡なブログは、LEVEL1寄りは格段に上ですが、それでも結果的には無益です。読者を喜ばせることもできず、読者を顧客に引き込むこともできません。結果的に、自分自身の工数や手間暇が無駄になってしまいます。

TVに出ているタレントは、次から次へと入れ替わります。売れないタレントはあっという間に消えていきますが、ブロガーは消えてしまうことはないものの、世の中の大半に顧みられない以上、消えていくタレントと大差ないでしょう。

さて、LEVEL1にLEVEL2と、厳しいことをつい書いてしまいましたが、脅しているわけではありませんし、ブログをやめていただく必要もありません。

3 企業ブログ/上位のレベル

LEVEL3のブログは、読者にとって需要のある記事・コンテンツを備えたブログです。役立つブログ、有益性の高いブログです。

これは、TVで売れっ子のタレントになることと比べたら、決して高いハードルではありません。なかなかLEVEL2から上昇できなくて伸び悩むブログが多いことは事実ですが、それでも個人のごく普通の努力で到達は可能です。

では、どんな方向に向かって努力するとよいのでしょうか?

これは、読者の役に立つブログを目指すこと。読者のニーズがあると確信を持てる内容を記事コンテンツ化すればいいのです。

ということで、読者ニーズをよく調査すること。これこそLEVEL1に近づく上で必須条件となります。

ここでよいサンプルをご紹介しましょう。私のコンサルティング先のひとつですが、良質のブログ記事をよく投稿できているのです。

それは、ある英会話スクールの公式ブログで、英会話ブログというジャンルです。

コンテンツの内容も一部ご紹介しますと、日本語の四文字熟語やことわざを、英語に訳すとしたら? どんな表現にするとよいのか? しばらく前から、このテーマを好んで取り上げている様子です。

「生兵法は大怪我の基」。英訳するとしたら、こうなりますよ……と、わかりやすい説明が書かれています。

これはアイデアとしては、たいしたものではないように見えてしまうかもしれません。しかし発見もあるし学びを読者にじゅうぶんに提供できているのです。

このブログは間違いなく成功しています。公式サイトへの流入の何割もがこのブログからとなっているとのことがサーチコンソールの検索パフォーマンスのデータを見て分かりました。

まとめ:企業ブログは適当に書いて済ませるのではなく、読者に何かを提供できなくてはならない

企業ブログの投稿で、今回取り上げた内容は……SEOの機械的なテクニックではありません。それよりも、誰でも努力で改善できることが中心です! 

  • ブログの記事は、読者に喜ばれて初めて意味をなす。読者が何も感じない内容や、よそでも書かれている内容ばかりでは収益を含めて何の価値も生み出さない。
  • ブログ記事で読者の目をくぎ付けにするには「発見・学び・娯楽・感動」のいずれかの要素をプレゼントできるように書かなくてはならない。
  • できたら「発見」の先にある「学び」、さらに「娯楽」を提供したいところ。「感動」を提供できたらしめたもの。
  • LEVEL1に当たる、更新するだけ無駄な企業ブログがいっこうに減らない。TV番組の制作サイドに匹敵する意識と責任感を持って更新に臨んだほうがよい。
  • しかし、やる気だけあってもLEVEL2の平凡な企業ブログになってしまう可能性は高い。読者ニーズを調査して、LEVEL1の読者を喜ばせる企業ブログにならなくてはいけない。

企業ブログを更新していくなら、これらについて一度考えて見て下さい。
そして意識を変えて再度チャレンジしてみてください。

継続していけば必ず目に見える変化が生じ、あなたが本来記事を見てほしいと思っているユーザーの目に触れるようになり、SEO効果が生じるはずです。

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