SEO用語解説 - D
動的ページのサイトはGoogle上位表示に不利なのか?
執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2022年5月21日
Webサイトの制作などに関わっていれば動的ページと静的ページという言葉を耳にしたことがあると思います。
文字通りと言えば文字通りの意味ではありますが、動的ページの意味をきちんと説明することができますか?
静的ページは説明しやすいのですが、動的ページというのは案外難しいものです。
さらに、SEO対策を考えた場合に動的ページが良いのか静的ページが良いのか、これも悩みどころでしょう。
- 動的ページと静的ページの違いを説明できない
- SEO対策として動的ページと静的ページどちらを選ぶべきか分からない
- 動的ページはSEO上有利なの?不利なの?
上記に当てはまる方はこの記事を最後まで読んで疑問を解決してください。
まず最初に、静的ページと動的ページの違いを正しく理解しましょう。
静的ページは毎回固定されたページが表示される
まず、静的と動的という言葉は対比的に使われる言葉です。
静的というのは「静か」、「動かない」、という意味を持っています。
静的ページはいつ誰が閲覧しても必ず同じ内容が表示されるページの事を指します。
当たり前だと思うかもしれませんが、現代のWebページの多くは動的ページです。
もう少し詳しく説明すると、HTMLで作られたページの事です。
HTMLとはHyper Text Markup Languageの略です。
Markupというのは文章構成の指示のことで、『この文章がタイトルです』というようなものです。
HTMLで構成されたページはこのように、どの文章が何なのかを指示されたページですのでいつ誰が見ても変わることはありません。
会社概要や経営理念などのページに利用されることが多いです。
このようなページの事を静的ページと呼びます。
静的ページのメリットは以下の通りです。
ページの表示速度が速い
サーバーは要求されたデータをブラウザに送信するだけです。
動的ページに比べるとページの表示速度が速くなることがメリットです。
表示速度が速いとユーザーはストレスなくページを見ることができます。
セキュリティ対策が簡単
動的ページはデータベースをサーバーに設置する必要があります。
データベースには様々な情報が含まれているためセキュリティ対策が重要となります。
静的ページではデータベースを設置する必要がないため、動的ページに比べるとセキュリティ対策がしやすいのがメリットです。
これらは静的ページのメリットであり、動的ページのデメリットでもあります。
今後も動的ページが必要ないと判断される場合は静的ページで作成して問題ありません。
しかし、近年のWebページは動的ページが多いので、動的ページについても理解しておきましょう。
動的ページは毎回表示される結果が異なるページ
動的とは動画という意味ではなく、毎回表示される内容が異なるページの事を言います。
あなたも利用したことがあるものとして、代表的な動的ページが検索ページです。
検索ページでは検索するワードによって表示される結果が異なります。
このようにユーザーの行動によって結果が異なるページの事を動的ページと理解しておきましょう。
この動的ページの普及の立役者になったとされるのがワードプレスです。
ワードプレスとはサイトやブログを作る仕組みのことで、全世界の4分の1以上のサイトがワードプレスで作成されていると言われています。
ワードプレスを利用することで個人でも簡単にサイトやブログを立ち上げることができるようになりました。
動的ページを作成するにはPHP、Perl Python(パールパイソン)、Go(ゴー)などのプログラミング言語の理解が必要です。
動的ページでは主に.aspや.php、.cgi、.pl、.shtmlなどの拡張性が使われます。
動的ページのメリットは以下の通りです。
ユーザーの要求に応えることができる
Amazonや楽天市場などのショッピングサイトでは、様々な検索機能が用いられています。
検索機能が充実しているからこそ、欲しい商品が見つかるのです。
これは静的ページにはできない動的ページのメリットです。
更新が簡単にできる
静的ページの場合は、ちょっとした文章の変更でも都度HTMLやCSSを書き換えてFTPにアップロードする作業が必要になります。
動的ページの代表であるワードプレスなどのCMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)では、そのような専門的知識がなくても簡単に更新が可能です。
特に更新作業の手間というのはランニングコストとしてボディーブローのように効いてきます。
サーバーのコストなどは動的ページの方がかかりますが、結果的に更新作業なども加味すると動的ページの方がコストの削減につながることも多々あります。
動的ページの理解が企業の勝敗を左右する
動的ページは人力に比べると圧倒的にページの更新スピードがあります。
今の時代において、例え優秀なエンジニアがいたとしても動的ページのスピードに人力で対応し続けることは難しいと言えます。
また、Web作成の現場において動的ページや静的ページという言葉の意味を知らないというのはある種致命傷です。
“私はWebについて無知です”と公表しているようなものなのです。
現代においてホームページを使わずにマーケティングを行うことは難しく、会社の代表やシステム担当がWebに無知というのは会社の信用に大きく影響します。
最低限のことは理解しておき、舐められないようにしておきましょう。
このように対外的にも知っておくべき動的ページの意味ですが、実際にSEO的に有利なのでしょうか?
Googleで上位表示するために動的ページがどのように影響するのか説明していきます。
動的ページがSEO対策上有利なのか?
結論から言うと、動的ページだからSEO上有利、つまりGoogleの上位表示に有利とは言えません。
一昔前までは動的ページはSEO上不利とされていました。
その理由は、URLが煩雑になりGoogleにインデックスされにくかったからです。
インデックスとは、検索エンジンのデータベースに登録されたということ。
つまり、ユーザーが検索エンジンで検索した時にあなたのページが表示されるようになったということです。
インデックスされにくいというのは、検索結果に反映されにくいということなので、SEO的に不利とされていました。
動的ページのURLを見てみると、非常に長ったらしいURLになっていることが多いです。
Amazonで商品ページのURLをコピペした時、異常に長いURLになっていることがありませんか?
このように、URL欄からはみ出るほど長いURLになります。
これが動的ページの特徴です。
このURLに入っている情報の1つ1つをパラメータと呼びます。
パラメータが入ったままのURLを表示するURL形式をgetメソッドと呼びます。
昔はこのURLをGoogleのクローラーが認識することができず、インデックスされにくかったのでSEO上不利とされていました。
しかし今のクローラーは優秀なので、このようなパラメータが表示されたURLでもきちんと理解することができるようになりました。
よって、動的ページだからSEO上不利という時代はすでに終わっています。
URLの表示形式として、getメソッドのように長くならず常に同じURLを表示する方法があります。
それがpostメソッドと呼ばれるものです。
Googleはパラメータ付きのURL表示を推奨しています。
よって、postメソッドは現在は推奨されていません。
むしろ、パラメータが複数表示されているURLの方がGoogleは何のページなのかを理解しやすいと考えられます。
何のページなのかわかるということは、インデックスされるということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 静的ページはいつ誰が見ても同じページが表示される
- 動的ページはユーザーのリクエストによって表示されるページが異なる
- ワードプレスの普及によって簡単に動的ページが作れるようになった
- SEO上明確にどちらのページが有利/不利ということはない
静的ページと動的ページ、それぞれの意味を理解してWebページを作成することが大切です。
URLに関して言うと、変にいじることはなく適切なパラメータを入れたURL表示がGoogleから推奨されています。
SEO対策に役立てて頂ければ幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
【関連情報】動的ページとは?
https://www.web-planners.net/knowledge/dynamic-serving.php