SEO用語解説 - C
canonicalタグの意味と設定方法
いまどきのSEOでよく話題をさらっているのは、各ページの「コンテンツのクォリティ」ではないでしょうか? 特に書き込まれる文章の質は、ひたすら重視されます。読む価値のある文章を挿入しないとSEOの成功はできない……と、どこに行っても聞こえてきます。
しかしサイトの都合上、自然と内容がそっくりなページがいくつも生まれてしまうことがあります。幸い、このような事態を解決してくれるありがたいHTMLタグが存在します。
カノニカル(canonical)タグを使って検索順位の低下を防ぐには?
1.カノニカルタグとは?
カノニカル(canonical)タグという名前、聞き慣れないと感じる方も多いかもしれません。HTMLをコードするときに、どちらかといえば初めのほうで用いるタグの一種です。
※Webページはいずれも、HTMLやCSSを用いて細部を指定する必要があります。
その際、たくさんのタグをもれなく記述する必要がありますが……そのページの基本的な内容を指定するタグを「メタタグ」と呼びます。そしてカノニカルタグも、このメタタグに準じた存在です。
2.カノニカルタグは、どんなときに出番があるのか?
カノニカルタグがあると役に立つ場面は、Webサイトから莫大な売上を伸ばそうとするなら確実に出てくるものです。
Googleの関係者はときどき、表舞台に登場して貴重な情報を公開してくれますが、サーチ・トレンド・アナリストとして知られるゲイリー・イリーズ(Gary Illyes)氏は2018年に、カノニカルタグの活用を全世界のWebサイト運営者におすすめしています。
たとえば、物販サイトを運営するケースを思い描いてみましょう。
味や芳香、あるいは含まれる成分でもなんでもいいですが、とにかく「これまでにない強みを持つコーヒー」を仕入れることに成功したA社があるとします。
このA社はさっそく、自社サイトに通販スペースを設けて、全国からの注文を受け付けようとすることでしょう。
さて、消費者にアンケートを実施した結果、たくさんのリクエストが寄せられても不思議ではないでしょう。
- 「たくさん買うと余ってしまうので、200gくらいの少量でも買えるようにしてほしい!」
- 「うちは大家族だから、数キロ単位で注文したい!」
なんて具合に、つけてくる注文がバラバラかもしれません。
確かに、分量をはじめ、いろいろな条件で注文できるようにしたほうが、多くの消費者を集められるはずですね。これらの条件は、1ページ内で選択できるようにする手もありますが、そこには限界があります。よって、分量なら分量ごとに(「200g」「500g」「1㎏」「2㎏」……)注文ページをつくったほうがよいという結論になることも、ときには出てくるでしょう。
しかし、この場合は「分量以外は、すべて書かれている内容が同じページ」が何ページもつくられることになってしまいます。 あくまでも同じコーヒーの注文ページなのですから、味や成分といった情報で差別化することはできませんし。写真を変えることは不可能ではないですが、同じコーヒーの写真ですから、結果として大した違いは生まれません。
結局、違う情報といえば「分量」および「値段」だけになってしまうわけです。おそらく、各ページの8割以上が同じ情報……こうなると、SEOを目指す場合に大きな足かせとなってしまいます。
しかし、このようなときこそカノニカルタグの出番です。
3.カノニカルタグの挿入方法
手順はきわめてシンプルです。
- 何ページもある中で、どれか1ページを選びます
Googleの評価の対象にしたいページを、1ページ選びましょう。 - 残りのページすべてのHTML内に、カノニカルタグを設定します
その際に、Googleに評価させたいページのURLを明記しましょう。
※たとえばそのページ名がsuzukicoffee.htmlだとしたら、
<link rel="canonical" href="suzukicoffee.html" />
と記述するのです。
このようにとても簡単な手順で、似ているページたちの評価の低迷を防止できます(Googleは、「suzukicoffee.html以外のページは、本物ではない。評価する必要はない」と判断してくれるはずです)。
4.カノニカルタグが「Googleお墨付きの、重複コンテンツ回避手段」である証明
Googleはカノニカルタグをとても大切に扱っています。
以下、公式サイト内で取り上げていることがその証拠と言えるでしょう。
https://support.google.com/webmasters/answer/139066?hl=ja#1
※「重複したURLを統合する」というフレーズで検索しても、簡単にヒットします。
このページに細かな設定の仕方や記述の仕方が書いてあります。Google自身による純正のマニュアルをご所望の場合は、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
カノニカルタグの使用はGoogleが推奨しています。自社サイトの順位維持・向上のために使わない手はありません。
- Googleは、重複コンテンツを悪質なサイトとみなして低評価を下す方向に向かっている
- しかしサイトの性質によっては、同一性が高いコンテンツを2ページ以上つくる必要も出てくる
- そのためGoogleはカノニカルタグを用意している。このタグを使って、1ページだけをGoogleの評価対象にするべき
以上ですが必要が生じたらカノニカルタグを積極的に使いましょう。