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企業がアフィリエイト広告を使って新規客を増やすには?

執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2021年10月18日

世の中には、膨大な種類の広告手段・広告媒体があります。しかしそこには、「流行りすたり」があります。近年は、いわゆるオールドメディアにおける広告は勢力を失っている、なんてよく言われます。 代わりに、シェアを着々と高めているのがWeb広告です。Web広告だけでもすさまじい種類があるのですが、比較的知名度が高いのがアフィリエイト広告です。 アフィリエイト広告は、企業や法人だけがかかわるのではありません。一般のネットユーザがよく関与する広告であり、注目されたころはかなり斬新な広告でした。 アフィリエイト広告は、特にブログとの相性がいいことで有名です。アフィリエイターを探すのであれば、人気のあるブロガーを探すと手っ取り早いかもしれません。 そのアフィリエイト広告、いつの間にかネット上にありふれた広告と化したことは間違いありません。このため、宣伝として上手に取り込むことができるなら、アフィリエイト広告はとても効果的な広報手段となります。

アフィリエイト広告の構造

アフィリエイト広告は、日本語に訳すと「成果報酬型広告」と置き換えられます。

インターネット広告の掲載位置は、Webサイトのどこか、当然のことですがなるべく目立つ箇所が選ばれるのですが、Webの場合はとにかく広告を「表示する」か、または「(ユーザに)クリックをされる」ことで、お金が動きます。広告は「見てもらえてナンボ」ですが、ネット上においては「表示」や「クリック」を単位とすることで、広告主に課金する金額が発生するようになっているのです。

しかし、これらのシステムだけでは広告としては物足りないかもしれません。

広告主の立場からしたら、広告が表示されて、それがユーザの目にとまってクリックしてもらえても……、結果的に、広告した商品の売上につながらなかったらガッカリものでしょう。

そのようなニーズを拾い上げて、Web1.0の時代(今となっては、もうだいぶ昔のことです)に編み出されたのが「成果報酬型広告」だったのです。

でも最大手なのは、おそらくAmazonでしょう。Amazonのジェフ・ベゾス氏は、しばしば世界一の資産家と報じられるほどの成功者ですが、それもそのはず、Amazonは現在のインターネットのビジネスモデルの数多くの立案・プロデュースにかかわっているのです。

なんでもAmazonでは「Amazonで商品を1点買う人が出てきたら、Xドル」という発想から、「広告を通じて売上が発生したら、その広告を載せてくれたサイトに料金を払おう」というシステムを考えたのだとか。真相は不明ですが……

成果報酬型広告の仕組みを端的に明示している、こちらの図をご覧ください。

ネット上に広告を掲示してもらうのも、実は楽なことではないのですが……

  • その広告を見たユーザが、クリックして誘導される
  • 誘導先のサイト内で、ユーザがその商品を注文する
  • その時点で「成果が上がった」と判断して、何十円~何百円といった報酬を、広告を掲示してくれたサイト(の持ち主)に支払う

この仕組みは、登場からあっという間に世界中に広がりました。

この「成果報酬ベースで広告料を払うシステム」は、世界中に受け入れられるくらい完成度の高いシステムだったのでしょう。

なお、今「商品を注文~」と書きましたが、商品の購入とは限りません。たとえば、(無料の)資料の請求やメールマガジンの登録でも、成果が上がったと判断・処理されるケースがごくふつうにみられます

アフィリエイト広告を出したくなったとき、どうすればいいのか

このシステムを広げるには、企業が個々の広告主にアプローチするよりは、広告を好んで掲載してくれそうな人を集めたほうが効率的です。

このようなアフィリエイト広告を自身のサイト内に掲載しようとする人のことを「アフィリエイター」と呼びます。

アフィリエイト広告が世に広まり出すと、アフィリエイターになりたい人たちを集めて、広告の掲載を打診する動きが広まりました。行ってみればアフィリエイトの仲買人の出番がやってきたのです。

アフィリエイトの仲介を生業とする企業は、略して「ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)」と呼ばれます。

1 アフィリエイト広告の構成図

こちらをご覧ください↓

左側に広告主、右側にアフィリエイターが集っている、という図です。

アフィリエイター側からすれば

  • 自分自身のサイトで紹介したら売れそうな商材
  • 紹介しやすい商材
  • 紹介したい商材

~をネット上から探し回るよりもASPサイトで物色、チェックしたほうが楽なわけです。こうしてアフィリエイターはASPに熱心に集まるようになりました。

それではASPには、どのような大手企業があるのでしょうか?

メジャーなASPといえば

  • A8
  • リンクシェア
  • バリューコマース

の名前がただちに思い浮かびます。

ちなみにA8は「A8ネット」と呼ばれることも多いです。A8は日本国内では最大級のASPで、歴史もいちばん長いかもしれません。

2 ASPのシステム内部

実は全日本SEO協会もA8と契約して、アフィリエイト広告を出しています。日々どうやって出稿しているのがお見せします。

↓こちらの「広告主会員」というフォームにIDとパスワードを入れてログインします。

このサイト内、システム内でアフィリエイター会員たちが「この、SEO協会というところの商材を紹介したい~」、と思ってくれたら申し込みが発生するわけです↓

申し込みが生じたときは、こちらの「メディア管理」というスペースを選択しましょう↓

そこで「提携承認」というボタンを広告主が押せば、商材の広告をアフィリエイターに掲載させることができます。

※なお、現時点では↓ご覧のように0件ですが……全日本SEO協会の場合、数日に1回のペースで申し込み者が発生しています。

ちなみに、どのようなアフィリエイターのサイトに掲載されるのかはクリックすれば確認できるようになっています。確認した上で、「うちの商品を宣伝するのによさそうだ」と思ったら「承認」を押下し、次いで「OK」を押下します。すると、晴れて承認となります。

3 アフィリエイター側の処理

承認を受けたアフィリエイターは、A8が指定したHTMLタグを、自分自身のサイト内に貼り付けます。

貼り付けてアップロード作業を済ませると、アフィリエイト広告が発動します。サイト内において広告の掲載が開始され、その広告をクリックして広告主のサイトにアクセスしたネットユーザの存在をプログラムで把握できるようになります。

4 成果報酬の計算から入金まで

ユーザの購入(決済手続き)が完了したら、逐一ログとして記録されます。その記録は広告主からもアフィリエイターからも確認できるような仕組みです。

毎月の「締め日」が来ると、過去ひと月内に売れた商品分の報酬がまとめて課金されます(ASPから広告主に請求が届くため、それに応じてASPに支払われます。それをASPがアフィリエイターの指定口座に入金するというわけです)。

5 ASPにかかる料金体系

ASPは確かに親切で便利ですが費用面での負担は、忘れないようにしないといけません。

1.固定費

全日本SEO協会では毎月4~5万円をシステム使用料としてAPSに払っています。

2.仲介手数料

1商材が1点売れるたびに、手数料を数%払う必要があります。手数料は、売価の10~15%が相場でしょう。仮に10%の商品でしたら、6000円商品が1点売れるたびに600円をASPから差し引かれるのです。


では、ASPに使用料や手数料を払わずにアフィリエイト広告を出稿する方法はないのでしょうか?

  • アフィリエイターのスカウト

そうしたいなら、ASPを介さずに自力でアフィリエイターを探して依頼・発注を行う必要が出てきます。

※もちろん、アフィリエイターが承諾してくれるかどうかはわかりませんが(優秀なアフィリエイターであれば、それ相応の報酬を提示しないと請けてくれないでしょう)。

  • オリジナルのシステムの開発

それから、広告主は自社独自のトラッキングシステムを準備することになります。アフィリエイト契約の成立までを正確に処理するシステムを開発するのは簡単ではありませんし、費用がかかります。

それでも、システムを持っていて高額な報酬を約束できるなら、アフィリエイター側が直接の契約を認めてくれることはありうる話です。

※直接の契約で、享受できるメリットは?

  • 広告主側:ASPへの支払いを一切浮かすことができる
  • アフィリエイター側:これまたASPに1円も取られないため、報酬が増える

実際に、巨大な企業であれば自社でシステムを開発することは不可能ではありません。中にはASPに頼らずに独自でアフィリエイト広告をネットのあちこちに出している事例があります。

その最たる例はアマゾンや楽天です。このようなオンラインショッピングモールの最大手ともなれば、信用も宣伝力もありますしASPを通さないほうが合理的なのでしょう。

アフィリエイト広告を開始する前に知っておかないと損する注意点

メリットやデメリットに分けて、理解しやすい形式でご説明しましょう。

1 アフィリエイト広告の主なメリット

1.余分な広告費用の削減が可能

商品の申し込みや資料請求の申し込み……といった、成果が出た分だけの広告費を払えばよいため、広告費用の無駄を省けるチャンスを手にできます。

2.広告の一元管理が可能

便利なASPを使えば、労力や費用面での無駄を省け、管理もしやすくなるでしょう(ただし後述しますが……ASPがあっても頻繁にやるべきチェック作業はなくなりません)。

2 アフィリエイト広告の主なデメリット

1.実力のあるアフィリエイターとの出会いに恵まれるか、定かでない

宣伝力のある腕利きのアフィリエイターを探さないと、成約は遅々として増えません。

2.アフィリエイターのサイト内で、クリックされやすい箇所に広告を掲載してくれない可能性がある

アフィリエイターも商売です。経験豊富なベテランとなると、サイト内にいくつも同時にアフィリエイト広告を貼って荒稼ぎしていますが……サイト内の目立つ箇所と目立たない箇所で当然、クリック率及び成約率は変動します。

慣れてきたアフィリエイターは、なるべく売れそうな、もうかりそうな商材の広告、または報酬をたんまりとはずんでくれる広告主の商材の広告を目立つ個所に掲載する傾向があります。

これはアフィリエイト以外の広告、たとえばポータルサイトの広告にもあてはまる法則ですが、報酬をたっぷりと払えるスポンサーのほうが目立つ広告を出稿できてしまうのです。

その一方、資金力の乏しい広告主は、見込み客の目にとまりにくい位置にしか出稿できず、いつまでもせっかくの広告の効果を出せない……という悪循環から抜け出せなくなるのです。

3.アフィリエイター側が広告料を吊り上げる恐れが常につきまとう

これは、競争が激しくなってくると顕在化する傾向です。たとえば成果報酬に関して、以前は「商品価格の15%でいいです」といっていたアフィリエイターが、あとから「20%に上げます」「30%にします」~と、どんどん値上げしていくことだって大いにあり得ます。

4.アフィリエイターの宣伝方法をチェックする必要がある

A8のような大手のASPのシステム管理画面では、アフィリエイター志願者からの連絡が寄せられますが……志願者のサイトをのぞいてみると、無茶な宣伝をしているケースに出くわすことがあります

たとえばその商材に関して、「内容とあまりにも違う説明」が書かれていることが往々にしてあります……買ってくれる客に対して、「ものすごく効果が出ますよ! 絶対に!」なんて限度を超えた煽り文句が強調されていることも珍しくありません。

そのような宣伝をするアフィリエイターのおかげで、一時的に申し込み&売上は伸びるかもしれませんが……近い将来に、どんな運命が待ち受けているでしょうか? 

その宣伝を信じて買ったのに、期待外れに終わった購入客たちが、失望をあらわにしながらその商材の悪口を言いふらしたり書きまくったりする恐れが出てきます。

早い話、アフィリエイト広告で利益を上げたいなら、契約した各アフィリエイターたちに任せきりにしてはいけません。たとえ、そのアフィリエイターたちが有名で、実績があっても、過信は禁物でしょう。

望ましくない宣伝をしていないかどうか、コンスタントに監視の目を光らせる必要があるのです。

アフィリエイターを選ぶときは、信頼性が感じられる人材を選ぶべきなのですが、「誇大広告をしない」という項目を常に意識しないといけません。

そのような人材を、がんばってリクルーティングする努力を怠るわけにはいかないのです。

まとめ:アフィリエイト広告の基本的な使い方、難しくないため早く理解しましょう

アフィリエイト広告の出稿は簡単に慣れますし、やる価値も大アリです。

  • アフィリエイトは、ネットユーザがその広告を見てクリックして、その先で何らかのアクション(商材の注文や何らかの手続き・申し込み)を起こしたときに、広告を掲載してくれたサイトの持ち主に報酬を払えばよい。
  • この成果報酬制度は、ネット上に無数にいるサイト運営者にとっても、広告を出したい業者にとっても、メリットが多くて完成度が高いシステムと評価できる。
  • A8やリンクシェアのような、有名なASPというサイトの会員になれば、アフィリエイト広告を簡単に出稿できて便利。
  • ASPに対しては、システム使用料を毎月定額払うほか、商品が売れるたびに手数料を決められた割合で払わなくてはならない。
  • ASPを通さずにアフィリエイト広告を出すには、自力でアフィリエイターを探す必要がある。また、手間暇やコストをかけてシステムの開発もしなくてはならない。
  • アフィリエイトは商品が売れない限り余分な出費をしなくてよい上に、管理が難しくない。とはいえ、アフィリエイターの宣伝のやり方が強引でないか頻繁に調べる必要がある。
  • そのほかにも、広告掲載位置や用意する報酬をめぐってアフィリエイターともめることはありうる。実力と信頼性を兼ね備えたアフィリエイターとの出会いは一筋縄ではいかない。

アフィリエイト広告は便利ですが、忘れてはいけない注意点もあります。しかし使い方をマスターして、根気よく続けていくことが望まれます。

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