SEO用語解説 - え
SEOとは何か?
執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
SEOの意味
検索エンジンの検索結果のページの表示順の上位に御社のWebサイトが表示されるように工夫する技術、そのためのテクニックの総称です。
検索エンジンは登録されているWebページをキーワードに応じて表示しますが、その瞬間の表示順位は各々の検索エンジンが独自の法則に従っって決められています。
この順位が上位にあるWebページの方が検索エンジンユーザーに見つけられやすく、訪問者も増加します。そのために検索順位を上げるため各Webサイト運営者は様々な手法を試みます。その様々な技術や手法を総称してSEO(Search Engine Optimization : 検索エンジン最適化)と呼ばれます。インターネット上の多くのユーザーはGoogleなどの検索サイトで情報を探すからです。
検索エンジンからのアクセスを増やすには、適切な検索キーワードで検索結果に表示されるようにしましょう。見込み客が検索エンジンで検索して御社のWebサイトに訪れていただくためにSEOを施します。
アクセス数を増やすための有効な方法は、検索エンジンからのアクセス数を増やすことです。その点を考えたWebサイト構築方法もSEOと呼びます。
SEOは「正しく情報を伝える手法」
SEOの元来の意味は検索エンジンというシステムに「正しく自社サイト内にある情報を伝える技術」です。 検索エンジンの細かな特徴を利用して、裏をかくように検索結果での表示順位をアップさせようとする悪意のあるテクニックは「検索エンジンスパム(サーチエンジンスパム)」と呼ばれます。検索エンジンは、スパム的な手法を無効化するよう日々改良がなされ、悪質な場合にはスタッフの手などによって検索結果から完全に排除されるなどのペナルティを科されます。
SEOとは、「検索結果の順位をアップさせる」のではなく、「検索エンジンに正しく情報を伝える」ことです。その結果として、順位もアップするのです。
SEO対策の本質
ロボット検索エンジンのプログラムと人間の思考というものは、違うものです。
ですから、ロボット検索エンジンのプログラムは、人間がサイトを見るようにページ内のコンテンツを「このページのコンテンツ内容は重要だ」「このページのコンテンツ内容は正確だ」とページを読み込むたびに理解し、判断しているわけではありません。
ロボット検索エンジンに求められているものというのは、どれだけ多くのサイトを効率よく集めてくるかというものであって、コンテンツ内容の重要さや正確さを厳密に判断することは出来ません。
ここからわかることは、あなたがサイトを制作する際には、Googleのようなロボット検索エンジンにわかりやすいサイトを作らなければいけないということです。
たくさんのサイトを効率よく集めようとしているロボット検索エンジンに対して、あなたのサイトの中にある画像や文章が、一体何についての情報なのかをわかりやすく説明する必要があります。
Googleがあなたのサイトをしっかり理解出来るようにサイトを作ることが、検索結果で上位表示を狙うために必要なことなのです。Googleが理解しにくいサイトを制作した場合は、上位表示を狙うことは難しくなってしまいます。
このようにGoogleという検索エンジンロボットに自社サイトにあるコンテンツの内容を理解してもらうための施策がSEO対策の本質の1つです。
もう1つの本質はGoogleの向こう側にいる検索ユーザーのニーズを満たすためのコンテンツを制作し続ける企業活動です。
この活動を行うことにより、検索ユーザーにとって役立つコンテンツのあるWebページを上位表示させるというGoogleの検索順位決定基準を満たすことが可能になります。
このSEO対策の2つの本質を理解することにより、長期的に持続可能なSEOを実施して安定的な検索順位とGoogleからの新規客流入数を維持出来るようになります。
SEO対策をする前にアイディアを考える
SEO対策をすれば、どんなサイトでも売り上げが伸びると考えてしまいがちですが、SEO対策をしてもサイトに面白さがなければ売り上げは伸びません。
つまらないサイトを検索エンジンで上位表示させても、商品はなかなか売れないのです。
ですから、上位表示されているのに売り上げが増えない場合は、あなたの商品やサービスを見直してみてください。
あなたの商品やサービスにユニーク性がない場合は、それが商品やサービスが売れない原因になっていることが多いです。
ユニーク性があっても、他店も同じような商品を扱っている、サービスを行っているというのなら、やはり商品やサービスは売れないでしょう。
あなたのサイトの商品やサービスにユニーク性はあるか、他店との差はあるのかを考えてみてください。
もし、ユニーク性があると自分では感じても、客観的に見たら、ユニーク性がなかったり、他店とわずかな差しかないという場合もあります。
大切なのは、ユニーク性をお客様がわかる形で出すことです。
自分だけがわかっているユニーク性にはあまり意味がないでしょう。
誰が見てもわかるユニーク性が商品やサービスにあるかをチェックすることが、売り上げを伸ばすことに繋がります。
SEO対策と商品企画はどちらが重要か
ネットショップを立ち上げたら、どの運営者もサイトにたくさんのユーザーを呼び込もうとするでしょう。
ユーザーがまったく来ないサイトでは、商品を売りたくても売ることが出来ないからです。
そこで、SEO対策をして、検索エンジンで上位表示を狙おうと考えるのは当然です。
上位表示されることが出来れば、サイトは多くのユーザーの目に触れる状態になるわけですから、アクセス数が増える可能性があります。
しかし、残念なことに、上位表示されるようになったからといって、必ず商品が売れたり、問い合わせが増えるわけではありません。
「サイトが上位表示される=商品が売れる、問い合わせが増える」といったものではないのです。
では、SEO対策は意味がないのでしょうか?
これは、SEO対策前の問題が大きく、まず買ってもらえるサイトを作ることが重要なのです。
ようするに、いくら検索エンジンで上位表示されても、そのサイトが商品を買ってもらえるようなサイトでなければ成約に結びつかないということです。
買ってもらえるサイトを上位表示させる必要があるのです。
SEO対策をすると同時に、ユーザーに商品・サービスを買ってもらえるサイトを制作しなくてはなりません。
最初から広告を出すという考えは甘い
サイトを立ち上げた当初は人が来ないものです。 立ち上げたばかりのときから、いきなり人がどんどん来るサイトというのはほとんどありません。
しかし、最初は人が来ないものだと考えて、そのままサイトを放っておくわけにはいかないでしょう。 何らかの対策を立て、実行しなければいけません。
そこで、多くの人が「広告費を出していないから人が来ない。広告を出して人を呼ぼう」と考えるのではないでしょうか。 広告を出して人を呼ぼうという考え方は、これまでの基準では常識的な考え方と言えるでしょう。
リアルの世界では、お店をオープンしたら折り込み広告や雑誌広告を利用して集客します。 広告を使って集客することはビジネスの常識ですから、人が来ないサイトに人を呼ぶために広告を出そうというのは自然な考え方なのです。
ですが、インターネットの世界のビジネスにそれが当てはまるのでしょうか? インターネットの世界で初めからネット広告に手を出してしまった人の多くは、来訪者が増えたのは広告を掲載している間だけという結果に落胆することになります。
これは「瞬間的なもの」「人工的な現象」のため、売上は増えても最終的には利益が増えなくほとんどタダ働きで終わったり、赤字に陥って経営を圧迫する危険性があるものです。
最初から広告を出そうとする前に、コンテンツマーケティングを実践し、SEOを試すべきです。結論を出すのはそれからにして下さい。
コンテンツマーケティングとオーガニック検索
オーガニック検索とは、検索エンジンの検索結果のうち、有料広告やスポンサー広告などを含まない部分のことです。または、そのような結果しか表示されない検索結果のことをいいます。
コンテンツマーケティングをすることにより、Googleなどの検索エンジンはあなたのサイトにユーザーに役立つWebページがあることに気づくようになります。
そしてそのページが検索ユーザーに役立つコンテンツだと様々なアルゴリズム(順位算定のための計算式)で認識した時に検索順位を上げてくれるようになります。
その結果、たくさんの検索ユーザーの目に触れることになり、さらに多くの検索ユーザーが自社サイトに来てくれるようになります。
SEOは必須か?
しかし、役立つ無料コンテンツがあるからといって必ずしも検索順位が上がるということはありません。
何故なら、あなたの競合企業はもっと役立つ無料コンテンツを自社サイト上で提供している可能性があるからです。
そうした場合、そこで競争が起きます。この競争に勝つために必要となるのがSEO(検索エンジン最適化)という技術です。
SEOは死んだのか?
「SEOは終わった、SEOという言葉は滅亡する」と高らかにおっしゃる方々がいますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
答えは「ノー」でしょう。
「SEOが終わった」とおっしゃる人は、古いSEO、つまりGoogleを騙すインチキ手法が通用しなくなり、自分が望んだ結果を出せなくなった人でしょう。何故なら私も私の周りの人達もSEOを実践することにより無駄なネット広告費を浪費せずにコンテンツマーケティングをすることにより新規客を毎日獲得していることを知っているからです。
検索エンジンが存在する限り、SEOは存在し続けるはずです。そしてインターネットが存在し続ける限り、検索エンジンも今の形か、あるいは別の進化した形で存在し続けるでしょう。
ただし、古い手法にこだわったSEOは滅亡していくということは言えるでしょう。常に検索エンジンの進化に合わせて、私たちのSEOも進化していく必要があります。
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