このエントリーをはてなブックマークに追加

パーソナルアシスタント開発競争に遅れたらGoogleは未来を失う!?

2015年08月18日
Googleがパーソナルアシスタント時代に向けて動き出しました。

"Google’s iOS App Now Provides Context-Aware Conversational Search
Functionality is imperfect, but useful, and does more than Siri can do."

『Googleが会話の文脈を理解する会話検索をiOSに提供開始:機能は完璧ではな無いものの、Siri以上の事が出来るようになった』(Search Engine Land 2015年8月14日 )

この記事によるとiPhoneユーザー向けに提供しているGoogleというアプリに人工知能機能を実装したということです。

どのような機能かというとiPhoneユーザーがGoogleというアプリを起動して、観光地の名前で検索した後に、ホームボタンを押して口頭で「XXXXで一番良いホテルはどこ?」と質問をするとその答えが検索結果として表示されるということです。

一見大したことは思えませんが、これまでのテキスト検索よりは少し便利になったようです。

Googleの弱点は、これまで構築した資産であるGoogle検索に拘るところです。今回の機能もこれまでのウェブ検索に毛が生えてようなものに感じられます。

何故検索に拘るかというと検索ビジネスで成功したからでしょう。いわゆる「成功の呪い」というものです。
過去の成功体験に囚われるために全く新しい世界に飛び出すことは得ることよりも、失うリスクがあるのでどうしても賢い人達ほどそれが出来ないものです。

しかし、検索ビジネスにおいて、完全に負けたBingを運営するマイクロソフトには何も失うものはありません。

以前、当ブログでもご紹介したWindows10英版やWindowsPhone英語版に実装されたコルタナというパーソナルアシスタントを紹介したYouTube動画をご覧下さい。



この動画ではSiri、GoogleNow、コルタナというパーソナルアシスタントに同じ質問を投げかけてそれぞれがどうユーザーを助けるかを検証しています。

現在のところGoogleのパーソナルアシスタントであるGoogleNowが一番優れているということは決してありません。
Siriやコルタナのほうが見やすかったり動作が早い時が多いのです。

サービスの普及を成功されるには初動が重要です。普及段階に入った時に最高レベルのプロダクトを持っていればそのプロダクトは先行者利得を得てそのマーケットを支配する可能性が増します。

検索ビジネスで負けたマイクロソフトは終わった勝負を捨てて、次のパーソナルアシスタントという人工知能のフィールドにチャレンジを始めました。

コルタナを何としてでも普及させるためにもWindows10を無償化したのではないでしょうか?

ところで、ウェブ検索エンジンとパーソナルアシスタントの違いは何でしょうか?

それらの最大の違いは・・・

【ウェブ検索エンジン】検索結果から自分の頭脳で判断してウェブページを選ばなくてはならない

【パーソナルアシスタント】ユーザーの意図と好みを理解して1つだけ答えを出す

です。

また、ウェブ検索エンジンはパーソナルアシスタントの1つのパーツでしかなく、ユーザーが検索するのを待っている受け身のソフトでしかありません。

一方、パーソナルアシスタントは、ウェブ検索以外にもTwitter、Facebookなどのソーシャルメディアアプリや、地図アプリ、天気予報アプリ、計算機アプリなど様々な情報ソースから情報を収集することが出来ます。

また、ユーザーが検索という面倒な行為をしなくても、ユーザーの状況や気分を察して情報を必要としていそうなタイミングでタイムリーに提案という形で情報提供が出来ます。

そうなってくるとパーソナルアシスタントというのは誰もがスマホさえ持っていれば持てる個人的な秘書ロボットになるはずです。

そしてこの個人的な秘書ロボットとはすでにiPhoneのSiriやマイクロソフトのコルタナがしているように、ユーザーの話し相手になってくれたり、歌が聞きたければその時の気分にあった歌を歌ってもくれます。

もうそうなると個人的な秘書ロボットという段階を超えて友達にすらなるかもしれません。

そこまでいけば誰もが実態の無い「ドラえもん」のような凄い友達を持つようなことになるはずです。

すでに物質的実態のあるロボットが販売され人気を博しています。それはソフトバンクがこの夏に発売したペッパーです。

その顔はドラえもんというよりは鉄腕アトムに近いですが足りないのは脚くらいのものでかなりの話し相手になってくれるそうです。

こうした世界になってきたときに今のGoogleはどうなるのでしょうか?

それは、家電業界で日本が下請けメーカーのような立場になったように、あのGoogleも1つのコンテンツプロバイダーという下請けになる可能性があるということです。

無論こうした状況を避けるためにGoogleは必死で持ち金を使いM&Aという手段を駆使して人工知能技術を持っている企業を買収する動きに出ています。

もしもこの人工知能開発競争に負けたら、その時こそ「Googleが人工知能に敗北する日」が来るはずです。

話しはここでは終わりません。

何故なら、もし私達がGoogleのウェブ検索エンジンという1ツールに集客を依存していたら私達の会社もGoogleと一緒に共倒れになるからです。

では私達サイト運営者はどうすればよいのでしょうか?

それはGoogleだけに囚われるのではなく、視野をGoogle以外の企業の取り組みにまで広げる事です。

今日も国内で1つのニュースが報道されました。それは・・・

『楽天は、8月19日、Android(TM) OS向けのアプリストア「楽天アプリ市場」のサービスを開始した。同ストアでは、約180社のアプリ開発者が提供する、「楽天アプリ市場」限定アプリを含む約390タイトルのアプリを取り扱っている(※8月18日時点の数字)。
「楽天アプリ市場」の大きな特徴は、ストア内の支払いやアプリ内における課金に「楽天スーパーポイント」を利用できるだけでなく、支払い金額に応じて通常の10倍のポイントを獲得できること(※購入額100円毎に、「楽天スーパーポイント」を通常の10倍に当たる10ポイントを付与。一部のアプリは対象外)』
(Social Game Info 2015年08月20日)

これは明らかにGoogleアンドロイドが支配するアンドロイドアプリ市場をアマゾンのように独自のアプリストアを立ち上げてGoogle経済圏から逃れるための動きです。

楽天は着々と駒をすすめています。それは:

1、楽天市場で格安スマホ「楽天モバイル」を発売する

2、LINEのようなメッセージアプリのバイバーを買収、アマゾンKindleの対向するためにKoboを買収

3、楽天スーパーポイントの価値を高めるためローソンと提携

などの動きです。

Googleが未だ提供していないポイントという武器にレバレッジをかけてモバイル市場の川上から川下までを攻めようとしています。

楽天も現在、パーソナルアシスタントには関心を持っていることでしょう。

あのFacebookにも動き出しています。それは・・・

『フェイスブックは、ニューヨーク・シリコンヴァレーのオフィス間を跨ぐAIチームを結成し、さらにフランスはパリに、新たなAI研究所を開設する。ヨーロッパには、彼らAIに注力する北米企業が欲しがる「AI人材」が眠っているのだという。』(WIRED.jp 2015.6.3 )

FacebookというGoogleの5分の1の年商を稼ぐもう一つのインターネットにおいてユーザーを人工知能を使い囲いこもうとしているようです。

今後私達は楽天、ソフトバンク、マイクロソフト、Facebook、アマゾン、アップル等の動きにも目を配り、機会を見つけたら活用する必要があるはずです。

ようやく、Google一極の世界から多極的な世界に時間が戻る可能性が出てきました。

しかし、その先にはまた新たな支配者が登場することでしょう。

一つだけ確かなことは私達はもはや立ち止まることは許されないという事です。



スマホ版Googleのサイトリンクの表示方法が変わる

2015年08月17日
"Google Mobile Results Have New Expandable Sitelinks
Google's mobile search results has a new design for the sitelinks; they now are expandable to show more options."

『モバイル版Googleが新しく、拡張型サイトリンクを提供開始:Googleのモバイル版の検索結果にサイトリンクを表示するための新しいデザインを実装。拡張型にすることにより、ユーザーにより多くのオプションを提供する』(Search Engine Land 2015年8月17日)

というニュースがありました。

サイトリンクというのは下の図のように元々はPC版Googleの検索結果上で一部のサイトのリンク情報の下に最大4つまで並列でそのドメインにある他のお奨めページをGoogleが自動的に見つけて補助リンクとして表示するものでした。



サイトリンクが表示されるサイトは検索結果にリンクとして表示されたページの他にもGoogleがそのサイトの中でユーザーにお奨め出来るページの候補を補助的に提案するものです。これが表示されることは表示されないよりもサイトの評価が高いということを意味します。
アクセスの少ないサイトほどサイトリンクは表示されないからです。

下の図は日本のスマホ版Googleでの同じキーワード(SEO対策セミナー)での検索結果です。


基本的にはPC版Googleと同じようなサイトリンクが表示されますが、決定的な違いがあります。

それはPC版Googleでは1位のセミナー専門サイトのサイトリンクは

SEOセミナー 東京 丸の内
スマートフォンSEO緊急対策
SEOセミナー 大阪梅田
ブログ


の4つあり、このサイトのアクセス解析ログを見ているとアクセスが多いページで、かつ「SEO対策セミナー」というキーワードで検索した検索ユーザーに推奨出来るようなページばかりなのですが、スマホ版Googleでは1件しか表示されていません。

その1件とは怖いことに、私が東京港区で検索していることをGoogleは認識してスマホ版GoogleではSEOセミナー 東京 丸の内 だけをサイト陸として表示しているのです。

恐らくその理由は東京で「SEO対策セミナー」と検索する人は新幹線や飛行でわざわざ大阪梅田までいかないでしょうし、スマートフォンSEO緊急対策セミナーを受講したいとは限らないですし、ブログを見たいとは限らないからです。つまりこれら4つのサイトリンクのうち移動中のユーザーに最も推奨出来るのが SEOセミナー 東京 丸の内  のページだとGoogleが即決したと思われます。

スマホユーザーのネット接続地点を割り出し、かつ最も推奨出来る近場の会場のページを表示するとはかなりの進化をGoogleが遂げていることが伝わってきます。

昔の感覚ではある意味不気味であり、気持ちが悪いというところでしょうが、徹底してこちらの状況やニーズを理解する相手に対しては例えそれが検索エンジンというコンピュータープログラムだとしても慣れてくると便利にすら感じてくるものです。

これは私達が通常アマゾンやYouTubeで自分が購入するアイテムの関連商品を表示されたり、しょっちゅう見るテーマの動画の関連動画が表示されるというコンピューター的なおせっかいにも言えることです。

これが現在の日本のスマホ版Googleの現状ですが、今回のSearch Engine Land のニュースによると米国ではすでに下の図のようにSEO対策セミナーというような地域性が高いキーワードではなく、Search Engine Landという固有名詞で検索した場合たくさんのサイトリンクを表示するのですが、カテゴリ毎にまとめてカテゴリ名をタップするとアコーディオン式に下にサイトリンクが複数件表示されるとのことです。



とても細かな変化だと思いますが、これにより他のサイトのアクセスが減ることも考えられて世界中のサイトのアクセス数とそれに影響されやすくなってきている検索順位に何らかの影響を与える可能性があります。

今後もスマホ版Googleの検索結果の変化には注意を払わなければなりません。

ヤフージャパンも検索結果にSSLと呼ばれる暗号化プロトコルを使用することになった

2015年08月12日
2015/08/12 のヤフージャパン公式サイトで次のことが発表されました。
『この度「Yahoo!検索」では、より強力なセキュリティ基準を採用したサービスを提供するため、2015年8月18日より段階的に、検索結果にSSLと呼ばれる暗号化プロトコルを使用することにいたしましたので、お知らせいたします。

SSL化に伴い、ご利用のOSによっては、エラーメッセージが表示されるなど、検索結果が正常に閲覧できない可能性がございます。対応方法など、詳しくは以下ページをご確認ください。』

これにより2つの問題が発生しました。

1、Googleアナリティクス等のクッキー技術を使ったアクセス解析ログにおいてヤフージャパンからどのような検索キーワードで自社サイトへユーザーが訪問してくれたのかがわからなくなった

→ Googleはすでに数年前に今回のヤフージャパンが実施したSSL化を実施いるためGoogleからどのような検索キーワードで自社サイトへユーザーが訪問してくれたのかがわからなくなった時期がありましたが、Googleサーチコンソール(旧Googleウェブマスターツール)と連動させることにより分かるようになっています。

しかし今回のヤフージャパンのSSL化にはそのような救済策が今のところないのでこれからずっと、あるいはヤフージャパンがGoogleのような救済策を提供しない限り、ヤフーからの流入キーワードが分からなくなります。

ただしクッキー技術を使わずにクリックストリーム型の測定方法を採用してるシミラーウェブ使えばGoogleとヤフージャパンからの流入キーワードは分かります。

しかし、シミラーウェブの無料版では上位5キーワードしかわからないのでほとんど参考にならないのと、各ジャンルで比較的実績のあるサイト以外はそのデータすら教えてくれません。

シミラーウェブ有料版はプランによってかなり多くの流入キーワードがわかりますが、かなり高額のため中々これまでのように気軽に使えるというものではありません。私が使っているプランでも年間80万円近くかかっています。国内で申し込みをすると12ヶ月先払いという非常に利用しずらいものになってしまっています。

2、検索順位測定ソフトを使ったヤフーの検索順位取得が上位10位までしか取得出来なくなった

→ Yahoo!の仕様変更により、100件検索ができなくなりました。Yahoo!では10件検索しかできなくなりました。

これに伴い全日本SEO協会が会員様に提供しているサーチエージェントProfessionalとサーチエージェントProfessionalの機能を全て含むSEOロボットドクターではYahoo!の検索順位上位10件のみ取得して「10位まで」の場合は今まで通り順位を取得して表示できますが、11位以降の順位測定は圏外(-)扱いの表示になりました。
ユーザーの皆様に多大なご迷惑をお掛けすることになり申し訳ありません。
全日本SEO協会ではサービスレベルダウンを少しでも補うためにサーチエージェントProfessionalのユーザー様には9月中旬からスマホ版Googleの検索順位も取得して表示出来るようにすることにしました。
すでにSEOロボットドクターでは試験的にスマホ版Googleの検索順位を1位から100位までの範囲ならばオレンジ色のカラム内に表示するように致しました。

以上が今回のヤフージャパンのSSL化による2つの影響についてですが、今後はどうすればよいのでしょうか?

1、ヤフーからの流入キーワード

日本の検索市場においてはヤフーとGoogleのシェアはほぼ同じですが、ヤフーのシェアは年々落ちてきています。
海外のヤフーのほとんどはマイクロソフトのBingを2010年から使うようになり独自検索エンジンは停止しています。
そうしたなかで海外の検索市場においてはヤフーの存在感はほとんどゼロに等しいレベルになってきています。
日本においても5年くらいの時差を伴いそこまで減らないにしても後数年でヤフーの検索シェアはGoogleの何分の1かになるはずです。そうなればヤフージャパンからの流入キーワードはあまりわからなくても支障はなくなるでしょう。

しかし、今は日本の検索市場においてはヤフーとGoogleのシェアはほぼ同じですのでヤフージャパンからの流入キーワードを完全に無視するわけには行きません。今はGoogleからの流入キーワードとほぼ同じだと思うようにするか、シミラーウェブ有料版という高額なソフトを甘んじて使うという選択肢があります。

今、祈るのはそうした年間100万円近くもかかる高額なソフトではなく、もっと民主的で良心的な金額でクリックストリームを測定してヤフージャパンからの流入キーワードも分かるソフトを提供する企業が出てくることです。

2、順位取得ソフト

当協会以外が提供している順位測定ソフトも同じ影響を受けていますので今後はヤフーの検索順位はGoogleのシステムを借りているので基本的に順位は同じですので、Googleの順位のほうを11位以下の非表示のものに関しては推測することです。

今回はとても残念なご報告ばかりとなってしまい申し訳ありません。

今後も予想されるのは、これまで私達が当たり前と思ってきたツールが突然使えなくなったり急に高額な費用が発生するということです。

しかしそういうことになったとしても、そればかりやっていたらダメージは大きいでしょうが、幸いにして現在のWebマーケティングはソーシャルメディア、スマートフォンのような新しい選択肢が増えてきて多様化してきています。

そうした多様な課題をクリアしていくことで1つの突発的な問題は相対的に小さな問題になるはずです。

何かの対策やツールに偏ることを避けて、様々な打てる現実的対策をその時その時とっていきましょう。

そして、自社の見込み客に対して素晴らしいユーザー体験を自社サイトを通じて提供してゆき、売上アップという果実を自らの手でもぎ取りましょう。

大きなサイトのデメリットは?

2015年08月11日
前回は大きいサイトのメリットについて考えてみましたが、今回はデメリットについてです。

大きなサイトのデメリットは・・・

1、リンク構造が複雑になる

→ 数十ページのサイトならそれぞれのページからそれぞれのページにサイト内リンクを張る事が出来ます。そうすればそれぞれのページがたくさんのサイト内のページからリンクが張られているので重要なページばかりだとGoogleが判断してSEO対策上プラスになります。
しかし、サイト内に何百、何千、何万ものページがある場合はそれは困難になるのでどうしてもほとんどのページが僅かな数のページからしかリンクされなくなります。

2、サイト内リンクの張替え、修正、追加に手間がかかる

→ 大きなサイトに新規ページを追加する場合はそのページにサイト内の全てのページからリンクを張ろうとする場合作業時間が増えてしまいます。
1つのページから新規ページにリンクを張る作業時間が30秒かかるとしたら、100ページからリンクを張ろうとすると3000秒、つまり50 分も時間がかかります。

しかも、リンクを追加した後、リンクの文言を変更したり、リンク先を変更する時にも50分も時間がかかれば、もう考えただけで作業をするのが嫌になることでしょう。

こうした新規ページヘのリンクを張る作業、編集作業を短縮化するには:

(1)WordPressなどのCMSを利用する

(2)DreamWeaver等のライブラリー一括編集機能を利用する

などが効果的です。

WordPressなどのCMSでは新規ページを追加すると、予め設定されたサイト内の他のページから自動的にリンクが張られるので楽です。

また、DreamWeaver等のライブラリー一括編集機能を利用すれば、予めライブラリー化された部分のファイルだけを開いてそこに新規ページへのリンク情報を入れるだけで自動的にどのライブラリーを含むページが一気に更新されます。この機能がとても便利なので私も15年近くDreamWeaverを使っています。

3、リスク分散が出来なくなる

リスクには:

(1)ハッキング、ウイルス感染のリスク

→ 複数のドメインのサイトを運営している場合ならそれらのうち1つがハッキングや、ウイルス感染をした場合、そのサイトだけの被害で済み、他のサイトは何も問題が無くユーザーに迷惑をかけることはありませんが、1つの大きなサイトだけを運営している場合全滅するという事態を招くことになります。その時は必ず「複数のドメイン、サーバーに分散しておけばよかった」と後悔するはずです。

(2)サーバが重くなるリスク

→ WordPressなどのCMSを使って大きなサイトを運営しようとするとサイト全体に渡る更新をするときには小さなサイトに比べてより長い時間がかかります。更新をすることによりページや画像のファイルをダウンロードするにユーザーが待たされることがあります。
また、たくさんのファイルがあることによりたくさんのユーザーが同時にアクセスした時にやはり待ち時間が発生しやすくなります。
このような事が続くと離脱率が上がりアクセスが減ることが起き得ます。
私も以前運営していた無料レンタルサーバーやコミュニティーサイトでは真夜中に頭を悩ませたことが何度もありました。それは使ってくださっているユーザーさん達に多大な迷惑をかけているプレッシャーによるものでした。
特に、たくさんの動画や、実行スピードが遅いプログラムがあるとサーバが重くなるリスクはさらに増大します。

などががあります。

4、自作自演のリンクを集めることが難しくなる

これが一番の問題だと思いますが、複数のドメインの小さいサイトを運営している場合は、それぞれを相互にリンクすることによりそれぞれのサイトに外部リンク効果が生じます。特にサーバーのIP分散をしている時には外部リンク効果が生じやすくなります。
しかし、1つの大きなサイトだけを運営している場合、中々自作自演でリンクを張ることが難しくなります。

以上が大きなサイトを運営する時に起き得るデメリットです。

結局、小さいサイトも大きなサイトもメリットとデメリットがいくつかありますので、それらを考慮した上でどちらにするのかを決めて後悔の無いようにしてください。

大きいサイトのメリットは何か?

2015年08月10日
前回は小さいサイトでも上位表示しているケースがあることと、小さいサイトのメリットについて報告させていただきました。

今回は逆に、大きいサイトのメリットについて一緒に考えてみましょう。

大きいサイトのメリットは・・・

1、ドメインの価値が上がる

というメリットがあります。その理由は:

(1)様々なキーワードでの流入が増えてトラフィック(アクセス)が増えるから

→ 複数のドメインのサイトを運営する時に比べて、1つのドメインに様々な小さなテーマのページを増えるので意図的に、あるいは無意識的に様々なキーワード、特に2つ3つ以上の複合キーワードで上位表示されやすくなります。そうしたロングテールキーワードは競争率が激しいダイエットだとか、賃貸などのビッグキーワードに比べると無数に存在し、様々な検索意図を持ったユーザーの目に増える機会が増えます。

(2)より多くのサイトからリンクを張ってもらいやすくなる

→ 複数のドメインのサイトを運営する時に比べて、1つのドメインに継続的に多くのページを追加することにより様々な思惑、動機でリンクを張ってくれるサイトが増える傾向にあります。

(3)より頻繁にソーシャルメディアから流入が発生しやすくなる

→ (2)と同じ理由によりFacebookやTwitter等のソーシャルメディアからの流入数が増える傾向になります。

2、新規ページを追加した時、そのページの目標キーワードの競争率が激しくない場合は比較的短期間で上位表示する

先ほど、ご説明したようにドメインの価値が上がりやすくなるので、そこに新たにページを追加すると小さいサイトに新しいページを追加した時に比べてより短時間で上位表示しやすくなります。何故ならGoogleはドメイン価値という信用が高いサイトに新しく追加したページは同じく信用があると見做して小さなアクセスが少ないサイトに比べてより短期間で上位表示する傾向があります。

これこそが独自ドメインでWordPress等を使ってブログを開くよりも、アメブロやライブドアブログなどの何千万ページ、何億ページある超巨大ブログサービスで無料ブログを運営すると競争率がさほど高くないロングテールキーワードでは短期間で順位アップする理由です。

3、新規サイトを追加した時も、そのページの目標キーワードの競争率が激しくない場合は比較的短期間で上位表示する

新規ページと同様に、Googleはアクセスが多い信用できるドメインに新規で開設されたサイトをより短期間で、かつ安定的に上位表示する傾向があります。

これは何故楽天やぐるなびなどのモール型、あるいはポータル型サイトに新規出店すると、新しく独自ドメインでサイトを開いた場合に比べてより短期間で、かつ安定的に上位表示するかの原因になっています。

しかし、だからといって誰でもそうした巨大サイトに出店すると上位表示出来るわけではありません。
何故ならそうした巨大サイトにはすでに上位表示を達成している先輩サイト、先輩ショップがあり、1つのドメインでは最大3ページ、通常2ページまでしかGoogleでは上位表示出来ないという表示件数の縛りがあるのでかえって厳しい競争を挑むことにもなりかねません。

4、サイト全体のテーマを絞り込む事ができたら競争率の激しいキーワードでも上位表示しやすくその後も安定する

これは20ページ前後しか無い小さいサイトが全ページのテーマを絞りやすい「ミニサイトが例外的に勝つことがある」という珍しい事例が確かにありますが、20000ページのサイトでもサイト運営者の力量が高くて全ページのテーマを絞り込むことが出来たら、その時はやはり大きなサイトのほうが小さいサイトよりも強い法則が働きますのでサイト全体のテーマを絞り込む事ができたら競争率の激しいキーワードで勝つのは大きなサイトということになります。

5、運営費用が比較的安くなる

これは短期的にはあまり重要ではないように感じるかもしれませんが、たくさんの独自ドメインのサイトを持つと年間の維持費が例え1000円だとしても、1000円 X 1000個 で1,000,000円になりそれは車が買えるくらいの大きな金額になります。

これを10年続ければ1000万円にもなり、今度はマンションが買えるくらいのより大きな金額になります。

しかもそれにレンタルサーバ料金がかかりますので本当に車やマンションが買えるような大きな金額の出費になります。

一方、大きなサイトを1つだけ運営する場合はその1000分の1の費用で済むので大きなサイトを持つことはかなりの節約になります。

以上が大きなサイトのメリットについてです。

サイトの規模について決定する前に御社の現在の状況にあったやり方は小さいサイトなのか、大きなサイトで行くのかは、こうしたことを総合的に考慮するようにしてください。

次回は大きなサイトのデメリットについて考察します。

< 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 >
このエントリーをはてなブックマークに追加
                    
鈴木将司の最新作品
プロフィール
一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

フォローしてSEOを学ぼう!
X facebook insta tiktok youtube
2025年 04月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
最新記事