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『レビュー』という新しい評価基準が今後Web集客で重要になる!
2016年08月10日
米国のSEOニュースサイトのSearch Engine Journalが『Yelp and TripAdvisor Lash Out at Google Over Recent Change to Restaurant Searches』(Yelpとトリップアドバイザーが最近のGoogleによるモバイル検索のレストラン検索を避難)(2016年8月8日)というニュースを報道しました。
これはどういうことかというとGoogleが最近になってモバイル版Googleの検索結果の上位にGoogleの子会社であるレストラン評価サイトのZagatの情報の露出を増やしたことが不公平だという事です。
Googleはこのところ以前にも増して検索結果上に自社が提供している情報を非常に目立つように表示するようになり、それまでそうした情報を自社サイト上で提供していたサイトの訪問者が減るという損害が増えています。
例えば「今日の天気は」と言葉で検索すると検索結果の上部にいきなり天気予報の情報が表示されます。それにより天気予報の情報を提供したサイトのアクセスは減ることになります。

今回のニュースは私達Web管理者に次の3つの新しいルールを教えてくれます:
1、自社サイト上で単純な情報を提供することによりアクセスを増やすことが困難になってきている
→ 独自ノウハウ、独自取材、独自調達をしていないどこにでもあるような情報を自社サイト上で提供しても、それだけでは事業は成り立たない。他社が真似できない独自性のある情報を提供しなくてはアクセスを獲得出来なくなってきています。
今後は独自ノウハウ、独自取材、独自調達をすることにより著作権的にもプロテクトされる情報を生成、発信しなくては自社サイトのアクセスをGoogle等の検索エンジンに奪われる可能性がるということです。
2、消費者のレビュー情報に対するニーズが高まってきている
→ レストランの評価というのは口コミ情報の一つであり、レビュー情報のことです。
最近、米国の消費者はサイト上にあるお客様の声を信じなくなってきていると伝えられています。何故ならサイト管理が自分に都合の良いレビューばかりを載せるので客観的というよりは主観的なものに成り下がってきている。そのため地域ビジネスの口コミサイトのYelpや、宿泊施設と飲食店の口コミサイトのトリップアドバイザー等サイト運営者以外の第三者が運営するレビューサイトの人気が高まっている
3、アップルの独自検索エンジンSpotlight検索の重要な情報源になってきている
→ もう一つの最近の傾向としてはアップルの独自検索エンジンのSpotlight検索ではYelpやトリップアドバイザー、日本では食べログのレビュー情報の数が多かったり、評価が高いサイトが検索の上位に表示されるようになってきているというものです。
私は今、東京の新橋にいますがiPhoneの通知画面の上にあるSpotlight検索で「ラーメン」というキーワードで検索したら食べログでレビューが多いサイトが3件中2件も表示されています。

アップルは旧来のアルゴリズムを使っているGoogleとは違った検索結果を提供するためにこうしたレビューサイトの情報を検索順位を決める上で重要な情報源としています。
今回のニュースは表面上はGoogleが独自サービスをモバイル版Googleの検索結果上で目立つようにさせたため一部のレビューサイトが噛み付いているだけのものに見えます。
しかし、その背景には次のIT企業の覇権争いの渦になるレビュー市場での争いの理由が見えてきます。
私達Webサイト管理者は、今後自社サイト上にある自分都合のお客様の声はもはや力を失いつつあることを認識しなくてはなりません。そして第三者のレビューをたくさん集める取り組みをしなくてはなりません。そうしないと気がついた時は追いつけないくらいの膨大なレビューをライバル会社が獲得してしまうことでしょう。
GoogleがAMP実装サイトを自然結果結果ページに表示すると発表!
2016年08月04日
Googleウェブマスター向け公式ブログが昨日8月3日にスマホ版Googleについての重要な発表をしました。それは、スマホ版Googleの自然結果上にAMP実装サイトが表示された時に「AMP」の雷マークのロゴが表示されるというものです。

これまでAMPロゴが表示されるのはニュースサイトだけが表示されるニュースサイト用のカルーセル(横にスライドする特別欄)だけでした。しかし今回は通常の自然検索結果のところにAMP実装サイトが表示された場合にもAMPロゴが表示されるようにする実験を現在しているということです。
実際に開発者用のスマホ版Googleにスマホ環境からアクセスしてAMP実装サイトが表示されるようなキーワード、例えば「EU離脱」というキーワードで検索すると下図のようにAMPを実装しているサイトはAMPロゴが表示されます。

これはあくまでも試験的なものですが、今後は一般のユーザーが使うスマホ版GoogleでもAMPロゴが表示される可能性が高くなってきました。
この発表を受けて、Search Engine Landのニュース「AMP breaks out of news into the main Google search results
But the company says that AMP pages will not receive a rankings boost.」(Greg Sterling2016年8月2日)
『Googleが通常の検索結果上にAMP実装サイトを表示。しかし、検索順位アップには直接的に貢献はしない。』
というレポートが発表されました。このレポートによるとAMPを実装することにより・・・
(1)通常のスマホ版サイトよりも4倍ダウンロード速度が早く、データダウンロード量は10分の1以下になる
(2)AMP実装ページは表示するのに平均1秒以下しか時間がかからない
(3)AMPを実装したニュースメディアの90%はCTR(クリック率)の改善を実感している
(4)AMPを実装したニュースメディアの80%が以前より高い広告のビューアビリティー(実際にユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッション)を達成している
というようにサイトの表示速度を極限まで早めることによりユーザビリティーの飛躍的な向上を実現しているそうです。
実際にAMP実装サイトが見れるスマホ版GoogleやFacebook等でAMP印が表示されているサイトのリンクをタップするとほとんど一瞬でページが表示され非常に快適に感じます。
現在のところ、ニュースサイトや一部の人気ポータルサイトばかりがAMP実装サイトを運営していますが、今回の動きによって一般のサイトもAMP実装サイトを持つところが増えることが予想されます。
ただし、AMPをサイトに実装するにはたくさんの制約があるため自分が望むようなサイトのデザインを実現するのは困難になります。
例えば広告を表示する場所が減ることや、表現できるデザイン・レイアウトのパターンの制限が生じるのです。
そのため複雑なレイアウトを必要としないニュースサイトや、ブログ等がAMPをサイトに実装する流れが起きるはずです。
今、AMP実装を検討すべきはシンプルなデザインでもあまり問題の無いこうしたニュースサイトや、ブログだけです。
これら2つの共通点は、ユーザーに頻繁にサイトを訪問してもらうサイトであるという点です。
つまりリピーター重視のサイトやブログは快適に閲覧が出来るAMPを実装する必要があるということです。
そうすることにより「あのサイトは見やすい」という強い印象をユーザーに与えることになり単にスマホ対応しているだけのサイトに対して差別化が出来るようになるのです。
ということで、今回の動きによりリピーター重視のサイトやブログはAMPを実装することが課題となりました。
現在のところGoogleの技術スタッフGary Illyes氏は:
「AMP is Not Currently a Ranking Factor」(Search Engine Journal. June 23, 2016)
(AMPは現在のところ検索順位の決定要因にはなっていない)

にあるようにAMPを実装したサイトにするだけでは検索順位アップには直接貢献はしないと発言しています。
すでに米国ではニュースサイトやブログ以外でも eBay、TripAdvisor、Disney、Food Network等のオークションサイト、ポータルサイト、コミュニティーサイトなどもAMPの実装を発表しています。
恐らく彼らは従来の複雑なデザイン・レイアウトをやめてAMPの基準にある非常にシンプルなサイトデザインのスマホサイトを作るはずです。
スマホサイトは従来のPCサイトのデザイン・レイアウトと比べるととてもシンプルですが、AMPを実装するにはさらにシンプルにしなくてはなりませんのでスマホサイトのシンプル化はさらに進むはずです。
ということは結局、今回の流れの影響は・・・
1、リピーター重視のサイトやブログはAMPを実装することが課題になった
2、スマホサイトはよりシンプルなデザイン・レイアウトになるのでこの流れに対応しないと時代遅れのWebデザインになってしまう
という2点です。
変化の激しいWebの世界の中でまた一つ私達がクリアしなければならない課題が生まれました。
私たちはWebでビジネスをする限りこうした1つ1つの流れの意味を理解し、クリアしていかなくてはなりません。
それを怠った時は追いつくのに何倍もの努力をしないとならないほど競合他社に遅れをとってしまうことになります。
移り変わりの激しい検索結果から学ぶこと
2016年07月28日
先日、久しぶりに留学関連のサイトの相談をセミナー受講者の方にしてもらいました。留学関連のジャンルのサイトはインターネットが出来たばかりの時からあり、私がSEOセミナーの講師を始めた頃から何度も検索結果ページを観察してどのようなサイトがGoogleの検索結果ページ1ページに表示されているのかを見てきたジャンルでもあります。
しかし、数年ぶりに「留学」で検索してみたところ、以前1ページ目に表示されていたサイトのほとんどが表示されておらず、代わりに新興勢力のサイトばかりが表示されているのを見て驚きました。
詳しく見てみたところ次のようなサイトが消えていることがわかりました:
1、留学をテーマにしたサイトを5つから10個くらい作りお互いにリンクを張っていたサイト
2、特定の地域、特に米国の留学先学校ばかりを紹介していたサイト
の2つです。
1、留学をテーマにしたサイトを5つから10個くらい作りお互いにリンクを張っていたサイト
→ これは他の業界も同じことがいえますが、色々なドメイン・ネームを購入して少しだけ内容を変えたサイトをたくさんつくってしまうと、それらのサイトの本質的なテーマが同じ場合(この場合は「留学」)、Googleが類似サイトペナルティーを与え上位表示が出来なくなります。
切り口を少しだけ変えてもっともらしいサイト名でサイトを作り過ぎると起きる問題です。この問題の本質的な原因は、同じ留学先の学校がそれら複数のサイト内に使いまわされていることです。
同じ情報を複数のサイトに載せることは類似サイトペナルティーの原因になるので避けなくてはなりません。
反対に、米国の学校だけを紹介する「米国大学ドッコム」、オーストラリアの大学だけを紹介する「オーストラリア大学ドットコム」というサイト造りの切り口は全く問題はありません。理由は同じ学校の情報がそれら複数のサイトに重複して掲載されることは無いからです。
2、特定の地域、特に米国の留学先学校ばかりを紹介していたサイト
→ 米国の大学ばかりを紹介していたサイトでも以前は上位表示できていたものがあります。しかし、その後Googleは賢くなり、サイトの内容をかなり詳しく理解できるようになりました。
その結果、米国の大学ばかりを紹介しているサイトのテーマは「米国留学」だと判断するようになり、「留学」というキーワードでは上位表示させなくするようにしました。これはある意味自然なことであり当然のことでもあります。
「留学」というキーワードで検索する人は米国だけではなく、その他様々な国の留学情報を探そうとしている可能性が高いので、必然的に様々な国の大学の情報を網羅的に紹介しているところが上位表示に有利になりました。
次にどのようなサイトが最近では「留学」というキーワードで上位表示するようになったかです。
以下のような新興勢力のサイトが上位表示するようになってきていることが分かりました:
1、全国に語学学校を展開している大手チェーン店
2、ニュースサイト
です。
1、全国に語学学校を展開している大手チェーン店
→ 全国に語学学校があるということは多数のネットユーザーがそれらのサイトをアクセスしており訪問者がたくさんいるサイトだということになります。そしてそれらのサイトからその学校が運営する留学情報のサイトにリンクが貼ってあれば人気のあるサイトからリンクをされているサイトだとGoogleが判断をしてリンク先のサイトが上位表示されやすくなります。
2、ニュースサイト
→ ニュースサイトには留学だけではなく、旅行、ファッション、住宅、その他様々なアクセスを稼ぐコンテンツが満載です。そうしたアクセスが多いサイトはGoogleがトラフィックが集まっている優れたサイトだと高く評価され上位表示する傾向があります。
このように一時は上位表示されていたサイトもGoogleのその時々のアルゴリズムの変化により入れ替わりが起きることが良くあります。
重要な事はどのようなサイトが上位表示されているのか検索結果1ページを観察することです。自分の業界だけではなく、様々な業界、キーワードの検索結果に注視して下さい。
そこから検索結果の過去、現在、そして未来が見えてくるはずです。

新しいリンク対策の時代が来た!
2016年07月22日
米国のSEOの世界で最近ある話題が増えてきています。それはリンク対策が結局は重要だという話題です。この傾向は今年の3月にGoogleの技術スタッフのAndrey Lipattsevが非公式に発表した『現在のGoogleの検索順位算定3大要素は、リンク、コンテンツ、そしてランクブレインだ』
https://www.web-planners.net/blog/archives/000182.html
というニュース以来のことです。
つい最近でも米国のSEO業界の重鎮のEric Enge氏の会社が発表した『リンクは今でもパワフルな検索順位決定要因なのか?:Are Links Still a Powerful Ranking Factor? (New Study)』というレポートも如何にリンク対策が重要なのかを裏付けるものになっています。

https://www.stonetemple.com/links-remain-a-very-powerful-ranking-factor-study/
ただし、ここで言うリンク対策というのは言うまでも無く質が悪いSEO目的で作られたサイトからのリンクではありませんし、SEO会社が販売するようなリンクでもありません。そのような悪質なリンクを張ってもらったら順位が上がるどころかペナルティーを受けて下がってしまいます。
現在必要とされているのは:
1、他社のサイトを紹介をするための純粋なリンク
2、情報の参照元を紹介するためのリンク
3、企業同士の良い関係を証明するためのリンク
4、自社が提供している他のサイトを紹介するためのリンク
5、情報提供者が自分の自己紹介をするためのリンク
が主なものです。
1、他社のサイトを紹介をするための純粋なリンク
→ これは最近良く見かけるパターンですが、SEOに役立つツールをユーザーに使ったもらうために1つ1つのツールを実際に使ったり、サイトをじっくりと読んで自分の言葉で紹介し、実際のツールを見てもらうためにリンクを張るという純粋なリンクの張り方です。
もう一つよく見かけるのがおすすめできそうな美容皮膚科や、エステサロンなどの情報を収集して1つ1つのサイトを詳しく紹介してリンクを張るものがあります。気がついてみればGoogleの検索結果にはそうした紹介サイト、比較サイトなどが無数に作られており一種の紹介サイト、比較サイトのブームが到来しています。
2、情報の参照元を紹介するためのリンク
→ これは本来のリンクのあり方そのものですが、自分の主張を証明するための根拠を示すために読者に参照して欲しいと願い他者のサイトにリンクを張る行為です。
3、企業同士の良い関係を証明するためのリンク
→ これも私が良くクライアントサイトや自社のサイトの競合の被リンク元を分析すると見かけるものですが、自社の商材を販売してもらうために代理店を募り、彼らのサイトから商材の提供元としてリンクを張ってもらうパターンがあります。
4、自社が提供している他のサイトを紹介するためのリンク
→ もう一つのパターンは、ソフトバンクのように多数の子会社を持っている会社同士がグループ企業を紹介するためにリンクを張るというもので、大手企業のサイトが昨今上位表示するようになってきている理由の1つになっています。
この手法は、大手企業だけではなく、普通の中小企業でも複数のサイトを作り、それぞれのサイトでそれぞれの商材を紹介する専門サイトの制作とそれら相互のリンクによって実現出来るものです。
5、情報提供者が自分の自己紹介をするためのリンク
→ これも良く見かける正当な被リンクの獲得方法ですが、Allaboutのような様々な分野のプロが読者のためにコラムを書き、自分のことをもっと知りたい思ってくれる人のために自分のサイトにリンクを張る方法です。
どうでしょうか?
これらの中に少しでも子供じみた古いリンク対策方法があるでしょうか?
ありません。
これらは完全に大人にしか出来ないリンク獲得の手法であり、厳しいGoogleでも咎める事ができない正当なものばかりです。
これら5つの条件をリンク対策をする上で1つのチェックリストとして使って下さい。
質が悪いSEO目的で作られたサイトからのリンクではありませんし、SEO会社が販売するようなリンクという大昔の子供じみた手法ではなく、こうした社会人として当たり前で常識的な被リンク獲得方法の高い基準を持たなくてはならない時代が来たのです。
この意味において全く新しい新リンク対策の時代が到来したのです。
子供のリンク対策の時代が終わり、大人のリンク対策の時代が来たのです。
全ての大人はかつて子供の時がありました。
リンク対策においても私たちは成長して大人にならなくてはなりません。
他のサイトからリンクを張ってもらい痛い目にあった人達は怖くてリンク対策がほとんど出来ない状態です。
こうした状況は二度と来ない大きなチャンスとして捉えるべきです。
コンテンツも確かに重要です。しかし、コンテンツの時代だと思ってばかりいては駄目です。
何故ならコンテンツを無料で提供するサイトが急激に増えた結果、これまででは考えられないくらい良質なコンテンツが求めれる時代が来たからです。
確かに良質なコンテンツがいつもいつも作れれば良いのですが、良質なコンテンツであればあるほどより多くの時間と人間として企業としての経験や知識が要求されます。
コンテンツだけで上位表示しようとしてもそれを作っている間にライバルに抜かれてしまったら元もこもありません。
本当の答えは・・・
良質なコンテンツを作りながら、良質なリンクを集める
ということなのではないでしょうか?
この難しい2つを同時に行わなくてはならないのです。
どんな競争においてもそうですが、1つのことだけを無我夢中にやって勝ち続けることは出来ません。
現実は厳しいので、1つのことに集中しながらさらに2つ、3つの事も同時にこなさなければならないのが現実ではないでしょうか?
このことを怠れば、「コンテンツが重要だ・・・」と言ってコンテンツ作りだけに集中するのはリンク対策をしたくないから、しないための言い訳にしかなりません。
ライバルが怖がっている時にこそ、リンク対策という駒を前に進めてこのゲームに勝って下さい。
そしてその先に本来自分が出会うべきである多くの見込み客が見えてくるはずです。

リスティング広告 VS 自然検索!どちらが効果があるのか?
2016年07月14日
先日、名古屋の会員さんとのSEOカンファレンスで非常に興味深い話題が出ました。SEOカンファレンスでは最新の現場での情報交換と活発な議論がされることがあります。その中で出た話題は「リスティング広告の効果が落ちているのではないか?」という疑問です。
非常に不思議な傾向としてGoogleもその他検索エンジン会社も検索結果に表示される広告のクリック率と自然検索の部分のクリック率のデータを発表しているのを見たことも聞いたこともありません。
ただネット広告の市場が拡大しているという報道や発表は頻繁にされます。
しかし、それはこれまでネット広告を利用していなかった企業が新たにネット広告を利用し始めているからであって
一つ言えるのは検索エンジンを日常的に使っていると広告と自然検索の違いが分かるようになります。
リスティング広告は検索結果ページの上の部分と下の部分の両方に表示され、自然検索結果10件がその間に表示されます。
昔は検索結果上の広告はそれと分かるように非常に分かりやすい表示方式をとっていましたし、表示される件数も少なめでした。
下の図はGoogleとヤフーで「賃貸マンション 港区」というキーワードで検索した際の検索結果ページの画面です。
【Googleの検索結果ページの画面】

【ヤフーの検索結果ページの画面】

Googleのほうは広告というサインが以前は目立つオレンジ色だったのが、最近目立たない緑色に変更されています。
また、ヤフーの方はグレーの色で広告という言葉がページの上のほうに一回だけ表示されているだけで、検索に慣れていない人達はこれらが広告だということが分からない可能性があります。ちなみに4,5年前のヤフーの広告欄は薄い水色の背景色があり広告だということがはっきりとしていました。当時すでに、検索エンジンとしての広告売上が減少していたライブドア検索やgoo検索では自然検索と違いがわからないように広告が表示されており驚いた記憶があります。
冒頭でも述べたように、Googleもその他検索エンジン会社も検索結果に表示される広告のクリック率と自然検索の部分のクリック率のデータを発表しているのを見たことも聞いたこともありません。
ただネット広告の市場が拡大しているという報道や発表は頻繁にされます。
しかし、それはこれまでネット広告を利用していなかった企業が新たにネット広告を利用し始めているので広告市場の全体の売上が増えているだけであって、広告の費用対効果が高まっている、または横ばいという報道や発表はありません。
過去のGoogleとヤフーの傾向を見る限り、以前は明らかに広告と分かるような表示をしていたのが最近ではどんどん自然検索と区別するのが難しくなってきています。
以前よりテレビ広告や、新聞雑誌広告の効果が薄れてきており、その影響でネット広告に切り替える企業が増えていると言われ続けています。
しかし、これは推測ですが、広告の費用対効果が下がってきているのはそうした従来型メディアだけではなく、ネット広告全般や、その代表格であるリスティング広告も下がっている可能性があります。
現に私の周りでも昔からネット広告を使っていた人達は「以前ほど広告の効果が無くて困っている。以前は広告欄の順位が3位、4位でも高い集客効果があったが最近で1位表示しなくては以前ほどの反応を取れなくなっている」とおっしゃる方が増えてきています。
皆さんもぜひ周りに人でネット広告を昔から使ってきている企業の方にこの事とを聞いてみてください。恐らく同じような答えが返ってくるはずです。
ただ、このことは短絡的に自然検索結果で上位表示することが絶対的に集客率が高いということを意味するものではありません。
一つの仮説ですが全てはキーワードに依るのではないかというのが真実のはずです。
検索ユーザーがある物や事に対して知識が全く無い場合は広告の情報でも役に立ちます。
しかし、その物や事に対して知識がかなりあるならば広告の情報に頼らずとも自然検索結果の中で自分が信用できる情報を難なく見つけることが出来るはずです。そしてそのレベルになれば広告をクリックして表示されているサイトにある商品が自分にとって必要なものか、信用できるものかが予測出来ます。
反対にその物や事に対して知識がなければ広告の情報でもとても有難い情報になる可能性があります。
ということは・・・
(1)商品知識が無い人あるい初心者を対象に売りたい時はネット広告が向いている
(2)商品知識がある人には自然検索で上位表示を目指すSEOだけでいける
ということが言える可能性があります。
そう考えて見ると広告のキャッチフレーズは分かりやすいものが効果があると言われていますし、クリックした時のいわゆるランディングページは絵本やチラシ広告のように分かりやすい作りのほうが反応が高い分野が多いというのも納得出来ます。
では、結局どうすればよいのでしょうか?
それは(2)を制覇して売上・利益を増やす。そしてその利益と経験値を投資してネット広告を買い進めて初心者にも購入してもらうようにする
という二段階の作戦が有効なのではないでしょうか?
そして自社のフィールドでNo1企業を目指すなら最後は必ず(1)を制覇しなくてはならないということでしょう。
その証拠に大手企業ほど広告欄に表示される傾向が昔からあります。
以上が今回の仮説ですが自然検索とリスティング広告、またはネット広告全般の関係性について混乱した時はこうした考えも参考にしていただきたいです。
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