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サイトの品質改善と改善効果が出るまでの時間

2024年02月12日

今回は、Google検索のランキングを決める際にGoogleがウェブサイトの品質をどのように厳しく評価するのか、そしてサイトの品質を高めた後にその効果がどのくらいで検索結果に反映されるのかについて解説します。

Googleの検索アルゴリズムは、ユーザーに最適な結果を提供することを目的としており、サイトの全体的な品質はこの評価に大きく影響します。つまり、上位表示を目指すページの品質を高めるだけでは不十分であり、そのページが属するサイト全体の品質を高める必要があります。

1. Googleによるサイトの品質評価とその影響


Googleの検索アルゴリズムは、数々の要因を考慮してウェブサイトの品質を評価します。たとえば、検索キーワードとコンテンツとの関連性、利便性、ユーザー体験などが考慮されます。しかし、特定のページの品質が高いとしても、サイト全体の品質が低いと判断されれば、そのサイトにあるそのページは検索結果で上位に表示されにくくなります。これは、Googleが提供する情報の信頼性と品質を保証するための措置です。サイト運営者にとっては、サイトの全体的な品質を常に高めることが求められます。

2. Googleによるサイトの品質評価基準


Googleのサイト品質評価は、その検索アルゴリズムの中核を成すプロセスです。この評価システムは、ウェブサイトが検索結果にどのように表示されるかを決定する上で極めて重要な役割を果たします。Googleの目標は、ユーザーにとって最も関連性が高く、価値のある検索結果ページを提供することにあります。

このために、Googleはウェブサイトを評価する際に多くの要因を考慮しています。これらの要因には次のようなものがあります。

(1)コンテンツの品質と関連性


・コンテンツの専門性
専門性とは、特定の分野において深い知識や経験が求められること、関わりがあること、またはその度合いのことを言います。Googleは、特定のトピックに関する詳細かつ正確な情報を提供するサイトを高く評価します。

これは、専門知識、経験、権威性、信頼性(E-A-A-T: Expertise, Experience, Authoritativeness, Trustworthiness)として知られています。つまり、その分野の素人が書いた記事よりも、専門知識を持つ専門家が書いた記事のほうがユーザーにとって信頼できるので上位表示されやすくなるという仕組みです。

また、専門家でなくても、記事内で主張していることが著者の経験に基づいている場合は、読者にとってとても説得力があるため、その記事は上位表示されやすくなります。あるいは、その分野で誰もが認める権威性があると認識されている著者が書いた記事はそうでない著者によって書かれた記事よりも上位表示しやくなるという評価方式だということです。

・コンテンツの独自性
独自性とは、英語でオリジナリティーと呼ばれるもので、他と異なり、その人またはその事物だけに備わっている固有の性質や独特の個性です。オリジナルのコンテンツ、特に他にはない独自の視点や分析を含むものは、Googleによって高く評価されます。つまり、ネット上で簡単に見つかるような記事よりも、他にはない、読者にとって初めて見る内容の記事のほうがGoogleユーザーにとって価値が高いとGoogleが判断して上位表示させるという仕組みです。

(2)ユーザー体験とアクセシビリティ


・サイトの利便性
利便性とは、便利であること、または、その度合のことを言います。ユーザーが求めている情報に簡単にアクセスできるか、ナビゲーションが直感的かなど、サイトの使いやすさが重要です。

昔のSEOはウェブデザインはあまり関係ないという意見が主流を占めていましたが、今日では非常に重要になっています。何故なら、ウェブデザインがいい加減だとユーザーにとって使いにくいサイトになってしまいユーザーにストレスを与えることになるからです。

今日のウェブマーケティングではユーザーに最高のユーザー体験を与えるウェブサイト、SNS投稿、YouTube動画などが検索で上位表示されるのが当たり前になってきています。そうした事が可能なのが優秀なプログラマーたちが日夜努力を重ねてより良いコンテンツを選別するアルゴリズムをプログラミングしているからです。このユーザー体験重視の文化は、UXと呼ばれるようになり、今日のウェブマーケティングの世界では常識となりつつあります。

《サイトの利便性が良好な例》


・明確なナビゲーション
ナビゲーションが明確で、ユーザーが容易に必要なページにアクセスできる。例えば、トップページから製品ページ、お問い合わせフォーム、Q&Aページへのリンクが直感的に配置されている。
ナビゲーションとは、「航海、航行、飛行、運航指示」という意味の英単語で、 一般には目的地までの経路や道順のことを指します。ウェブの世界ではリンクのことを指し、メニューとも言われます。



・シンプルなデザイン
サイトのデザインが洗練されており、ユーザーが情報を簡単に見つけられる。無駄な要素が排除され、重要な情報が強調表示されている。

《サイトの利便性が良好でない例》


・複雑なナビゲーション
メニューが複雑で、ユーザーが目的のページにたどり着くのが難しい。リンクが不明瞭で、ユーザーが迷いやすい。何がどこにあるのかが人目でわからない。

・過剰な広告やポップアップ
サイトに頻繁に表示される広告やポップアップが、ユーザーの体験を妨げ、情報を見つけるのが困難になる。
ポップアップとは、英語で「突然現れる」といった意味を持ち、ウェブの世界では画面上に別の画面が自動的に起動する仕組みのことで、起動した別の画面は「ポップアップウィンドウ」と呼ばれます。

(3)モバイルフレンドリー


スマートフォンなどのモバイルデバイスでの表示が適切かどうかも、Googleの評価に影響します。スマートフォンユーザーのとって見やすいサイト、使いやすいサイトであることをモバイルフレンドリーとGoogleは呼び、この要素が十分でないと検索上位表示に不利になるようなアルゴリズムがあります。

《モバイルフレンドリーが良好な例》


・レスポンシブデザイン
サイトがレスポンシブデザインで制作されており、スマートフォンやタブレットなど、異なるスクリーンサイズに自動的に適応する仕様になっている。テキストサイズや画像が画面のサイズに応じて適切に自動調整され、モバイルデバイスでの閲覧が快適になる。
レスポンシブデザインとは、デバイスの画面サイズに依存しないサイトを構築するウェブデザインの手法を指します。



・タッチフレンドリーなナビゲーション
ボタンやリンクがタッチスクリーンに適しており、指で簡単に操作できる。それによりご操作を防ぐことが出来ている。
タッチフレンドリーとは、タッチスクリーンデバイスでの操作が容易で快適であることを指す用語です。



《モバイルフレンドリーが良好でない例》


・頻繁なスクロールやズームが必要
モバイルデバイスでサイトを見る際、テキストや画像が小さすぎて、常にズームやスクロールが必要になる。

・長いローディング時間
モバイルデバイスでのページの読み込みに時間がかかりすぎる。読み込みに何秒もかかることによりユーザーがストレスを感じてサイトを離脱したくなる。
ローディング時間とは、Webページやアプリを表示する際に、そのコンテンツを読み込むまでにかかる時間を指します。

(4)ページの読み込み速度


ウェブページのローディング速度は、ユーザー体験に大きく影響し、Googleのランキングにも影響を及ぼします。ローディング速度が遅いとユーザーがサイトに対してネガティブな印象を持つようになり、サイトから離れてしまうからです。

《ページの読み込み速度が良好な例》


・高速ローディング
サイトのページが数秒以内にロードされる。
これは、最適化された画像サイズ、効率的なコーディング、高速なサーバーの利用などにより実現できます。

・遅延読み込み
画面に表示されていないコンテンツは、必要になるまで読み込まれない。これにより、初期のローディング時間が短縮される。
遅延読み込みとは、Webページやアプリの読み込み時に、ユーザーが画面を見ている範囲のコンテンツのみを読み込む技術のことを指します。

《ページの読み込み速度が良好でない例》


・遅いページの読み込み
サイトのページがロードするのに数秒以上かかる。これは、非効率的なコーディング、最適化をしていなの画像、低速なサーバーの利用が原因です。

・リソースを大量に利用
多くのスクリプト、大きな画像ファイル、動画など、ページのロードを遅くするリソースが多数存在する。
ウェブにおけるリソースとは、ウェブ上で利用可能な、識別できる、または名前が付けられる、参照できる、処理できる、あらゆるものを指します。

(5)信頼性とセキュリティ


・安全なウェブブラウジング
ウェブサイトが安全であること、すなわちマルウェアやフィッシング詐欺がないかどうかを、Googleはチェックしています。
危険性を察知するとGoogleは検索結果順位を降格して、ユーザーを守ろうとします。
ブラウジング とは、 閲覧(する)、拾い読み(する)、見て回るという意味の英単語。データや情報を画面に表示して見たり読んだりすることを指します。

《安全なブラウジングが良好な例》


・マルウェアやフィッシングの防止
ウェブサイトが定期的にセキュリティチェックを行い、不正なソフトウェアやフィッシングの試みがないことを確認している。このようなサイトは、ユーザーに安全なブラウジング環境を提供し、Googleによって信頼される。

マルウェアとは、コンピューターやその利用者に被害をもたらすことを目的とした、悪意のあるソフトウェアのことを指します。また、フィッシング (Phishing) とは実在する組織を騙って、ユーザネーム、パスワード、アカウントID、ATMの暗証番号、クレジットカード番号といった個人情報を詐取することを言います。

・セキュリティの警告への対応
もし問題が発見された場合、サイト運営者は迅速に対処し、セキュリティを強化する。これには、不正なコンテンツの削除やセキュリティパッチの適用が含まれる。

キュリティパッチとは、公開済みの OS やソフトウェア(アプリケーション)などで発見された脆弱性(プログラムの不具合などによって生じた情報セキュリティ上の欠陥)・問題点などを修正するためのプログラムのことです。

《安全なブラウジングができないと判断される例》


・マルウェアの存在
サイトがマルウェアに感染している場合、これはユーザーに対する直接的な脅威となり、Googleによって検索結果から除外される可能性がある。

・フィッシングのリンク
サイトにフィッシング詐欺を促すリンクや不審な入力フォームが存在する場合、これは信頼性の低下に繋がり、Googleの評価を大きく下げる。

・HTTPSの使用
セキュアな接続を提供するサイトは、非セキュアなサイトよりも優遇されます。

セキュアとは、安全な、安心な、頑丈な、堅牢な、などの意味を持つ英単語です。ITの分野では、情報やシステム、通信路などが保護されて安全な状態にあることを「セキュアな」と表現することがあります。

《HTTPSの使用が良好な例》


・HTTPSによる全ページのセキュアな接続
ウェブサイトがHTTPSプロトコルを使用し、全てのページでユーザーの情報を暗号化している。これは、ユーザーのプライバシーとセキュリティを保護し、Googleによって高く評価される。
※ プロトコル = 通信規約

・常時SSL/TLS暗号化
セキュアなソケットレイヤー(SSL)またはトランスポート層セキュリティ(TLS)を用いて、ユーザーのデータを常に暗号化している。
SSL とは、Secure Sockets Layer の略で、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのことを指します。また、TLS とは、Transport Layer Security の略で、SSL の後継となるプロトコルです。SSL と同じように、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みを提供するものです。



《HTTPSの使用が良好でない例》


・非HTTPSサイト
ウェブサイトがHTTPプロトコルを使用している場合、これはデータが暗号化されていないことを意味し、ユーザーの情報が危険にさらされる。
HTTP は、Hyper Text Transfer Protocol の略で、Web ページや画像、動画などのコンテンツをインターネット上でやり取りするために使用されるプロトコルのことを言います。

・部分的なHTTPSの使用
サイトの一部のページのみがHTTPSで保護されており、他のページでは暗号化されていない。これは、サイト全体のセキュリティに不均一性を生じさせ、ユーザーの信頼を損ねる。



(6)ユーザー行動のシグナル


・クリック率(CTR)
特定の検索結果に対するユーザーのクリック率。
※ シグナル = 信号、合図、サイン、兆候、兆し
※ CTR = 「Click Through Rate」の略でクリック率

《クリック率が良好な例》


・高いクリック率
ウェブサイトが検索結果で高いクリックスルーレート(CTR)を記録している場合、これはそのサイトのタイトルやメタ記述がユーザーにとって魅力的で関連性が高いことを示しています。たとえば、検索クエリに対して正確で具体的な情報を提供するタイトルと説明文を使用しているウェブサイトは、ユーザーからのクリックを多く獲得する傾向があります。

・ターゲットキーワードの適切な使用
タイトルタグやメタディスクリプション等に検索者関心を引くキーワードを含めることで、CTRを向上させることができます。その理由は、タイトルタグとメタディスクリプション等に記述したフレーズが検索結果ページに表示されることが多いため、その部分に検索ユーザーの関心を引くフレーズを記述することにより検索ユーザーがリンクをクリックしてサイトに来てくれやすくなるからです。



《クリック率が良好でない例》


・低いクリック率
検索結果に表示されてもクリックされないサイトは、タイトルタグやメタディスクリプションの記述が不鮮明、関連性が低い、またはユーザーにとって魅力的でないことを示しています。例えば、一般的すぎる平凡なタイトルや、検索クエリ(検索キーワード)と関連性の低い内容を示す記述は、ユーザーの興味を引くことができず、低いクリック率をもたらす可能性があります。

(7)滞在時間


ユーザーがサイトにどれくらいの時間を過ごすか。

《滞在時間が良好な例》


・長い滞在時間
ユーザーがサイトに長く留まるということは、そのサイトのコンテンツ(内容)が彼らにとって魅力的で価値があるということを示しているということです。例えば、詳しくて役立つ情報が満載のコンテンツや、ユーザーが参加できるインタラクティブ(相互作用的)な要素、またはユーザーの興味を持続させる他の関連するコンテンツへのリンクなどがあると、人々はそのウェブサイト上でより長く時間を過ごす傾向があります。つまり、これらの要素がユーザーを引き付け、サイト上で過ごす彼らの時間を延ばすことになりま。

・興味深いビジュアルやビデオコンテンツ
ユーザーが興味を持ちやすいビジュアルやビデオコンテンツを用いることも、サイト上での滞在時間を延ばす効果的な方法です。

《滞在時間が良好でない例》


・短い滞在時間
ユーザーがサイトをすぐに離れる場合、これはコンテンツが期待に応えていないか、ユーザーにとって関連性がないことを意味します。例えば、誤解を招くタイトルタグやメタディスクリプション内のフレーズ、ユーザーが求めている情報が不足している、または読みにくいコンテンツは、ユーザーの早期離脱に繋がる可能性があります。

これらのユーザー行動のシグナルは、ウェブサイトがターゲットオーディエンスのニーズにどれだけ適応しているかを示す重要な指標です。高いCTRと長い滞在時間は、ウェブサイトが価値ある情報を提供し、ユーザーの関心を引き続けていることを示しており、Googleのランキングにおいて好意的に評価されます。

これらの要因は、サイトの全体的な品質を形作る多くの要素の一部に過ぎません。Googleはこれらの要因を総合してサイトを評価し、その結果を検索アルゴリズムに反映させています。そのため、サイト運営者はこれらの要因を継続的に改善し、最適化することが重要です。このプロセスは、検索結果での上位表示を目指すだけでなく、訪問者にとってもより良い体験を提供することにつながります。

3. 個々のページとサイト全体の品質


サイト内の個々のページが高品質であっても、サイト全体の品質が低いと、そのページの検索ランキングは低くなります。そのため、サイト運営者が全ページの品質に注意を払うことが非常に重要です。例えば、主要なページは高品質のコンテンツで構成されていても、他の多くのページが低品質であると、全体の評価は下がります。改善には長い時間がかかることがあり、一般に1年から2年を要することが多いです。

4. 低品質ページの存在と改善の難しさ


多くの低品質ページを抱えるウェブサイトは、それらの改善に相当な時間を要します。特に、サイト運営者が自身のサイトを客観的に評価することは困難であり、しばしば運営者自身の評価は甘くなりがちです。これにより、サイトが実際に必要とする改善の程度を見誤ることがあります。そのため、定期的な見直しと第三者による客観的な分析が、品質向上のために不可欠です。自己評価の誤りを防ぐために、第三者の意見や具体的なデータ分析を取り入れることが重要となります。

5. 改善後の検索ランキングの回復


ウェブサイトの改善作業が完了した後、Googleの検索結果でのランキング回復には早くて3ヶ月、通常は1年から2年程度かかります。この遅延は、Googleがサイトの変更を検知し、新しいデータをアルゴリズムに反映させるための時間を必要とするためです。しかし、問題を早期に認識し、迅速に対応することで、回復のプロセスは加速される可能性があります。つまり、早期発見と迅速な対応が、検索ランキングの回復には不可欠です。

6. 品質改善の重要性とその影響


ウェブサイトの品質改善は、SEOでの上位表示を目指す上で極めて重要です。品質改善は単にGoogleのランキングに影響するだけでなく、サイト訪問者に対する信頼性の向上にも繋がります。品質の高いウェブサイトは、ユーザーに価値ある情報を提供し、長期的な訪問者の獲得と維持を実現します。品質改善には時間と労力が必要ですが、その投資は結果として大きなリターンをもたらすことになります。

以上が、サイトの品質改善の具体的な方法と改善効果が出るまでの時間についてです。できることからすぐに改善作業をスタートして、早期の順位回復を目指しましょう。

サイトの信頼性を高めて検索順位を上昇させるには?

2024年02月06日

SEO対策において、「信頼性」は非常に重要な要素です。この信頼性は特に、無料お役立ちページや商品・サービスの販売ページにおいて特に重要な要素です。インターネットの深海のような広大な情報の海において、どのようにして自社のウェブサイトを信頼できる情報源として際立たせるか。それが成功の鍵です。今回は、ウェブサイトの信頼性を高め、Google検索での上位表示を実現するための重要なポイントを解説します。


著者の透明性


まず、信頼性を高めるための基本として、記事を書いている人物の自己紹介ページをしっかりと作成することが必要です。記事の冒頭には、著者の名前と肩書きを明記し、さらにその名前にはプロフィールページへのリンクを張ることが重要です。特に、無料で提供される情報やアドバイスを含むいわゆる「無料お役立ちページ」では、著者が持つ背景や専門知識を読者に明確に示すことが求められます。この透明性は、訪問者が提供されている情報の信頼性を容易に判断するための材料になるからです。例えば、医療関連の記事を書く場合、著者が医師や専門家であることを示すことで、その内容の信憑性が高まります。

この著者の透明性を出すことの重要性に関しては、Googleの公式サイトにある「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」というページにはっきりと示されています。




このページの「コンテンツに関する「誰が、どのように、なぜ」を考える」というセクションには、「コンテンツの著者が誰であるかを明確にしていますか。ページの然るべき場所にバイラインを記載していますか。バイラインが著者や関係者についての詳細につながるものであり、その人たちのバックグラウンドや専門分野に関する情報をもたらすものになっていますか。」という問いかけがあります。

バイラインとは、新聞や雑誌の記事の冒頭にある作家の名前を記した行のことです。また、「ページの然るべき場所」というのは通常、新聞や雑誌の記事のバイラインは記事の冒頭に掲載されているので、ウェブページやブログ記事を書くときも、ページの上の位置のことだと思われます。この目立つ位置にバイラインを載せることにより、初めてウェブページを見に来たユーザーの目に触れやすくなり、「この記事は信用しても良い」というシグナルをユーザーに真っ先に与え、その下にある記事本文を安心して読んでもらえるようになります。

私のクライアントはほぼ全員、無料お役立ち記事の冒頭にはバイラインを載せるようにしており、実際に検索で上位表示するようになりました。そしてGoogleの公式サイトに書かれている「詳細につながる」というのは著者の自己紹介ページのことなので、バイラインにある著者名をクリックすると著者の自己紹介ページに飛ぶようにリンクが張ってあります。

《クライアントサイトのバイラインの例》

著者透明性がない例


想像してみてください。ある健康関連の記事がウェブサイトに掲載されていますが、著者に関する情報が一切記載されていません。記事には具体的な健康指導やアドバイスが豊富に含まれているものの、それを書いたのが専門家なのか、単なる一般人なのかが不明です。このような場合、読者はその情報の正確性や信頼性を疑問視する可能性が高く、結果としてウェブサイト全体の信用を損なうことにつながります。ウェブサイト全体の信用がないと、サイトにきてすぐに検索結果ページに戻ってしまうか、戻らなくても他のページを見てくれる可能性が減少します。

著者透明性がある例


一方で、別のウェブサイトに掲載された同様の健康関連記事では、著者の名前が明記されており、その名前をクリックすると詳細なプロフィールページ見れるとします。このページには、著者が栄養学の専門家であり、複数の医療機関での経験があること、関連する資格や出版物の情報が記載されています。この透明性により、読者は提供されるアドバイスの背後にある専門知識を理解し、情報の信頼性を容易に判断できるようになります。結果として、ウェブサイトは信頼される情報源としての評価を高めることができるでしょう。

このように、著者の透明性は、読者が情報の信頼性を評価する上で非常に重要な要素です。著者に関する明確な情報が提供されている場合とそうでない場合では、読者の情報に対する信頼度やウェブサイトへの評価が大きく異なります。

運営者情報の充実:信頼性の裏付け


著者の透明性は、無料お役立ちコンテンツの場合に重要ですが、サイト内にある商品・サービスの販売ページやサイトの表玄関であるトップページなどを見ているユーザーは、そのサイトを誰が運営しているのかがわからないと信頼性が低下してしまいます。

残念ながらサイト運営者の情報が不十分なウェブサイトはまだ多く見受けられます。例えば、サプリメントを販売するウェブサイトの場合、店舗情報や会社情報のページが欠如していると、訪問者はその製品を信頼しにくくなります。Googleもこのようなサイトをハイリスクとみなし、上位表示しない傾向にあります。逆に言えば、運営者情報を詳細に掲載することで、ウェブサイトの信頼性が高まり、検索結果における優位性が確保されます。特に、サプリメントのような体内に摂取する製品を扱う場合、人の人生に大きな影響を与えることがある法律に関する情報や投資に関する情報などのサイトには、その透明性はさらに重要であり、製品の安全性や品質に関する詳細な情報を提供することが不可欠です。Googleはこのような人の人生に大きな影響を与える分野のことをYMYL(Your Money Your Life:人の幸福や健康、お金に関する情報)と呼び、特に厳しくサイト運営者の信頼性をチェックしています。




運営者情報がない例


例えば、あるサプリメントのオンライン販売サイトがありますが、その運営者に関する情報が一切掲載されていないとしましょう。サイトには製品の説明や購入方法は詳しく記載されていますが、会社の住所、連絡先、責任者の名前や背景情報が見当たりません。このような状況では、消費者は製品の信頼性や会社の信頼性に疑問を持ちます。結果として、製品を購入する際の不安が高まり、販売に悪影響を及ぼす可能性があります。

運営者情報がある例


逆に、別のサプリメント販売サイトでは、会社情報のページにて、運営者の詳細情報が豊富に提供されています。このページには、会社の設立年、所在地、連絡先、運営者の経歴や専門分野、さらには品質管理や製品テストに関する情報まで記載されています。このような透明性のある情報提供は、消費者に製品の品質と安全性を信頼させ、結果的に購入意欲を高めます。また、この透明性はGoogleなどの検索エンジンによっても評価され、サイトの検索ランキング向上に貢献するでしょう。

このように、運営者情報の有無は、消費者が製品やウェブサイトを信頼する上で非常に重要な役割を果たします。運営者情報が豊富で透明性のあるウェブサイトは、信頼性が高く、長期的な顧客関係の構築に有利です。

長期的な信頼構築


最終的に、ウェブサイトの信頼性を高めることは、ただ単に検索エンジンでの上位表示を目指すだけではなく、訪問者に対して信頼される情報源となるためにも不可欠です。運営者の透明性を確保し、訪問者に対して信頼できる情報を提供することで、ウェブサイトは長期的な成功を収めることができるでしょう。これには、定期的なコンテンツの更新、正確で最新の情報の提供、ユーザーフィードバックへの迅速な対応などが含まれます。こうした取り組みにより、ウェブサイトは訪問者からの信頼を築き上げ、Googleなどの検索エンジンにおいても高く評価されるようになるのです。





網羅性を高めると検索順位が高くなる!

2024年02月01日

最近のSEO対策において、「網羅性」を高めることはGoogleの上位表示に欠かせない要素となっています。網羅性は"coverage"(カバレッジ)と呼ばれカバーしている割合のことを指すもので、海外のSEOの世界では近年たくさんのレポートやコラムが書かれるようになっています。

そしてウェブサイトの網羅性とは、特定のトピックや分野に関して、幅広い情報を提供する能力のことを指します。SEOにおいて、網羅性の高いコンテンツはGoogleなどの検索エンジンによって高く評価される傾向にあります。これは、ユーザーが検索する際に、彼らの疑問やニーズに対してその分野の専門家が作成したコンテンツが好まれるためです。


《参考情報》 専門性に関する質問

特に専門分野において、その知識と経験の深さを示すことが求められます。しかし、単に自分がその分野の専門家であるという自己紹介をするだけでは不十分です。そのようなことは専門家でなくても創作することができるからです。今回はどのように自社サイトの網羅性を高めるべきかについて考えてみましょう。


単なる自己主張では不十分


信頼できる著者や会社であることを示すだけでは、Googleの評価を高めるには不十分です。Googleは、著者や会社がどのような専門知識や経験を持っているかを重視します。例えば、教育関連のサイトでは、教育理論、教育技術、教育制度の変遷など、教育分野に関する多角的な視点を提供することが求められます。このように、ある分野に関する総合的な理解を示すことで、Googleはそのウェブサイトを信頼できる情報源として評価するのです。



単なる自己主張の例


例えば、あるウェブサイトが「私たちは教育の専門家です」とだけ主張している場合を考えてみましょう。このウェブサイトでは、具体的な教育理論や方法についての詳細な説明や実績が提供されていないため、訪問者やGoogleに対して、その専門性を信頼してもらうのは難しいです。このように、単に専門家であるという主張だけでは、訪問者や検索エンジンに対して信頼性を証明するのに十分ではありません。

専門性を適切に示している例


一方で、別の教育関連のウェブサイトでは、教育理論、教育技術、教育制度の変遷など、教育に関する多角的な情報を詳細に説明するページが多数あります。さらに、教育分野での実践経験や研究成果が示されているページもあり、具体的な教育プログラムや教育方法に関するページ、事例研究、研究論文などのページが豊富にあります。このようなコンテンツは、訪問者に対してウェブサイトの信頼性と専門性を強く印象づけます。Googleもこのような詳細な専門知識を提供するウェブサイトを高く評価し、検索結果での上位表示につながる可能性が高まります。



ウェブサイトの信頼性と専門性を示すためには、単なる自己主張では不十分です。専門性を示すためには、その分野における詳細な知識、実践経験、研究成果を豊富に提供し、訪問者に対して深い理解と広範な視野を示すことが求められます。これにより、Googleの評価を高め、検索結果での上位表示を目指すことができます。


網羅性を高めるアプローチ


このように特定のキーワードに関連する幅広いトピックについてのページを作成することは、網羅性を高める効果的な方法です。たとえば、健康や医療のサイトでは、病気の予防から治療法、最新の医療研究まで、幅広い情報を提供することが重要です。これにより、訪問者はそのサイトが提供する情報の範囲と深さを認識し、信頼性を高めることができます。



特定分野における網羅性の重要性


特定の分野に偏っていると、たとえその分野で高い専門性を持っていても、網羅性が不足しているとみなされます。例えば、金融に関するサイトであれば、株式投資だけでなく、債券、外貨投資、金融政策など、金融全般にわたる情報を提供することが求められます。このように、特定の分野における広範な知識を示すことが、Googleによる高い評価を得るためには不可欠なのです。


網羅性の意味とその価値


網羅性を高めることは、単に多くの情報を提供すること以上の意味を持ちます。それは、特定の分野における深い理解と幅広い視野を訪問者に示し、ウェブサイトの価値を高めることに直結します。このアプローチにより、サイトは訪問者にとって信頼できる情報源となり、結果としてGoogleの検索結果での上位表示を実現することが可能になります。


業種別の網羅性の具体例


特定のキーワードや業界に関連する多様なトピックを網羅することで、ウェブサイトはその分野における専門性と信頼性を証明することができます。複数の異なる業界での網羅性を高めるアプローチの具体例を見てみましょう。

1. 建設業界の例


・建設プロジェクトの管理方法
 建設プロジェクトの計画、スケジュール管理、コスト管理などの詳細な情報を提供する。
・建築材料と技術の紹介
 最新の建築材料や、環境に優しい建設技術、持続可能な建築設計に関する情報を提供する。
・安全規制と法律について
 建設業界に適用される安全基準や法的要件、労働安全衛生管理に関するガイドラインを提供する。

2. 大学受験家庭教師派遣の業界


・受験科目別の学習ガイド
 数学、英語、国語などの各科目についての学習戦略、試験対策、参考書紹介などを解説する。
・大学受験に関するアドバイス
 受験生の心構え、時間管理、ストレス管理、効率的な勉強法などを解説する。
・各大学の入試情報
 主要な大学の入試傾向分析、過去問題の解説、入試に関する最新情報の提供をする。

3. エステサロンの業界


・スキンケアと美容トリートメント
 さまざまな肌タイプ別のスキンケア方法、エステでのトリートメントの種類と効果などを解説する。
・健康と美容に関するライフスタイルのヒント
 バランスの取れた食事、適切な運動、ストレス管理など、全体的な美容と健康のためのアドバイスをする。
・美容業界のトレンドとイノベーション
 最新の美容機器や技術、美容業界のトレンド、新しい美容製品のレビューなどをする。

4. エアコン修理業界


・エアコンのトラブルシューティングガイド
 エアコンの一般的な問題とその解決策、故障のサイン、メンテナンスの方法などを解説する。
・エアコンの種類と特徴
 家庭用エアコン、業務用エアコン、中央空調系統など、各種エアコンの機能と特性の解説する。
・エネルギー効率と環境に優しいエアコンの選び方
 省エネルギー型エアコンの選び方、エアコンのエネルギー消費に関する情報、環境への影響に関するアドバイスをする。

5. 印刷業界


・印刷技術の種類と特徴
 オフセット印刷、デジタル印刷、シルクスクリーン印刷など、各種印刷技術の比較と特徴を解説する。
・印刷素材とデザインの選び方
 様々な印刷素材(紙、布、プラスチック等)と、それに適したデザインの選び方やテクニックを紹介する。
・印刷業界の最新トレンドと革新
 持続可能な印刷方法、環境に優しいインクや素材の使用、デジタル技術の導入など、印刷業界における最新動向とイノベーションを紹介する。

6. ウェブサイト制作業界


・ウェブデザインの基本原則
 ユーザーインターフェイス(UI)、ユーザーエクスペリエンス(UX)、アクセシビリティに関する基本的なガイドラインとベストプラクティスを解説する。
・ウェブ開発技術の解説
 HTML、CSS、JavaScriptなどの基本技術から、レスポンシブデザイン、クロスブラウザ対応などの高度なテクニックまでを解説する。
・ウェブサイト最適化とSEO戦略
 ウェブサイトのパフォーマンス最適化、検索エンジン最適化(SEO)のテクニック、コンテンツマーケティング戦略などを紹介する。

7. Tシャツ販売をするECサイト


・Tシャツデザインのトレンドとインスピレーション
 現代のファッショントレンド、デザインのインスピレーション、人気のグラフィックデザインなどを解説する。
・素材と製造プロセスの解説
 Tシャツの生地の種類、製造プロセス、品質管理の重要性、環境に優しい素材の選択肢などを解説する。
・オンライン販売とマーケティング戦略
 ECサイトでの効果的な商品展示方法、顧客へのアプローチ、デジタルマーケティング戦略、顧客レビューの活用方法などを解説する。

8. 経営コンサルティング業界


・経営戦略と計画
 企業の経営戦略、ビジネスモデルの構築、財務計画、リスク管理などに関する幅広い情報を提供する。
・マーケット分析と業界トレンド
 特定業界の市場動向、競合分析、新しいビジネスチャンスに関する洞察を示す。
・リーダーシップとチームビルディング
 効果的なリーダーシップの技術、チームワークの促進、従業員のモチベーション向上方法を解説する。

9. メンタルカウンセラー


・メンタルヘルスの基礎知識
 ストレス、不安、うつ病など一般的なメンタルヘルスの問題とその対処法を解説する。
・カウンセリング技術
 対話技術、感情のコントロール法、クライアントとの信頼関係構築などを解説する。
・ライフスタイルとメンタルヘルス
 健康的なライフスタイルが精神健康に与える影響、ストレス管理のための日常習慣を解説する。

10. ドッグトレーニング業界


・トレーニング方法とテクニック
 基本的な服従訓練から、特定の行動問題の改善方法までを解説する。
・犬の行動学
 犬の行動パターン、コミュニケーション方法、犬種による行動特性を解説する。
・ペットの健康と栄養
 犬の健康管理、適切な栄養摂取、予防医学に関する情報を紹介する。



ウェブサイトのSEO成功は、単に自分が専門家であるというだけの自己主張をするのではなく、具体的な専門知識や経験を広範囲にわたってサイト上にウェブページという形にして示すことにあります。エキスパートとしての自分の強みや特徴を明確に示し、訪問者にとって価値ある情報を提供することが、Googleによる上位表示のカギとなります。

わずか60件表示に!Googleは検索結果に表示するサイトの数を絞るようになってきている

2024年01月27日

SEOの世界は常に変化しています。近年、Googleは検索結果に表示するサイトの数を絞り込む方向に動いています。以前は検索結果に表示されていたサイトが表示されないケースが急増しています。これは、検索エンジンの精度を向上させ、ユーザーにより関連性の高い情報を提供するための一環です。今回は、最近のGoogleの検索結果における表示件数の減少について解説します。


「社会保険労務士 大阪」のケース


例えば、「社会保険労務士 大阪」という検索キーワードを例に挙げてみましょう。一見すると、検索結果に表示たくさんのページが表示されるように見えますが、実際にはそうではありません。

検索結果ページの下の方までスクロールして確認すると、たったの60サイトで行き止まりになります。



それ以上サイトを見るには「もっと見る」というリンクをクリックしなくてはなりません。



「もっと見る」というリンクをクリックしていくと19ページ目で行き止まりになります。



私のように「もっと見る」というリンクを19回もクリックすれば「社会保険労務士 大阪」の検索結果は248件、つまり248サイトということになります。以前のGoogleなら数千サイトは見れましたが、現在では248サイトにまで減っています。しかも、ほとんどのユーザーはわざわざ私がしたように「もっと見る」というリンクを何回もクリックしないでしょうから、事実上「社会保険労務士 大阪」で検索するほとんどのユーザーは60サイトしか見ないでしょう。

同じような実験を「USBケーブル」、「Tシャツ 通販」、「脱毛 口コミ」、「糖尿病 原因」、「KPIとは」でもしてみましたが、結果は次のようになりました。

「USBケーブル」
60サイト もっと見るを含めると合計186サイト

「Tシャツ 通販」
60サイト もっと見るを含めると合計223サイト

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60サイト もっと見るを含めると合計129サイト

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60サイト もっと見るを含めると合計300サイト

「KPIとは」
60サイト もっと見るを含めると合計348サイト

PC版ChromeブラウザでGoogle検索をノーマルモードで行った結果ですが、驚いたことにどのキーワードも60サイトしか表示されません。そして「もっと見る」というリンクをクリックしても129から最大でも348サイトまでしか表示されませんでした。


過去と現在のGoogleの検索エンジン


このように過去のGoogleは何千ものサイトを表示する情報量が豊富な検索エンジンでしたが、現在では基本的に60サイトまでを表示して、どうしてもそれ以上見たいというユーザーが「もっと見る」というリンクをクリックしても100から300サイトくらいまでしか見せてはくれない検索エンジンになってしまいました。

昔のGoogleは全文検索エンジンとして、インターネット上のほぼすべてのページを検索結果に表示することが可能でした。しかし、現在ではページ数が多すぎるため、Googleは実質的にまとめサイトのような形式を取るのようになったのです。このことは、関連性が低い、または少しでも怪しいサイトを検索結果から積極的に除外していることを示しており、ユーザー体験の質を向上させる方向にGoogleが舵を切ったためのものだと考えられます。


Googleの検索結果絞り込み:ユーザーにとってのメリットとデメリット


このようなGoogleによる検索結果情報の絞り込みという戦略は、ユーザーの検索体験に大きな影響を与えているはずです。そして、それにはメリットとデメリットの両面が存在します。



メリットは情報の質の向上と効率的な検索


最大のメリットは、情報の質の向上です。Googleが絞り込んだ検索結果には、より関連性の高い、信頼できるウェブサイトが優先的に表示されます。これにより、ユーザーは関連性の低い、あるいは不正確な情報を見る手間を省けます。例えば、医療情報を検索する際、質の高い、専門的な情報源からのみ情報を得られることは、ユーザーにとって大きな安心感をもたらします。

また、効率的な検索が可能になります。以前は何千もの検索結果を手作業でフィルタリングする必要がありましたが、絞り込みにより、最も適切な情報が初めの60サイトに集中して表示されるため、ユーザーは必要な情報を迅速に見つけ出すことができます。

デメリットは情報の多様性の喪失と表現の自由への影響


一方で、デメリットも無視できません。最も大きな問題は、情報の多様性の喪失です。Googleが「関連性が高い」と判断する基準は不透明であり、結果として多様な視点や意見が検索結果から排除される可能性があります。特に特定のトピックに関して、多様な視点や情報源からの情報が必要な場合、この絞り込みは問題となる可能性があります。

さらに、表現の自由への影響も懸念されます。特定のウェブサイトや情報がGoogleのアルゴリズムによって排除されることで、情報の提供者が独自の声を失うリスクがあります。特に新興のウェブサイトや小規模なブログが影響を受けやすく、インターネットの情報源としての多様性が損なわれる可能性があります。

こうした状況を受けて、すでに一部のインターネットユーザーは、Googleほど情報の選別が厳しくないDuckDuckGoや、Brave Searchという情報を絞り込んでいない検索エンジンを使うようになってきています。



《参考サイト》 DuckDuckGo  Brave Search


バランスの重要性


検索結果の絞り込みにおいては、質の向上と情報の多様性のバランスが非常に重要です。ユーザーにとっては、正確で信頼できる情報を迅速に得ることができる一方で、異なる意見や新しい情報源に触れる機会が制限されることになります。このバランスをどのように取るかが、検索エンジン会社にとってその価値を決める重要なポイントであるはずです。


Googleの検索結果絞り込み:サイト運営者への影響


Googleの検索結果の絞り込みは、ウェブサイトの可視性、トラフィック、そしてSEO戦略に直接影響を及ぼすため、そのメリットとデメリットを理解することが不可欠です。



メリット「 質の高いコンテンツの価値が増加」


まず、メリットの面では、質の高いコンテンツの価値が増加します。Googleが関連性の高い情報を優先することで、専門的で信頼性の高いコンテンツを持つウェブサイトは、検索結果においてより高い位置に表示される可能性が高まります。これにより、コンテンツの質に注力しているサイト運営者は、検索エンジンによるトラフィックの増加を期待できます。

また、この変化はサイト運営者にとって、自身のウェブサイトのコンテンツ品質を高める機会となります。質の高いコンテンツを提供することで、ユーザーからの信頼を得ることができ、結果的にリピーターの増加やブランドの信頼性向上につながります。

デメリット「競争の激化と中小規模サイトへの影響」


一方で、デメリットも存在します。特に、競争の激化は大きな問題です。Googleの検索結果が絞り込まれることで、限られた数のサイトのみが上位表示されるため、競争はより厳しいものとなります。大手サイトや既に高い権威を持つサイトとの競争に勝つためには、中小規模のサイト運営者はさらに質の高いコンテンツを作成し、独自の価値を提供する必要があります。

さらに、新しいウェブサイトや規模が小さいサイトにとっては、この変化は大きな試練になります。これらのサイトが検索結果での可視性を獲得するためには、SEO戦略をより緻密に練る必要があります。新規サイトが上位表示を獲得するためのハードルは高まり、時間とリソースを要するプロセスとなるでしょう。


変化への適応


このような状況では、サイト運営者は検索エンジンの変化に適応する必要があります。これには、キーワードの選定からコンテンツの質、ユーザー体験の改善、技術的なSEOの最適化に至るまで、多方面の取り組みが求められます。また、ソーシャルメディアや他のマーケティングチャネルを利用したトラフィックの獲得も重要です。

Googleの検索結果の絞り込みは、サイト運営者にとって機会と試練の両方をもたらします。質の高いコンテンツへの投資は、長期的なトラフィック増とブランドの信頼性の向上をもたらしますが、それには戦略的な取り組みと持続的な努力が必要です。サイト運営者はこの新しい環境に柔軟に対応し、継続的に自サイトを改善していく必要があります。


ページを増やすだでなく、質が高いページを着実に増やす


この変化は、ウェブサイト運営者やSEO専門家にとって重要な意味を持ちます。もはや、単にページ数を増やすだけで上位表示が得られる時代ではなく、Googleは関連性の高い、質の良いコンテンツを重視しています。したがって、多くのページを作成するよりも、質の高いコンテンツを提供し、その内容が検索キーワードとしっかり関連していることがより重要になっています。

また、過去に作成したウェブページの品質をチェックして、現在の基準に照らし合わせて古い部分は新しいものに差し替え、足りないものは新たに追加していく必要があります。


質が高いだけでなく、検索キーワードと関連性が高いページを作る


コアアップデート等のGoogleが近年繰り返し実施したアップデートは、SEO戦略において質の重要性を強調しています。これは、ウェブサイト運営者やSEO専門家にとって新たな試練を意味しており、質の高いコンテンツと検索キーワードの関連性が、上位表示の鍵となります。「質の高いコンテンツ」だけでなく、「検索キーワードとしっかり関連しているコンテンツ」を作らなければなりません。具体例を考えてみましょう。

質の高いコンテンツの具体例


質の高いコンテンツは、主に次のような特徴を持っています:

1. 専門的かつ信頼できる情報
例えば、医療関連のウェブサイトでは、医師や専門家による詳細な解説や最新の研究結果を提供することが重要です。このような専門性の高い情報は、読者の信頼を得やすく、Googleによる評価も高まります。

2. ユーザーに価値を提供するコンテンツ
ユーザーが実際に役立つ情報や解決策を提供するコンテンツです。例えば、家庭菜園に関するウェブサイトであれば、季節ごとの植物の育て方、病害虫の対処法など具体的な指南を提供します。

3. 独自性と創造性
他のサイトとは異なるユニークな視点や新しい情報を提供することも重要です。たとえば、旅行に関するブログであれば、一般的な観光地ではなく、隠れた名所や独自の旅行のコツを紹介することができます。

検索キーワードと関連性が高いコンテンツの具体例


一方、検索キーワードと関連性が高いコンテンツには、次のような特徴があります:

1. 検索キーワードに対する直接的な回答
ユーザーが「ベストなコーヒーメーカー」と検索した場合、このキーワードに関連するコンテンツでは、さまざまなタイプのコーヒーメーカーの比較、選び方、使用方法などを詳しく説明して、どれがベストなコーヒーメーカーなのかという答えを伝えなくてはなりません。

2. 検索キーワードの意図を理解する
「ダイエット方法」という検索キーワードに対しては、ただ単にダイエット方法を列挙するだけでなく、ユーザーがそのキーワードで検索することにより、具体的に何を知りたいのかを予測してコンテンツ化する必要があります。それが効果的なダイエットの科学的根拠や健康的な食生活の提案だとしたら、それらをしっかりとページ内で説明しなくてはなりません。

3. 長いフレーズの検索キーワードの活用
特定のニッチなトピックに焦点を当てたコンテンツも価値があります。例えば、「初心者向けの山登り装備ガイド」など、特定のグループをターゲットにした詳細な情報を提供することで、より関連性の高いトラフィックを引き寄せることができます。

このように、質の高いコンテンツと検索キーワードとの関連性は、現代のSEO戦略において不可欠です。ウェブサイト運営者は、読者にとって価値ある情報を提供し、その内容が検索キーワードと緊密に関連していることを確実にする必要があります。このようなアプローチにより、Googleの検索結果で上位表示されるようになり可視性を高めることができるでしょう。


コンテンツの鮮度を高めることが上位表示にプラスに働く

2024年01月20日

コンテンツの新鮮さはGoogleの上位表示において極めて重要な要素です。

インターネット上の情報の鮮度は、その情報の価値を左右する重要な要素です。特に検索エンジンにおいては、情報の新しさが上位表示に大きく影響します。一般的に、2年以上前の情報はGoogleの検索結果の上位に表示されにくい傾向があることに私はある時気が付きました。私は一人のインターネットユーザーとして、情報を検索する際には、その情報が古いのか、新しいのかを非常に重視しています。

何故なら、古い情報の多くは現在の検索ユーザーにとっては役に立たないことが多くなってきているからです。

例えば、ディズニーランドのアトラクションにどのようなものがあるのかを知りたい人が2年前の情報を見たいでしょうか?2年もすると人気の無いアトラクションは閉鎖されて、新しいアトラクションが開設されているのではないでしょうか?このことは観光情報だけでなく、物販やあらゆるサービスにおいても言えます。

誰も古い型落ちの商品や、コロナ禍が終わった後の飲食店のメニューの情報を見たいはずがありません。古いスタイルの洋服は流行遅れでしょうし、コロナ禍の時代は通常の時期と違ったメニューが提供されていたはずです。これらの情報を今の検索ユーザーが見る意味はありません。たった2年の時間が経過しただけでも、かなりのことが変化してしまう、そういう時代に私達は生きているのです。



私も一人の検索ユーザーとして検索をする際には、今私がこの記事を書いているのが2024年1月ですが、最終更新日が前の年の2023年のページは見たいと思いますが、それ以前の2022年や2021年と記載されているページは、ほとんど目を通さないことにしています。一方で、最近の日付、例えば2024年1月や2023年の日付が記されたサイトは積極的に閲覧します。

私はクライアントのサイトの検索順位を高めるアドバイスをするためにほぼ毎日新しいウェブサイトを見ています。そして初めて見るウェブサイトを訪れる際も、私はまずそのサイトの最終更新日を確認します。多くのサイトやブログでは、ページの上のほうに最終更新日が明記されていますし、されていないとしても、Googleの検索結果ページ上にそのサイトをGoogleが見た日付が表示されています。これらの日付がサイトの信頼性を判断する上での重要な手がかりになります。



おもしろことに、古い日付が表記されているページは検索の下のほうに表示され、新しい日付が表記されているページが検索の上位に表示されているということを最近頻繁に見かけます。

Googleは明らかに古いページよりも、新しいページを上位表示させるようになってきています。このような情報の鮮度に対するGoogleによる配慮は、私たちユーザーの検索行動によって形作られています。Googleなどの検索エンジンは、古い情報が検索結果から消えるようなアップデートを公式に発表することはありませんが、結果として古い情報は表示されにくくなっています。これは、ユーザーが最新の情報を求めているという実態を反映したものと言えるでしょう。

これはどのようにして実現されるのかと言うと、Googleの特許情報にそのヒントがあります。Googleが公開している特許情報の1つに「暗黙のユーザーフィードバックに基づく検索結果の順位の変更」というものがあります。





このGoogleが保有する特許情報によれば、Googleの検索エンジンは、検索結果からウェブサイトをクリックして訪問したユーザーがどれくらいの時間で検索結果ページに戻るかを追跡しています。例として、もしユーザーが検索結果で1位に表示されるサイトをクリックし、30秒で戻ってきたとします。次に、2位のサイトをクリックして60秒後に戻ってくる場合、Googleの検索アルゴリズムは2位のサイトがユーザーにとってより価値があると判断します。なぜなら、ユーザーがそのサイトにより長く滞在していたからです。

逆に、1位のサイトは30秒しか閲覧されなかったため、2位のサイトほどユーザーに好まれていないと考えられます。このようなパターンが繰り返されると、検索エンジンは2位のサイトの方がユーザーにとって有益であると判断し、検索結果での順位を1位のサイトと入れ替えることになるというものです



このようにGoogleは、ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの時間(滞在時間)や、サイト内のページをどれだけ閲覧したかなどの情報を記録して、これらの情報をもとに、ユーザーがサイトにどれだけ価値を感じているのかを判断し、検索順位を決めているのです。

この事実は、ウェブサイトを運営する側にとっても重要な示唆を与えます。常に最新の情報を提供し、サイトの更新を怠らないことが、検索エンジンでの上位表示を実現する鍵となるのです。

Googleがいかに古い情報を低く評価し、新しい情報のあるページを上位表示させようとしているかを示す文書がもう一つあります。それはGoogleが毎年発表しているGeneral GuidelinesというGoogleの品質評価スタッフ達が使用するマニュアルです。



その2023年版のp.144にはコンテンツの鮮度に関して次のことが述べられています:
「クエリが最新のコンテンツを要求する場合、現在、最近、または更新されたコンテンツを含むページのみが高いニーズメット評価を取得する必要があります。 これらのクエリには、過去のイベント、古い製品モデルや価格、古い情報などに関するページは役に立ちません。 これらは「古い」とみなされ、低いニーズメット評価が与えられるべきです。 場合によっては、古い結果は役に立たないため、FailsM と評価する必要があります。」

「ニーズメット評価」とは、Googleの検索品質評価ガイドラインには、「Needs Met rating」という評価基準があります。これは、提供される検索結果がユーザーの問いにどれだけ適切に答え、期待を満たしているかを判断するものです。ユーザーが求める情報をどれだけ正確に、有用に提供できているかが鍵を握ります。

検索結果が高いNeeds Met ratingを受けるためには、いくつかのポイントがあります。まず、ユーザーが何を求めているのか、その検索意図を深く理解することが重要です。次に、その意図に沿った価値ある情報を提供する必要があります。また、ユーザーが求める情報にすぐにたどり着けるよう、ウェブサイトの構成にも気を配るべきです。

この評価基準は、単にSEO(検索エンジン最適化)の技術的な面だけでなく、実際にユーザーに価値を提供することの重要性を示しています。Needs Met ratingを高めることで、検索結果の上位表示を目指すとともに、サイト訪問者にとって価値のあるサイトへと成長させることが可能になります。実際にユーザーのニーズに応えることで、サイトの信頼性と訪問率を高めることができるのです。

このようにGoogleは常に最新の情報を求めています。古い情報は上位表示にふさわしくないとされており、2年以上経過した情報、テキストだけでなく画像においても、上位表示できない理由となり得ます。つまり、ウェブページの内容を定期的に更新し、最新の状態に保つことが不可欠だということです。

具体的には、古い画像を最新のものに差し替えるだけでも、上位表示の効果が見込めます。ウェブページの最適化においては、コンテンツの新鮮さを保つことが極めて重要です。この「情報の鮮度」という基準を満たすことで、ウェブサイトはGoogleの検索結果においてより良い位置に表示され、より多くの訪問者を引き付けることが可能になります。



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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

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