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SGE(AIによる概要)への対策は?Googleが検索1位に生成AIを表示した時にするべきこと

2024年04月02日

前回は、「SGE」(AIによる概要)と呼ばれる生成AIを搭載するGoogleが登場するということについてレポートしました。

今回は、「SGE」が実施された後、私達サイト運営者がどうすれば従来のようにGoogle検索からの自社サイトへの流入を維持することが出来るのかを考察します。

Google検索からの自社サイトへの流入を維持する方法の1つはGoogleの生成AIに引用されるくらいの高い質のページを作ることでしょう。


Googleの生成AIに引用されるための対策


高い質とは:

(1)正確性が高い情報であること
(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること
(3)実体験に基づいた情報であること
(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること
(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 
(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること 


の6つが今のところ考えられます。

実際に引用されているサイトへのリンクをクリックしてリンク先のサイトを見てみるとこれら6つの条件の全て、あるいは複数を見たいしているサイトであることが確認されています。これら6つの条件の全てまたはなるべく多くを満たすことが非常に重要になるはずです。

《生成AIの回答の中に表示される情報の引用元へのリンクの例》


(1)正確性が高い情報であること


Googleは情報の正確性を重んじる企業です。そのため当然、生成AIが作成した答えの情報源には高い正確性を求めるはずです。自社サイトには正確性の低い情報を無くしていきながら正確性の高い情報を増やすことが必要です。

(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること


その道の専門家は一般人が知らない希少性が高い情報を持っています。生成AIに引用してもらうためには一般人が書いたコンテンツではなく、専門家が書いたコンテンツをサイト内に増やす必要があります。

(3)実体験に基づいた情報であること


Googleはウェブ上にある情報を単にまとめたコンテンツではなく、著者自身の体験に基づいたコンテンツを高く評価するため体験に基づいたコンテンツは引用される可能性が高いと言えます。

(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること


生成AIによる答えの部分にはテキストやリンクだけでなく、画像も表示されます。そしてその画像は引用元サイトの画像が使われます。そのため、生成AIが引用したくなる画像を作成してサイトに載せることが有効です。そしてその画像が生成AIの答えの部分に表示された時にクリックしたくなるような画像であれば、その画像リンクをクリックして引用元のサイトをユーザーが見に行く確率が高まります。

(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 


記事の冒頭に専門家の肩書と氏名を掲載し、氏名をクリックするとその著者のプロフィールページに飛ぶようにリンクを張ることが有効です。

《著者のプロフィールページへのリンク例》


(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること


特定のページの著者の情報だけでなく、そのページが属するサイトを運営しているのは誰かを示すサイト運営者情報に正式な事業者名、所在地、連絡先、事業内容、沿革、挨拶などを載せることにしてサイトの信用性が高まりそのサイトに属するページの信頼性も高まります。

生成AIの答えの下にある通常の自然検索の部分に自社サイトが表示された時の対策


次に考えなくてはならないのは、検索結果ページ上にある生成AIの答えの下にある通常の自然検索の部分に自社サイトが表示された時に、どれだけの検索ユーザーがリンクをクリックして私たちのサイトに来てくれるかということです。

《生成AIの回答の下に表示される自然検索結果部分の例》


これは全く未知のことなので予測するのは困難ですが私は次のようになると思います。

【予想1】ユニークな内容のページならクリックしてもらえる

 
生成AIは優等生的な答えを返すのは得意ですが、個性的でユニークな答えを返すことはしません。そのため、ユニークな情報を探しているユーザーに喜んでもらえるような独自性が高い意見や見解、解説を軸にしてそれを前面に押し出したテーマのページを作ればクリックしてくれる可能性が高まることが期待できます。

【予想2】権威性が高いサイトのページならクリックしてもらえる


例えば、金利に関するキーワードで検索しているユーザーが、自然検索欄で「●●銀行・・・」、「三菱UFJ銀行・・・」、「●●●協会・・・」という文言を発見したら、信頼できそうな情報だということでクリックしてくれる可能性が高まるはずです。

【予想3】ブランド力が高い企業・個人が運営するサイトのページならクリックしてもらえる

 
その道で有名なブランド力を持つ企業や個人ならユーザーが見たくなってクリックしている可能性が高いはずです。

【予想4】筆者の経験に基づいた内容のページならクリックしてもらえる


生成AIの弱点の一つは、人間とは違い肉体を使った体験ができないということです。体験談を探している検索ユーザーならば生成AIではなく人が作ったコンテンツ、ブログ記事などを読みたがるはずです。

【予想5】独自の実験を発表するページならクリックしてもらえる

 
実際に商品を使って、それを検証、レビューする記事や、何らかの実験結果を発表するコンテンツは生成AIでは難しいので、そうしたコンテンツを作れば検索結果上でクリックされるチャンスが増すはずです。

【予想6】検索順位が1位か2位くらいならばクリックしてもらえる

 
生成AIのブロックは背景に色がついて、画像もあるため非常に目立ちますが、そのすぐ下に表示される自然検索の1位か、悪くても2位ならばある程度のクリック率が期待できると思います。

しかし、自然検索の順位がそれ以下の場合、特に、6位、7位だとか、9位、10位だと従来と比べてクリック率はかなり減るはずです。

しかも、最近のGoogleは昔と比べて検索結果ページが少なくなってきています。以前なら検索結果が100ページくらい表示さて上位1000ページくらいは見れましたが、最近では4ページ目くらいで止まってしまうので上位40位くらいしか見れないことが増えています。

こうした理由により、SEOの競争率は各段に高まるはずです。

恐らく、多くのプレイヤー、つまりSEOでの集客を目指す企業がこの厳しい競争で脱落していくはずです。

やり方もわからず、ただ競争率が増すのを見ればほとんどの人たちが戦意を喪失する可能性があるのは無理もありません。

しかし、こうした生成AI時代の対策を知ることにより、戦意を喪失するのではなく、むしろこれはチャンスだと積極的に受け止めて、以前よりもSEOで成果を上げる企業もでてくるはずです。

私たちはそうした企業になることを目指すべきです。

【予想7】指名検索ならば生成AIは表示されず、自社サイトが1位か2位には表示されるのでクリックしてもらえる

 
指名検索ならば競争はありません。自社が所有する社名や、店舗名、商品名などのブランド名では自社サイトが上位表示されやすくなっています。

SEOの最終的なゴールはそこです。

一般名詞での検索ではなく、私たちが所有するブランド名での上位表示を目指すべきです。

そのために、SEOをするのです。個性的なブランド名を考えてユーザーに覚えてもらう努力をしつつ、何よりも、競合他社とは別格の独自性が高く顧客に喜ばれる商品・サービスの提供に全力を尽くすべきです。

以上が、SGE時代の新しいSEO対策です。念のため、Googleの公式発表や直近のSGEに関するテストの動向も見てみましょう。

Googleの公式情報


GoogleはSGEの意味について「生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介」
https://japan.googleblog.com/2023/08/search-sge.html
というページで説明をしています。

この中に重要な一節があります。

『Google は、@ 生成 AI を検索に組み込む工程においても、トラフィックをウェブサイトに送ることに引き続き注力しています。広告は、ウェブが機能するための重要な要素であり、ユーザーが関連する製品やサービスを見つけるのに役立つと考えています。この新しい生成 AI の体験では、A検索広告はページ全体の専用広告枠に引き続き表示されます。また、広告の透明性を確保し、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示します。』

という部分です。

1つ目の重要な部分は・・・

@ 生成 AI を検索に組み込む工程においても、トラフィックをウェブサイトに送ることに引き続き注力しています。

という部分です。

Googleは情報を独占するのではなく、引き続き、生成AIの部分から参照元という形で情報を引用したサイトへリンクを張ります。これは冒頭で説明した



という赤枠で囲った部分です。

そして生成AIの情報の下には従来のように自然検索結果を表示して他のサイトにリンクを張ります。

2つ目の重要な部分は・・・

A検索広告はページ全体の専用広告枠に引き続き表示されます。また、広告の透明性を確保し、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示します。

というところです。現在の日本語のテスト版には表示されていませんが、英語版などで複数のパターンをテストしているといわれています。ここはGoogleにとって何兆円もの売り上げを稼ぎ出すビジネス的に非常に重要な部分なので慎重に決めるということです。

直近のSGEのテストの動向


海外のSEOのニュースサイトや英語版のGoogle公式サイトではこうした広告の表示場所のテストや、生成AIが生成した画像の表示、個人の検索履歴に基づいた結果のカスタマイズなど様々なテストをしているということです。重要な発表があったら必ずこのブログで報告させていただきます。

SGEへの対策まとめ


以上が、SGEのテスト版とは何か、そこから見えてくる正式版へのSEO対策についてです。

対策をまとめると・・・

《生成AIの部分に参照元サイトして紹介してもらい自社サイトにリンクを張ってもらうための対策》
(1)正確性が高い情報であること
(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること
(3)実体験に基づいた情報であること
(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること
(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 
(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること 

《生成AIの部分の下に表示される自然検索欄から自社サイトにユーザーに来てもらうための対策》
(1)ユニークな内容のページを作る
(2)権威性が高いサイトになることを目指す
(3)ブランド力が高い企業・個人になることを目指す 
(4)筆者の経験に基づいた内容のページを作る
(5)独自の実験を発表するページを作る 
(6)検索順位を1位に、悪くても2位になるようにSEOに力を入れる
(7)指名検索ならば生成AIは表示されないので指名検索をしてもらうための取り組みをする

という合計13の対策があります。

SGEの事を知って驚いていた方、何をすれば良いのかがわからず不安だった方はこれらを参考にしてすぐに取り組んでください。今から準備すれば遅すぎるという事態は避けられるはずです。むしろこのピンチをチャンスにして躍進しましょう!

生成AIを搭載するGoogleが登場する!SGE(AIによる概要)の脅威

2024年04月02日

SEOに関心を持つ人が、今最も気にしていることがあります。それはGoogleが検索結果ページの一番上に生成AIによる答えを表示してしまったらどうなるのか?もはやGoogleの検索結果ページからユーザーが自社サイトに来てくれなくなるのではないか?という恐れです。

実際に、今Googleは着々とその恐れを現実化するようなことをするようなことを始めています。それは2023年8月30日に日本で公開されたSGEという全く新しい形の検索体験を提供する検索エンジンです。

《生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介》


SGE(Search Generative Experience)は、Googleが開発した新しい検索機能で、生成AIによって検索体験を改善するものです。SGE(AIによる概要)は、検索されたキーワードの検索意図に沿った回答をGoogleが自動で生成します。SGEは、Microsoft Bing のような、Web検索を生成AIチャットボットとのやりとりで行うサービスです。

《テスト版での検索結果ページの例》


ご覧のように「引越し 準備」、「交通事故 慰謝料」等のキーワードで検索すると検索結果ページの一番上の背景に色がついた部分にGoogleの生成AIが作成した答えが表示されています。

通常のサイトへのリンクはその下に表示されるため目立たなくなっています。そうなると私たちのサイトへのGoogleからのアクセス数が激減することが考えられます。

SGEとGeminiというチャットボット型の生成AIサービスは、できることは似ています。Geminiは、2023年12月に発表した生成AIで、元々はBardという名称の生成AIサービスで2023年1月18日に公開されたものです。公開当初は、Google AIの研究者やエンジニアのみが利用可能でしたが、2023年3月1日から一般公開され日本でも使えるようになりました。

Geminiは検索エンジンとは独立したサービスです。Geminiはアイデア作成などに強みがあるのに対し、SGEは検索結果の生成に強みがあります。

《Geminiの回答結果ページの例》


つまり、これまでのGoogle検索の提供が停止して、新たに生成AIを搭載したSGEという新しいGoogle検索が誕生するということです。現在は未だテスト版の公開にとどめていますが、近い将来正式公開をするはずです。現在のところGoogleはこのSGEを2024年中に一般公開すると発表しています。

一般公開された時、一体どのようなインパクトが従来のSEOに与えられるのか?それが問題です。

何社もの会員様から私はすでにこのSGEに関する感想や相談をいただいています。その1つをご覧下さい。

『2023年8月30日(水)、ある意味「記念すべき日」となりそうな、生成 AI による検索体験 (SGE -Search Generative Experience) の日本語版の試験運用がとうとう開始されてしまいました。https://japan.googleblog.com/2023/08/search-sge.html?m=1

2024年以降に本格搭載されるであろうSGEに向けて、目標キーワードを掲げてサイトの上位表示を目指している、企業サイトや個人ブログはまず何をすべきでしょうか。
鬼滅の刃の鬼のように、人間が経験体験したことを生成AIがそのままパクッと食べて、Googleの検索ページに「自社サイトのごとき」に出すとは、「Googleさん、E-E-A-Tをもとにしたコンテンツを書くよう私たちに言ってきたのはなんだったんだ?」と烈火の如く、怒りを感じるほどです。

個人的には、「有益な無料お役立ちコンテンツを書く人間のモチベーションを下げてしまった」生成AIによる検索体験は、GoogleがGoogle自身の首を絞めているようなものだと感じます。お手数をお掛けしますが、現時点でやれることをご教授いただけると幸いです。』

「無限Q&A」よりも恐ろしく感じます。ちなみに、私の友人に「生成AIによる検索体験」のページを見せて説明したら、「無料お役立ちコンテンツ(=ブログ)を書くモチベーションが下がった」と言ってました。

※「無限Q&A」とは私が勝手につけた名称で、数年前からGoogleの検索結果ページの上位にGoogleが作成した複数のQ&Aが表示されるブロックのことです。正式には「関連する質問」と呼ばれています。何故無限というのかという質問部分をクリックする度にQ&Aが増殖してしまい、その下にある通常のウェブサイトへのリンクがクリックされにくくなるからです。

《「無限Q&A」の例》


この感想を初めて読んだとき、私は全くそのとおりだと思いました。Googleはこれまで散々私達のサイトから情報を収集してビジネスに利用してきました。それは本来許したいことではありませんが、私が自社サイトの情報を提供することにより、検索結果上にあるリンクを通じて、私達のサイトにユーザーを送客してくれてきたため許容せざるをえませんでした。

しかし、今回のSGEが正式に導入されたら検索ユーザーが検索した時にGoogleが直接答えを検索結果ページの一番上に目立つ形で表示するようになります。そうなれば私達はGoogleに情報を無料で提供するだけで、何のメリットも無くなるのではないかと思い憤りを感じました。

一体私達サイト運営者はどうすれば良いのでしょうか?

それを知るには落ち着いて、SGEのテスト版を利用して実際にどのような検索結果ページになるのかを観察するとともに、Googleの出方を冷静に観察する必要があります。

SGEのテスト版の申し込み方法


まずは、実際にSGEを使わないとSGEのインパクトを推測することは困難です。
SGEのテスト版は誰でも申し込みができるようになっており、申し込み後即時に利用できるようになります。

申し込みは
https://labs.google.com/search
でできます。詳しい申し込み方法は
https://support.google.com/websearch/answer/13572151
に解説されています。

未だSGEのテスト版を利用したことが無い方はこちらからお申込みください。

《SGEのテスト版の申し込みページ》


申し込みが完了すると次のような画面が表示されるようになります。画面の下にあるボタンをクリックしてオンにするとその時点がからSGEを使うことができるようになります。

《SGEのテスト版の設定ページ》


SGEの検索結果の検証


手続きが完了したら早速、色々な気になるキーワードで検索してみましょう。検索の仕方は従来のGoogle検索と同じです。
「オーストラリア留学 準備すること」で検索したら次のような4行くらいだけ生成AIの情報が表示されている検索結果ページが表示されました。「もっと見る」というリンクをクリックすると全ての情報が表示されます。

《「オーストラリア留学 準備すること」、「遺産相続」での検索結果ページの例》


《「インプラント 治療費」、「DX 意味」での検索結果ページの例》


最初に、「オーストラリア留学 準備すること」、「遺産相続」、「インプラント 治療費」、「DX 意味」等の、すぐに商品・サービスを購入するのではなく、ユーザーが疑問に思っていることの答えを探すためのクエリ(=問い)で検索するとほとんどの場合生成AIの答えが表示されます。

こうしたキーワードは「情報検索キーワード」と呼びます。商品・サービスを今すぐ購入する意思は無く、ただ情報を検索しているからこのように呼びます。

《ユーザーの3つの検索意図に基づいた3つの検索キーワードのパターン》


検索キーワードには情報検索キーワードの他に、「購入検索キーワード」と「指名検索キーワード」があります。
購入検索キーワードは「スマホケース 通販」、「歯医者 名古屋」、「相続相談 横浜」等の検索ユーザーが商品・サービスを購入しようという明確な意思を持って検索するキーワードのことです。

指名検索キーワードとは、「ユニクロ」、「ユニクロ 渋谷」、「松本整骨院」、「iPhone 15」のような企業の社名や店名、商品名などのブランド名での検索キーワードのことです。

「スマホケース 通販」、「歯医者 名古屋」、「相続相談 横浜」等の購入検索キーワードで検索してみると下図のように生成AIの回答は表示されません。

《「スマホケース 通販」での検索結果ページの例》


《「歯医者 名古屋」での検索結果ページの例》


《「相続相談 横浜」での検索結果ページの例》


購入検索キーワードで検索した時に生成AIの答えが表示されない理由は恐らく、検索ユーザーは生成AIによるシンプルな答えを求めているのではなく、多種多様な商品や事業者の情報を求めているとGoogleのアルゴリズムが判断しているからだと思われます。

そしてもう一つの理由は、購入検索キーワードはGoogleにとってのお金になるキーワードだからだと考えられます。購入検索キーワードは非常に競争率が高く、購入にもつながりやすい本気客、今すぐ客が検索するキーワードであるためキーワード連動型の広告であるリスティング広告が売れやすいキーワードです。

そうしたキーワードでも検索結果の一番上の目立つ位置に生成AIによる答えを表示してしまったら、広告を購入する企業が減る可能性があります。

次に、指名検索キーワードである「ユニクロ」、「ユニクロ 渋谷」、「松本整骨院」、「iPhone 15」で検索しましたが、これも生成AIは表示されず従来のような生成AI無しの検索結果ページが表示されました。

《「ユニクロ」での検索結果ページの例》


《「ユニクロ 渋谷」での検索結果ページの例》


《「iPhone 15」での検索結果ページの例》


ということは、今のところ検索結果ページに生成AIの答えが表示されるのは情報検索キーワードだけということになります。

生成AIの部分からの外部サイトへのリンク


検索結果ページに生成AIが表示された場合でも、引用元として外部リンクが表示されるようになっています。
例えば、「交通事故 慰謝料」で検索した場合下図のように解答部分に複数の下向きの矢印があり、それをクリックするとその部分の文章の引用元サイトから引用した画像とサイト名、外部リンクが表示されます。

他にも、画面の右上に3件程度の引用元サイトへのリンクが表示されています。その部分はスクロールができるようになっており、スクロールをすると8件くらいまでのサイトへのリンクが表示されますので、クリックしたユーザーが引用元サイトに行く可能性があります。

《生成AIの部分からの外部サイトへのリンク》


その外部リンクをクリックすると引用元サイトに飛ぶことができます。これにより、引用されたサイトはある程度サイトへの訪問者を獲得する可能性があります。

《リンクが張られている引用元サイトの例》


しかし、どれだけ多くのGoogleユーザーがわざわざそのリンクをクリックするかはわかりません。いたとしても大勢ではなく、少数のユーザーではないでしょうか?それでも全くリンクを張ってくれないよりはましだと言えますが。

以上が、SGEの意味と、SGEが私達サイト運営者に及ぼす影響についてです。

次回は、「SGE」が実施された後、私達サイト運営者がどうすれば従来のようにGoogle検索からの自社サイトへの流入を維持することが出来るのかを考察します。

《速報》Googleがリスティング広告の表示場所の変更を発表!SGE正式実施への準備か?

2024年04月01日

Googleがリスティング広告を利用している広告主に向けて2024年3月29日に「検索広告における指標の定義の変更について」というメールを出しました。

《「検索広告における指標の定義の変更について」の文面》

このメールには次のような事が書かれています:

『検索広告における指標の定義の変更について
検索広告における広告の配置が進化し続ける中、Google はお客様の商品やサービスに関心のあるユーザーと、お客様を結び付けることに注力しています。このたび、上位の広告に関する定義を更新します。上位の広告はオーガニック検索結果の上に表示されますが、特定の検索語句ではオーガニック検索結果の下に表示されることもあります。

具体的にはヘルプセンターの以下の用語の定義を更新します。

上位の広告
最上位の広告
視認性の高さ
上位の広告と最上位の広告に関する指標
パフォーマンス データを分割表示する
目標インプレッション シェアによる入札について
広告を上位の広告の 1 つとして表示する

更新された定義を確認して、キャンペーンの評価に使用する指標とセグメントにどのように影響するかをご確認ください。

よろしくお願いいたします。
Google 広告チーム』

この文面とリンク先のページを見ると、Googleはこれまで自然検索結果(SEOが対象とする部分)の上にGoogleの広告判断基準が上位に表示すべきと評価した高品質な広告を表示していましたが、それをやめて、自然検索の横や、下に広告を表示することがあると述べています。

《上位の広告》

《出典》 上位の広告

このことは何を意味するのでしょうか?

考えられることとしては今年中に正式公開されると言われているSGE(Search Generative Experience:生成AIを活用した結果をGoogle検索エンジンの検索結果の一番上に表示する機能)が実施された時に、従来のように検索結果ページの一番上にリスティング広告を表示すると生成AIを活用した結果が目立たなくなってしまい競合するChatGPTと比べると生成AIによる答えが見にくくなるからだと思われます。

SGEは、希望するユーザーだけがテスト利用の申し込みをすると使用できます。私も以前申込みをしてSGEのテスト版が使えるようになっていますが、未だ申込みをしていない方は、Googleにログインした状態でChromeのブラウザの右上のあるフラスコのアイコンをクリックして申込みをしてください。申込後すぐにテスト版を利用できます。

《Chromeのブラウザの右上のあるフラスコのアイコン》


《SGEテスト版の申し込み画面》


テスト版のGoogleで例えば「犬の飼い方」と検索すると次のような結果が表示されます。

《SGEの結果ページの例》


現在のところ、結果ページの一番上に生成AIによる回答が表示され、その下に従来のウェブの自然検索結果(オーガニック)が表示されます。そして10位の下にリスティング広告が表示されています。

現在のところ、SGEが正式導入されたらこのように自然検索結果の10位のすぐ下に1つか複数のリスティング広告が表示されることが考えられます。

あるいは今回のメールでの発表でGoogleは「自然検索の横や、下に広告を表示することがある」と述べていますので、PC版Googleでは画面の幅が広いので、生成AIの回答部分の右横にリスティング広告を表示する可能性があります。

《SGE実施後に想定される広告欄と自然検索の位置関係》


または、数か月前にテスト的に自然検索結果部分の中間辺りにリスティング広告を表示しているという報告もありましたので自然検索結果の中に広告を混ぜる可能性もあります。

《自然検索結果の中に広告を混ぜたパターンの予想図》


現在、Googleは複数のユーザーグループにわけて様々な広告の表示方式を試して、ユーザーからのフィードバックを収集していると言われています。

いずれにしても、10年以上にわたって維持してきたリスティング広告と自然検索結果の棲み分けにGoogleがこうした大きな変化を起こそうということと、SGEが実施されて検索結果ページの一番上に生成AIによる答えを表示した時にも広告の収益を減らさない工夫をしようとしていることだけは確かです。

今後も、Googleが年内に正式導入すると発表したSGEの動向から目を離すことが許されません。

「関連記事」というリンクはSEOにマイナスになることが多い!正しいリンク先の選び方

2024年03月29日


ウェブサイトをGoogle検索で上位表示させるためのコンテンツ改善において、「関連記事」のセクションにあるリンク先ページの選定は、ユーザー体験に大きな影響を与える要素です。本来であれば、ページのメインコンテンツに関連性があるページにサイト内リンクを張ることは上位表示にプラスに働きます。

何故なら、ユーザーがメインコンテンツを読んでいる時に、そこに書かれている事に関する関連性が高い記事へのリンクをクリックする可能性が高いからです。Googleは検索結果ページからリンク先のウェブページに遷移したユーザーがそのページだけを見て、検索結果ページに戻ることを「直帰」として判定するからです。

直帰されたということはリンク先のサイトにはそのユーザーにとって役立つページが他になかったことを意味します。反対に、検索結果ページからリンク先のウェブページに遷移したユーザーが、そのページからリンクされている他のページを見た場合は、サイト滞在時間が長いと認識します。

《ユーザーが1ページだけ見て直帰した例》


《ユーザーが複数のページを見て直帰しなかった例》


サイト滞在時間が長いと認識されたサイトはユーザーが望んでいるコンテンツが存在しているとGoogleが認識してサイト全体を高く評価します。それによりそのページの検索順位は上昇するようになっています。

つまり、Googleはたくさんのユーザーが長時間滞在しているサイトを高く評価するのです。たくさんのユーザーが長時間滞在するための工夫の1つが、ウェブページ内に「関連記事」というセクションを設置することです。それによりユーザーが1つのページを見てGoogleに直帰するのではなく、他のページも見てくれる確率が高まりサイト滞在時間を引き伸ばすことが目指せます。

こうした理由から、多くのサイト運営者は、自社のウェブページ上に関連記事というセクションを載せるようになってきています。一部のサイトはそうすることにより、サイト滞在時間が伸びてGoogleの検索順位を高めることに成功しています。しかし、大多数のサイトは関連記事というセクションを載せても検索順位が上がってはいません。

それどころか、関連情報を削除したら検索順位が上がったという現象が起きています。何故、関連情報を載せることにより、順位が高くなるページと、高くならないページがあるのでしょうか?



その理由は、関連情報のセクションに載せるリンク先の情報が実際にはメインコンテンツの記事のテーマと関連していないことが多いからです。例えば、私のクライアントの歯科医院のウェブサイトでの例を挙げると、以前は関連記事が7件掲載されていましたが、実際にはページのテーマとは直接関係のない内容であったため、これらはノイズとしてGoogleに認識されていました。ノイズというのはメインコンテンツのテーマと関連性が無い、あるいは非常に低いテーマのコンテンツまたはリンクのことを指します。

メインコンテンツのテーマが「インプラント 治療費」だったとします。その場合、このページの関連情報のセクションに載せるリンク先はインプラントに関するページであれば何でも良いのでしょうか?

例えば・・・
・インプラント 意味
・インプラント 失敗
・インプラント ブリッジ
・インプラント 寿命
にリンクを張っても良いのでしょうか?

いいえ。それではそのユーザーにとっての関連性は高いとは言えません。何故なら、その「インプラント 治療費」というキーワードで検索したユーザーはインプラントの費用について知りたいのです。お金のことが知りたいのです。

そのようなニーズを持っている人たちに

・インプラント 意味
・インプラント 失敗
・インプラント ブリッジ
・インプラント 寿命

というテーマの4つのページにリンクを張ってもリンクをクリックしてくれる確率は高くはなりません。

ではどうすればクリックしてくれる確率を高めることが出来るのでしょうか?それは・・・

・インプラント 相場
・インプラント 医療費控除
・インプラント 保険適用
・インプラント 料金表

などのお金についてのページにリンクを張ることです。

これこそが、「インプラント 治療費」というお金について心配をしているユーザーにとってニーズが高いテーマです。ニーズの高いページへのリンクがクリックされる確率が高まります。

このことを理解すれば、リンク先ページの選定は慎重にしなくてはならないということが見えてきます。もしも現在あなたのページからメインコンツと関連性が低いページにリンクを張っているならば、それらの削除すべきです。そうすることで、リンクのクリック率が高まるだけでなく、サイトを訪問したユーザーが抱くあなたのサイトへの印象がよくなり、ユーザー体験が向上します。

ウェブサイト運営者は、自分が見せたいものよりも、ユーザーが本当に必要としている情報やコンテンツを優先するべきです。多くの場合、運営者が重要だと思っているものが、実際にはユーザーにとっては望ましくないものであることが多いのです。したがって、ウェブサイトのコンテンツ改善においては、ユーザー中心のアプローチを取ることが重要です。これにより、サイトの品質を高め、より良いユーザー体験を提供することができるでしょう。そしてそのご褒美としてGoogleはあなたのページの検索順位を高めてくれるのです。


リンク集ページはオワコンなのか?Googleがリンク集ページを嫌う理由

2024年03月24日


ウェブサイト運営における「リンク集」の取り扱いについて、いくつか重要なポイントがあります。リンク集とは、他のウェブサイトへのリンクを集めたページのことですが、これがSEOにおいて評価されにくいコンテンツであることを理解する必要があります。

「リンク集」とは、あるウェブサイトが他の外部ウェブサイトへのリンクを一覧形式で集めたページのことを指します。これはインターネット初期から存在するもので、ウェブサイト間のユーザーの移動を容易にし、ユーザーに役立つ情報源へのアクセスを提供する手段として使用されてきました。

リンク集の目的にはいくつかありますが、1つは情報の共有です。リンク集は、特定のトピックや関心事に関連する資料、サービス、関連サイトへのガイドとして機能します。これにより、ユーザーは自分の興味や必要に応じて追加の情報を簡単に見つけることができます。

リンク集の2つ目の目的は、利用者の便宜を図ることです。ウェブサイト運営者が選んだ質の高い情報資源へのリンクを提供することで、訪問者が求める情報を素早く見つける手助けをします。


リンク集が低品質コンテンツになりやすい理由


このようにリンク集というのは、インターネットが始まったときから人々が利用する便利なツールとして使われてきましたが、「ある存在の登場」によりその役割は終わりに近づくようになってきています。

最近、皆さんの中でサイトのリンク集を見た人はどれだけいるでしょうか?以前に比べてリンク集を使わくなってはいませんか?あるいは、サイト運営をしている方の中で、リンク集を持っている人や企業がどれだけいるでしょうか?昔はどのサイトを見ても、メニューの最後のほうに「リンク集」だとか、「お役立ちリンク集」、または「便利リンク集」、「関連リンク集」というリンクを見かけたものですが、最近はほとんどみかけなくなってきています。そして何よりも、リンク集自体がGoogleなどの検索エンジンにほとんど「一切」と言って良いほどかからなくなってきているのではないでしょうか?



先ほど述べた「ある存在の登場」というのはGoogleの登場と普及のことです。Googleほど優秀なリンクは無いはずです。ユーザーが自分が探していることをキーワード入力欄に入力すれば最新のリンク集、それもそのユーザーが見たいと思っている順番に表示されると言って良いほど精度が非常に高い便利なリンク集を検索結果ページとして作成してくれます。



一般的なリンク集には様々な問題があります。1つは情報が古いことが多いという点です。ユーザーはいつも最新のサイトの情報を求めるものであって、決して何年も前の古い情報を見たいわけではありません。ほとんどのリンク集がサイト運営者の手によって運営されているという制約があるため、情報が古くなりがちです。



しかし、リンク集のSEO上の最大の問題点は、その内容の「独自性が低い」というところにあります。多くのリンク集は、他のサイトの名前やURLを単に羅列しているに過ぎず、これにより独自の価値を提供していないと見なされるのです。また、サイトの紹介文が書かれていたとしても、その紹介文は詳細先のサイトからコピーした文章であったり、他のサイトに書かれている紹介文のコピーであることが多いため、オリジナル文章であることは非常に少ないという点もSEO上の問題になります。


リンク集があるサイトはどうすれば良いのか?


このようにリンク集のコンテンツには独自性が低いことから、自社サイト内にリンク集を持つ場合は、これを1ページ程度に限定することが望ましいといえます。もし多数のウェブサイトへのリンクを紹介したい場合でも、2ページ程度に留めるべきです。ただし1つのページにたくさんのサイトを掲載しても構いません。私が自分のクライアントによく言うのは、500サイトくらいまでなら1つのリンク集ページに載せても構わないということです。1つのページからたくさんのサイトにリンクを張っていても残念に思う人はほとんどいないからです。



相互リンク集は特に低品質コンテンツだと判定される


特に注意すべきは「相互リンク集」の存在です。これは、互いにリンクを貼り合うことでページランクを高めようとする手法ですが、Googleはこのようなやり方を嫌います。過去にはこの方法が効果的であったものの、2012年以降、Googleは総互リンク集にペナルティを課すようになりました。総互リンク集を持っている場合、これはすぐに削除するべきです。Googleによるペナルティを避けるためにも、他サイトとのリンクは真の価値があるものに限定し、相互リンク集のような慣行は避けるべきです。



Googleは以前より、SEO目的の相互リンクをやめるように様々なところで言っています。Googleの公式サイトにある「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」というページでGoogleは:
「過剰な相互リンク(「リンクする代わりにリンクしてもらう」)や、相互リンクのみを目的としてパートナーページを作成する」という行為を避けるように勧告しています。他者からのリンクを評価するGoogleにとって他者からのリンクが簡単に増えてしまう性質を持つ相互リンクというのは邪魔な存在でしかないからです。



Googleはリンク集の存在を全面否定するようになったのか?


インターネット上で絶大な権力を握ったGoogleは一方的にリンク集の存在を全面的に否定するようになったのでしょうか?いいえ。そのようなことはありません。Googleはサイトのテーマと関連性があり、ユーザーにとって有益なサイトのリンク集の存在は否定していません。Googleが否定するのは過剰な相互リンクと内容が薄くて古い情報ばかりのリンク集です。

しかし、それでもリンク集がSEOの役に立たないという理由や、多くのユーザーがGoogleをリンク集という利用するようになったため昔ながらの古いスタイルのリンク集を求めるユーザーはほとんどいないはずです。

ではリンク集は完全に消えてしまうのでしょうか?いいえ。実はリンク集は別の形に生まれ変わって人々に使われるようになってきています。その別の新しい形というのは、私達がよく見る「まとめサイト」や「ランキングサイト」のことです。

これらのサイトは「XXXXのおすすめカフェ16選」だとか、「新宿の美味しい焼肉屋ランキング」というようなパターンのページです。これらはサイト運営者が単に外部サイトにリンクを張るものではなく、実際にライターが複数のお店を取材して商品・サービスを体験して記事を書いているものです。こうした実体験が伴ったまとめサイトやランキングサイトがとても人気です。



このように古いスタイルのリンク集はその役割をGoogleという全自動で最新情報を表示するロボット型検索エンジンに譲り、新しい形のリンク集として蘇ったのです。



もし皆さんの中で本気でリンク集を運営したという方はぜひこうした新しいリンク集を作ることをおすすめします。また、SEOで少しでも自社サイトを有利な状態にしたい場合は、リンク集を設置しないか、したとしても1ページか、2ページだけのオリジナル情報がたくさん含まれたものを作るということを考えて見てください。




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