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サブドメインがSEOに与える影響とは?複数サイト運営時に注意すべきポイント

2024年11月15日

同じドメイン内にサブドメインや複数のディレクトリを使ってサイトを作成する場合、SEOにどのような影響があるか気になる方も多いでしょう。特に、サブドメイン内のコンテンツの質がメインサイトに与える影響や、注意点については誤解が多いポイントです。今回は、サブドメインやディレクトリがSEOに与える影響と、複数サイト運営時に気を付けるべきポイントについて解説します。


1. サブドメインサイトとメインサイトはお互いに影響を与える


サブドメインは、メインドメインの前に任意の文字列を追加して作成されるもので、別のコンテンツやサービスを提供する際に役立ちますが、SEOの観点からは、サブドメインサイトとメインサイトが互いに影響を及ぼすことが重要なポイントです。

サブドメインサイトがメインサイトに影響を与える理由


サブドメインも同じドメインルート(例:suzuki-clinic.com)に紐づいているため、サブドメインサイト内のページの質がメインサイトに影響を与えることがあります。たとえば、サブドメインサイト内のコンテンツが低品質だとGoogleは全体的な評価を下げる可能性があります。逆に、良質なコンテンツを提供していれば、メインサイトの評価が高まることもあります。

サブドメインサイトのコンテンツがSEOに影響する具体例


たとえば、メインサイトがクリニックの情報提供を中心としている場合、サブドメインで運営する「オンラインショップ」や「ブログ」などのページも品質が問われます。もしオンラインショップが低品質なコンテンツやスパム的な投稿を多く含むと、メインサイトの評価も低くなる可能性があります。

サブドメインサイトのコンテンツがメインサイトのSEOに与える影響をより具体的に理解するために、以下のような例を考えてみましょう。

具体例 1 クリニックのメインサイトと健康商品を扱うサブドメインサイト


メインサイトが「鈴木クリニック」として医療情報や診療内容を紹介しているとします。そして、サブドメインとして「shop.suzuki-clinic.com」を設けて、健康商品やサプリメントを販売している場合を考えます。このサブドメインサイトで扱う商品ページの内容が薄く、誇張広告やスパム的なリンクが含まれていた場合、Googleは「不信感のある情報源」と判断し、メインサイトである「鈴木クリニック」の評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。

反対に、サブドメインのオンラインショップで、商品の科学的根拠や利用者の信頼できるレビューが詳しく掲載されている場合、メインサイトの信頼性も高まり、SEO評価が上がる可能性があります。

具体例 2 教育サイトとオンライン講座を提供するサブドメインサイト


メインサイトが「ABC学習センター」として各種教育プログラムを提供しているとします。このメインサイトに対し、サブドメイン「courses.abc-learning.com」で特定の科目のオンライン講座を運営している場合を考えます。ここで、サブドメインサイトに掲載された講座が未更新で古い内容のまま、講師の情報が曖昧であったり、過剰な広告が表示されていると、ユーザーは「信頼できない」と感じます。結果として、メインサイトの信頼度も下がり、検索順位が低下するリスクがあります。

逆に、講座内容が最新の学術情報に基づいており、講師の実績や詳細なコース説明が掲載されている場合、サブドメインサイトだけでなくメインサイト全体の評価も向上するでしょう。

具体例 3 飲食店のメインサイトとサブドメインのレシピブログ


メインサイトが「XYZレストラン」の情報サイトで、店舗情報やメニュー、予約サービスを提供しているとします。このメインサイトのサブドメインとして「recipes.xyz-restaurant.com」を作成し、人気メニューのレシピや調理のコツを紹介するブログを運営している場合を考えます。このブログが低品質で、内容が短く調理手順が曖昧だったり、無関係な広告が多いと、メインサイトの信頼性も損なわれる可能性があります。

一方、ブログが料理に関する豊富で有用な情報を提供し、ユーザーにとって役立つ内容であれば、検索エンジンは「XYZレストラン」を信頼性の高い情報源と判断し、メインサイト全体の評価が向上します。

これらの例からわかるように、サブドメインサイトのコンテンツの質がメインサイトのSEOに大きく影響します。


2. サブドメインサイトとメインサイトの評価は相互に影響する


サブドメインサイトとメインサイトの評価は相互に関係しており、どちらかが低品質と判断されると、もう一方に悪影響を与える可能性があります。

サイト全体の評価が影響する仕組み


Googleはドメイン単位でサイト全体の信頼性や権威性を評価します。そのため、メインサイトやサブドメインサイトがどちらか一方で低評価を受けた場合、同じドメイン内の他のページやサイトにも影響が出ることがあります。逆に、メインサイトが評価を得ていれば、サブドメインサイトの評価も上がりやすくなります。

高品質なコンテンツで相互評価を高める


サブドメインサイトとメインサイトの評価を高めるには、どちらのコンテンツも高品質であることが重要です。例えば、メインサイトが専門的な情報を提供していれば、サブドメインサイトでも同様に信頼性の高い情報を発信することが、ドメイン全体のSEO評価を向上させる鍵となります。


3. サブドメインサイト運営で注意すべきポイント



サブドメインを活用してサイト運営する際は、以下の点に注意して運営することが推奨されます。

各サイトで品質の高いコンテンツを提供する


サブドメインで作成するサイトでも、ユーザーにとって価値のある内容を提供するよう心掛けましょう。具体的には、各サブドメインサイトごとにオリジナルコンテンツを用意し、メインサイトと一貫性のあるテーマで運営することで、信頼性が高まります。

カノニカルタグを適切に設定する


複数サイトで類似した内容を投稿する場合、カノニカルタグを使用してメインサイトをオリジナルとする設定を行うことが重要です。これにより、Googleに「どのページが本物か」を伝えることができ、重複コンテンツのリスクを避けられます。

カノニカルタグを適切に設定する重要性を理解するために、以下のような具体例を挙げてみましょう。

具体例 1 企業のメインサイトと地域ごとのサブドメインサイト


ある企業が全国展開しており、メインサイト「example.com」に全国共通の商品情報を掲載しています。同時に、地域ごとのサブドメイン「tokyo.example.com」「osaka.example.com」などで地域限定のキャンペーン情報やサービスも提供している場合を考えます。これらの地域ごとのサブドメインサイトに、メインサイトの製品情報ページと同じ内容が含まれていると、Googleがどちらを優先して評価すべきか迷い、重複コンテンツとして扱われるリスクが生じます。

この場合、各地域のサブドメインサイトにあるページに「カノニカルタグ」を設定し、「example.com」のメインページをオリジナルとして指定することで、Googleに「こちらが正規のページである」と伝え、メインサイトの評価を維持できます。

具体例 2 ECサイトのメインページとキャンペーンページ


ECサイトが定期的に特定の商品に関するキャンペーンを行い、メインサイト「shop.com」のほかに、キャンペーンごとの専用ページ「shop.com/campaign」で似た内容を表示している場合を考えます。メインページとキャンペーンページが同じ商品説明を含むと、重複コンテンツとみなされる可能性が高まります。

そこで、キャンペーンページに「カノニカルタグ」を追加し、メインページ「shop.com/product」をオリジナルとすることで、Googleにメインページが正規の内容であることを伝えられます。これにより、重複コンテンツのリスクを避け、メインページのSEO評価が保たれます。

具体例 3 会社案内ページの重複を避けるためのカノニカルタグ


企業が複数のサービスを展開し、それぞれのサービスに専用のサイトやサブドメインサイト(例:「finance.example.com」「consulting.example.com」)を持っている場合、各サービスサイトに共通の会社案内ページを持つことがあります。この場合、メインサイト「example.com」にはオリジナルの会社案内ページが掲載されており、各サービスサイトで同じ内容の会社案内ページを持つと、重複コンテンツとして扱われるリスクがあります。

このような場合、各サービスサイトの会社案内ページに「カノニカルタグ」を設定し、「example.com/about」をオリジナルとして指定することで、Googleに「メインサイトのページが本物」であると明確に伝えられ、重複コンテンツの影響を防げます。

これらの例のように、カノニカルタグを適切に設定することで、重複コンテンツのリスクを避け、メインページの評価を守ることが可能になります。

サブドメインサイトとメインサイトで異なるテーマや内容にする


メインサイトとサブドメインサイトの役割を分けることで、ユーザーにも検索エンジンにも異なる価値を提供できます。たとえば、メインサイトでクリニックの基本情報やサービス内容を詳述し、サブドメインでブログやオンラインショップのような補完的な内容を展開することで、重複コンテンツを避け、SEO効果が高まります。

サブドメインサイトとメインサイトで異なるテーマや内容を持たせ、役割を分けることがSEO効果にどのようにプラスに働くか、以下のような例で説明します。

具体例 1 クリニックのメインサイトとサブドメインを使った健康ブログ


あるクリニックがメインサイト「clinic.com」で診療内容、医師紹介、アクセス情報などを提供しています。このクリニックが「blog.clinic.com」というサブドメインで健康に関するブログを運営する場合を考えます。

メインサイトの内容
診療メニュー、クリニックの紹介、治療方針、予約システム、所在地など、クリニックの基本情報とサービス内容にフォーカス。

サブドメインサイトの内容
「生活習慣病の予防方法」や「日常でできる健康管理法」など、医療に関する一般的な情報を提供するブログ。

このようにテーマを分けることで、メインサイトはクリニックの情報提供に特化し、サブドメインサイトは健康アドバイスや生活に役立つ情報を発信する役割を果たします。これにより、ユーザーは必要な情報を見つけやすくなり、重複コンテンツのリスクも避けられ、SEO評価も向上しやすくなります。

具体例 2 旅行会社のメインサイトとツアー特化型サブドメインサイト


旅行会社がメインサイト「travelcompany.com」で企業情報やサービス内容を提供し、「tours.travelcompany.com」というサブドメインサイトでツアー情報に特化したページを展開している場合を考えます。

メインサイトの内容
会社概要、予約システム、問い合わせ窓口、旅行保険の案内など、旅行会社としての基本的なサービスや情報。

サブドメインサイトの内容
「国内外のおすすめツアー」や「季節ごとの特集ツアー」など、特定の地域やテーマごとに分かれたツアー紹介と詳細情報。

この場合、メインサイトでは旅行会社としてのサービス全体の情報を提供し、サブドメインはツアーの魅力を深く紹介するサイトとして活用できます。このように役割を分けることで、ユーザーは旅行に関する総合的な情報と特定ツアーの詳細情報の両方を得やすくなり、SEO的にも良い評価が期待できます。

具体例 3 大学のメインサイトと学術論文データベースのサブドメインサイト


ある大学がメインサイト「university.edu」で入学情報や学部紹介、大学の基本情報を提供しており、「research.university.edu」というサブドメインで学術論文のデータベースを公開している場合を考えます。

メインサイトの内容
大学の概要、学部・学科紹介、入学案内、学生生活の案内など、大学に関する一般情報。

サブドメインサイトの内容
「大学の研究成果」「教授や研究者による学術論文」「研究プロジェクトの概要」など、学術・研究に特化した情報のデータベース。

このように内容を分けることで、メインサイトでは大学全体の案内に特化し、サブドメインサイトは学術的なデータベースとして機能します。こうすることで、ユーザーが各サイトで異なる価値を得られるため、利便性が向上し、検索エンジンからもテーマが明確で評価されやすくなります。

これらの例のように、メインサイトとサブドメインサイトの役割を分けて異なるテーマでコンテンツを展開することで、ユーザーにも検索エンジンにも明確な価値を提供できます。


まとめ


サブドメインサイトとメインサイトは、ドメイン全体でSEO評価が影響し合うため、どちらのコンテンツも質を重視することが重要です。各サイトごとに役割を明確にし、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することで、全体のSEO評価を高められます。サブドメインの活用と適切な管理で、サイト全体のSEO効果を最大限に引き出しましょう。






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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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