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長いリダイレクトチェーンを避けることによりクロールのスピードを向上させる方法

2024年11月27日

ウェブサイトを運営していると、ページの移動や削除に伴い、自動転送(リダイレクト)を設定することがしばしばあります。しかし、リダイレクトが複数回行われる「リダイレクトチェーン」を発生させると、Googleのクローラーが効率的にサイトを巡回できなくなり、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。今回は、リダイレクトチェーンがクロールのスピードに与える影響と、その解消方法について解説します。


リダイレクトチェーンとは?


リダイレクトとは、あるURLにアクセスした際、自動的に別のURLに転送する仕組みです。たとえば、ウェブページAが移動した場合、訪問者や検索エンジンがページAにアクセスすると、ページBに自動的に転送されます。これは非常に便利な機能で、サイト内のリンク切れや404エラーを防ぐためにもよく使用されます。

リダイレクトが1回なら問題ありませんが、複数のリダイレクトが連続して行われると「リダイレクトチェーン」が発生します。たとえば、ページAからページBに、さらにページBからページCに転送するような状況です。このようなリダイレクトチェーンが長くなるほど、クロールの効率が悪くなり、最終的にはページが適切にインデックスされない可能性があります。

リダイレクトチェーンが生じると、Googleのクローラーはそのチェーンをすべて追いかける必要があり、クロール時間やリソースを消費してしまいます。結果的に、クロールバジェット(サイトに割り当てられたクロールの時間)が無駄に使われ、他の重要なページがクロールされにくくなってしまうのです。

リダイレクトチェーンがクロールスピードに与える影響


Googleは各ウェブサイトに対して「クロールバジェット」という概念を導入しています。クロールバジェットとは、Googleのクローラーが1つのサイトに費やすことができるクロールのリソースや時間のことです。リダイレクトチェーンが長くなると、クロールバジェットが無駄に消費され、他のページがクロールされる頻度が下がってしまいます。
たとえば、リダイレクトが1回なら問題ありませんが、2回、3回と連続して行われると、その分クローラーが移動する時間がかかり、サイト全体のクロールパフォーマンスが低下します。特に、頻繁に更新されるサイトや、数百ページ以上の規模があるサイトでは、リダイレクトチェーンを放置することはSEOに悪影響を及ぼす可能性が高くなります。


リダイレクトチェーンの解消方法



1. リダイレクトチェーンを特定する


まず、リダイレクトチェーンがサイト内に存在するかどうかを確認する必要があります。これには、いくつかの方法があります。

(1)Googleサーチコンソールの活用


サーチコンソールの「ページ」レポートでリダイレクトエラーやクロールの問題を確認できます。リダイレクトチェーンが原因でクロールできないページがあれば、警告が表示されます。



(2)SEOツールの利用


Screaming FrogやAhrefsなどのSEOツールを使用すれば、サイト内のリダイレクトチェーンを自動的に検出することができます。特に、Screaming Frogは無料でも一定の範囲で使用でき、リダイレクトチェーンを簡単に確認できます。

2. リダイレクトをシングルにする


リダイレクトチェーンを発見したら、なるべくリダイレクトを1回に減らすようにします。たとえば、ページAからページBにリダイレクトされ、その後ページCにリダイレクトされる場合、ページAから直接ページCにリダイレクトするように設定し直します。

(1)シンプルなリダイレクト設定


リダイレクトはシンプルにするのが最善です。ページAから直接最終目的地のページCに転送することで、クローラーが無駄なステップを踏むことなく、効率的に巡回できるようになります。

(2)継続的なメンテナンス


サイトの更新やページの移動が頻繁に行われる場合、定期的にリダイレクト設定を見直し、チェーンが発生していないかチェックしましょう。特に、サイトリニューアルやURL構造の変更を行った後は、リダイレクトチェーンが発生しやすいので注意が必要です。

3. 301リダイレクトの適切な利用


リダイレクトを設定する際、恒久的なページ移動には「301リダイレクト」を使用しましょう。301リダイレクトは、SEOにおいてページの評価やリンクジュース(ページの権威)を移転先に引き継ぐことができ、検索順位に悪影響を与えることなくリダイレクトを行うことができます。

4. サーバの引っ越しやリニューアル時のリダイレクトチェーン防止策


サーバの移転やサイトリニューアル時に、リダイレクトチェーンが発生することが多いです。特に、古いURLを新しいサイトに転送する際、何度もリダイレクトを行うケースが増える傾向があります。これを防ぐためには、サイトのリニューアルやURL構造の変更を行う前に、リダイレクトの設定を綿密に計画し、シンプルなリダイレクトで済むようにすることが大切です。

サイトリニューアルを行う場合、URL構造を完全に変更する際に、リダイレクトの設定を正確に計画しましょう。特に、旧ページから新ページへのリンクがシンプルになるように設計します。サイトをリニューアルした直後は、テスト環境でリダイレクトチェーンが発生していないか確認することが重要です。これにより、予期せぬエラーや無駄なリダイレクトを事前に防ぐことができます。


まとめ


リダイレクトチェーンは、サイトのクロールスピードに悪影響を及ぼし、クロールバジェットの無駄遣いにつながります。これを防ぐためには、リダイレクトをシンプルにし、チェーンが発生しないように設定を見直すことが大切です。また、サイトリニューアル時やサーバの移転時には特に注意し、クロールの効率を最大化できるようにリダイレクト設定を最適化しましょう。適切なメンテナンスと設定によって、クロールスピードを向上させ、検索エンジンでのパフォーマンスも向上させることが可能です。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

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