HOME > アルゴリズムアップデート > Googleはサイト滞在時間を見ていた!サイト滞在時間が長いと検索で上位表示しやすくなる
このエントリーをはてなブックマークに追加

Googleはサイト滞在時間を見ていた!サイト滞在時間が長いと検索で上位表示しやすくなる

2024年07月16日

Googleは検索結果ページからリンクされているサイトにユーザーが遷移した後のサイト滞在時間を測定しているのか?これは長年にわたって世界のSEOプロフェッショナルの中で論争を呼んでいた疑問です。Googleは公式に「サイト滞在時間は見ていない」と発言していましたが、最近になってこの論争に終止符が打たれました。


サイト滞在時間とは?


サイト滞在時間とは、サイト訪問者がサイトに滞在した平均時間のことを いいます。 サイト滞在時間が長ければそれだけそのサイトに価値のある情報が多い はずだという理論で、サイト滞在時間が長いサイトのほうが短いサイトよりも人気があるとGoogleが判断してサイトの評価が高まると一般的に信じられています。Googleは特に公式にサイト滞在時間が長ければ長いほどサイトの評価が高くなるとは公表していません。

しかし、Googleが何らかの形でサイト滞在時間のデータを収集して、検索順位を決める際に利用しているのではないかと思わせる重要な情報が2つあります。

1つ目の情報は、「暗黙のユーザーフィードバックに基づく検索結果の順位の変更」(US10229166B1)というGoogleが取得した特許情報です。

《US10229166B1の特許情報》



この特許によれば、Googleはユーザーの行動を詳細に分析し、ページの人気度を評価しているということです。

その方法は、検索結果ページに表示されている各サイトへのリンクをクリックしたユーザーが何秒間で戻ってくるかを記録するという方法です。この時間の計測に基づいて、クリックを以下の4つのカテゴリーに分類しているということです。

(1)ショートクリック


ショートクリックは、ユーザーがリンクをクリックして短時間で検索結果ページに戻ってくるクリックです。短い滞在時間(例:10秒)は、ユーザーがページの内容に満足しなかったことを示唆します。例えば、ユーザーが期待した情報が見つからなかったり、ページの内容が魅力的でなかったりする場合です。ショートクリックが多いページには低いスコアが与えられ、検索順位も低くなります。

(2)ミディアムクリック


ミディアムクリックは、滞在時間が短くもなく長くもなく、その中間の時間(例:50秒)です。ユーザーが一定の興味を示してページを閲覧したことを示しており、ショートクリックよりも高いスコアが与えられますが、ロングクリックほどではありません。

(3)ロングクリック


ロングクリックは、ユーザーがリンクをクリックしてから検索結果ページに戻ってくるまでの時間が長いクリック(例:3分)です。ユーザーがページの内容に非常に満足し、詳細に閲覧したことを示します。このため、ロングクリックが多いページには高いスコアが与えられ、検索順位も高くなります。

(4)ラストクリック


ラストクリックは、ユーザーが検索結果ページに戻らないクリックです。これは、ユーザーがそのページに完全に満足し、他の検索結果を見る必要がないと感じたことを示します。ラストクリックが多いページには、最高のスコアが与えられます。

《4つの種類のクリックの概念図》



Googleは、これらのクリックの種類と推定サイト滞在時間を用いて、どのページがユーザーに気に入られたか、気に入られなかったかを推測していると考えられます。ショートクリックが多いページは検索順位が下がり、ロングクリックやラストクリックが多いページは検索順位が上がる仕組みです。これにより、ユーザーにとって有益なページが上位に表示されるようになるため非常に公平で合理的な評価方式だと言えます。ただし、Googleがこうした内容の特許を登録しているかといって実際に検索順位を決める際に使っているということにはなりません。


Googleの検索アルゴリズム漏洩事件


しかし、Googleがサイト滞在時間を測定し、そのデータを検索順位を決める際に実際に使っている、または使っていたということを示す事件が起きました。

Googleが何らかの形でサイト滞在時間のデータを収集して、検索順位を決める際に利用しているのではないかと思わせる2つ目の情報です。それは、2024年5月に複数のニュースメディアで報道されたGoogleの検索アルゴリズム漏洩事件です。




漏洩した文書の中には「goodClicks」、「badClicks」、「lastLongestClicks」、「unsquashedClicks」など多種多様なクリックデータが収集されていることが明らかになりました。これはまさに、ショートクリック、ミドルクリック、ロングクリック、ラストクリックと同じような概念です。この文書には他にも、Googleが検索結果上のクリック率を順位算定に使っているということや、Googleが無償で配布しているChromeブラウザを使っているユーザーがどのようなサイトのどのようなページを見ているかというデータまで収集していことなど、これまでGoogleが公式に否定して事が事実であったことが裏付けられるものが多数ありました。




このようにGoogleは私達が想像する以上にコンテンツの人気度を精緻なアルゴリズムとデータ収集体制を敷いて評価しています。

サイト滞在時間を伸ばすためにはわかりやすい情報を十分な量だけサイト内の各ページに掲載することが必要です。そして、検索ユーザーが検索結果ページ上にあるリンクをクリックして訪問したランディングページから関連性の高いページにわかりやすくリンクを張ることが必要になります。


まとめ


サイト滞在時間が長いと、ユーザーがそのサイトの内容に満足していることを示し、結果として検索順位が向上する可能性が高まります。Googleは公式にサイト滞在時間を検索順位に反映しているとは公表していませんが、特許情報や最近の検索アルゴリズム漏洩事件から、サイト滞在時間が間接的に評価に影響を与えていることが示唆されています。コンテンツの質を向上させ、訪問者がサイトに長く滞在する工夫をすることで、検索順位の向上を目指しましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
                    
鈴木将司の最新作品
プロフィール
一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

フォローしてSEOを学ぼう!
X facebook insta tiktok youtube
<< 2024年 07月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事