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パンダアップデート

同じテーマのページを1つのサイトに複数作っても良いのか?

2017年07月29日

セミナーやコンサルティング中にいただくご質問に「同じテーマのページを1つのサイトに複数作っても良いのか?」というものがあります。

何故そのような疑問が生じるのかというと、長い間サイトを運営していると書くネタが無くなる気がするからでしょう。

例えば、「腰痛治療 +(地域名)」で上位表示を目指している整体院のサイトを運営している院長先生が自分でこれまで、腰痛の原因、腰痛の治し方、腰痛治療の流れ、腰痛治療の料金、腰痛治療のQ&Aなど腰痛治療に関するページを作成してサイトにアップしたとします。最初のうちは書くネタをGoogleキーワードプランナーや、キーワードサジェストツールなどを使って見つけることが出来たとしても、そのうちそれらの複合キーワードをテーマにした記事を書き尽くすことがあります。

そうすると1つの大きな誘惑が生じます。それは、腰痛治療とは関係の無い他の治療、例えば、頭痛のことや、坐骨神経痛などのことを書きたくなるというものです。

Googleは専門性の高いサイトを高く評価するので、腰痛のことだけを書いたサイトだったらそのサイトのトップページをその言葉で上位表示してくれやすいのですが、他の症状をテーマにしたページを増やせば増やすほど腰痛の専門サイトではなくなってゆくので半年、1年、長い場合でも2年くらいすると「腰痛治療 +(地域名)」でトップページの検索順位が落ちやすくなります。

ではどうすれば良いのかというと、頭痛のことや、坐骨神経痛などの治療が重要な商材ならば、それらはそれぞれ別々の専門サイトとして立ち上げ、これまで「腰痛治療 +(地域名)」で上位表示を目指してきたサイトには、過去に書いたテーマと同じテーマでも良いので記事を追加するのです。

例えば、過去に「腰痛の治し方」についてのページを作っていたとしても、AAAの場合の腰痛の治し方、BBBの状況の方の腰痛の治し方、CCC・・・ というようにより細分化したテーマにして「腰痛の治し方」についてのページを増やせば良いのです。

このように過去に書いた事があるテーマのページを増やすコツの1つは「対象の細分化」という考え方です。この考え方である程度までページ数を増やすことが出来ます。

対象の細分化の切り口としては:

(1)状況
(2)職業
(3)職場環境
(4)地域
(5)国籍
(6)性別
(7)年収
(8)正確
(9)体質
(10)体型
(11)病歴
(12)性格


など様々な切り口があります。

2つ目の増やし方のコツは「時間軸の細分化」です。

時間軸の細分化の切り口としては:

(1)歴史(遠い過去、近い過去、現在、近い未来、遠い未来)
(2)1日の中の時間帯(朝、昼、夕、夜、深夜)
(3)年齢(赤ちゃん、幼児、子供、成年、成人、中年、シニア)


などがあります。

3つ目の増やし方のコツは「書き手を変える」という方法です。

全く同じテーマの記事でも、その記事を書く人によって異なった見方、考え方、経験、知識があるので全く同じ文章を書くことは有りえません。

院長さんがすでに書いてしまった記事でも、助手の方、受付の方などそれぞれ立場や性別が異なれば異なったアングルの記事が書けるはずです。

こうして様々なアングルで書かれたページは、それぞれのページの本文の下に

【関連情報】

という見出しを載せてその下からリンクを張れば、ユーザーは関連情報を見るのが好きなので、平均ページビュー、サイト滞在時間が伸びて直帰率は減り、Googleからのサイトの評価がさらに上がり、検索順位アップに貢献するはずです。

どのような業種の方も、どのような状況の方もこうしてアングルや書き手を変えることによって深みのある豊富な情報がある最強のWebサイトが作れるはずです。

そしてその事自体が、同じようなことばかりが書かれている競合他社のサイトとの差別化にもつながり、お客様に選ばれるサイトになりやすくなるはずです。

数年前から言われるようになった「コンテンツマーケティング」、、、。この言葉が普及した今、サイト運営者同士のコンテンツ制作競争に終わりはなくなりました。

どうせやるなら楽しみながら、自分自身の、会社自身の知識を高めるためにこの競争に参加し、最後まで勝ち残って下さい。

過去に書いたブログ記事のせいで上位表示出来なくなる原因と復旧対策

2017年07月22日


SEOコンサルティングをしていて最近よく見かける問題が、何年も前から書いていたブログ記事のせいで検索順位がどんどん下るという問題があります。

Googleは公式には発表していませんが、6月末にGoogleで大きな順位変動がありました。そのタイミングで文字数が少ないブログ記事が大量にあるWebサイトの検索順位が下がるというケースが多発しました。

文字数が少ないブログ記事というのは具体的に何文字かというと800文字未満しか本文が書かれていないページのことです。

よく見かけるケースがお店やクリニックの・・・

・定休日のお知らせ
・社員研修による臨時休業のお知らせ
・どんな花を飾ったのか
・もうすぐクリスマス
・商品入荷の事務的な案内


というようなブログ本来のテーマではない、うちうちのお店に来る人にしか関係が無い事務的な情報や、そこで働いている人以外関心が持てないうちうちのおしゃべりのようなテーマはほとんどの場合、300文字前後の希薄なコンテンツです。

そもそもの話になりますが、今日のブログ読者がブログ記事に要求するレベルは飛躍的に高くなり、本や雑誌レベルの情報の質が求められていることを知らなくてはなりません。コンテンツマーケティングという役に立つコンテンツを企業が無料で提供して自社サイトのアクセスを増やすというやり方が普及し、企業のPR戦略は年々難易度を高めているのです。

GoogleSEOの世界でもこの数年で大きな変化が起きました。コンテンツの品質を厳しくチェックするパンダアップデートが導入されたのは2011年です。今から7年くらい前にこうした希薄なコンテンツが多量にあるWebサイトの評価をGoogleは下げるようになり、それにより検索順位が下るようになりました。

この7年間で見過ごされてきた、あるいは見逃されてきた希薄なコンテンツしか無い代表例であるこうした内容のブログ記事が遂に追求されるようになったのです。Googleは約7年かけてこのレベルに到達しました。

もはや一刻の猶予も許されません。サイト内に設置したブログに過去何年にも渡って300文字程度の希薄な内容のブログ記事を投稿してきた企業に残された選択肢は次の3つです:

1、文字数が少ないブログ記事を見つけてそれらにコンテンツを追加する

2、文字数が少ないブログ記事を見つけてそれらだけを削除する

3、ブログそのものをサイトから削除する

この中で最も安全なのは、「1、文字数が少ないブログ記事を見つけてそれらにコンテンツを追加する」という選択肢です。文字数が少ないなら文字数を追加すれば十分な文字数になり、記事ページを削除することは無いからです。

しかし、内容を追加するにしても定休日のお知らせだとか、どんな花を店舗に飾ったのかという商品と関係の無いテーマのブログ記事の場合、一体何を書いたらよいのでしょうか?非常に難しいはずです。

そこで現実的な対策に感じるのが「2、文字数が少ないブログ記事を見つけてそれらだけを削除する」という選択肢ですが、多くの場合、全てのページがこうした読者にほとんどメリットの無いうちうちの記事ばかりが投稿されているため100%近くのページが文字数が少ない記事です。それだと結局1の選択と同じ問題が生じます。

では3つめの「3、ブログそのものをサイトから削除する」はどうかというとサイト内に例えば1000ページあり、そのうちの8割の800ページが内容が薄いブログであるというようなことがよく有り、そうなるとサイト内にあるページの80%近くを削除することになります。

そうなるとさらに検索順位が大きく落ちるリスクが生じます。何故ならGoogleはサイト内にある大量のページを削除すると何故か様々なキーワードの検索順位を下げることが多いからです。

Webサイトの構造は人間の体と似ているところがあります。

Webサイトにある1つ1つのページはサイト内リンクによって密接につながっています。
それは人体にある細胞同士がつながっていることや、様々な臓器が血管によりリンクされているのと非常に似ています。

人体とWebサイトの共通点は、一気に複数の細胞(Webページ)を切除すると体を維持できなくなり健康体ではなくなるというところです。

私はこれを「オールドページの復讐」と呼んでいます。
読者のことを考えずに、ただサイト内にSEO目的という動機のために作られたWebページが将来、サイト管理者に復讐するのです。

何の愛情もかけられず、サイト運営者の利己的な欲望のためにだけ作れたWebページはその存在すらサイト運営者にも、サイト訪問者にも見られることなく忘れ去られてしまいます。

自分のことを思い出してもらうために将来、検索順位ダウンの原因となることでサイト運営者に思い出してもらおうとするかのようです。

これはとても悲しいことです。こうしたことを二度と繰り返さないためにも、新規作成するWebページ、ブログ記事には十分な愛情を注ぎ、それを読む読者にも愛情を注ぎ役立つコンテンツを載せるようにして下さい。

そうすれば必ず悪循環ではなく、好循環、善循環が生まれて御社のWebサイトの上位表示が約束されるはずです。

ではサイト内に設置したブログ記事の全てが文字数が少ないコンテンツが希薄なページである場合は、結局どうすることが最も安全で効果的なのか?

それは、「徐々にブログ記事を削除して、新しいお役立ちページと差し替えていく」という方法です。
ブログ記事を1ページ削除したらすぐに新しいお役立ちページを1ページ追加して悪い細胞と減らし、良い細胞を増やすという考え方です。

さらに安全を期すためには、Googleアナリティクス等のアクセス解析ログで自社サイトのページビューランキングをチェックして意外にアクセス数のあるブログ記事を見つけたらそのページは削除せずに、文字数が800文字以上になるように文章を追加するのです。そうすれば其のページが稼ぐであろうページビューを失うことは無いでしょうし、文字数を増やすことによりもっと検索順位が上昇する可能性が増します。

こうした対策を取れば急激にサイト内のページが減ることはなく無理なく徐々にサイトの質が高くなり、順位が下る可能性は非常に低くなります。

文字数の少ないブログページをたくさん抱えてしまいどうすれば良いのか迷っている方はこの無理の無い最も安全な方法を検討して下さい。

上手く行くことを祈っています!

『レビュー』という新しい評価基準が今後Web集客で重要になる!

2016年08月10日
米国のSEOニュースサイトのSearch Engine Journalが『Yelp and TripAdvisor Lash Out at Google Over Recent Change to Restaurant Searches』(Yelpとトリップアドバイザーが最近のGoogleによるモバイル検索のレストラン検索を避難)(2016年8月8日)というニュースを報道しました。



これはどういうことかというとGoogleが最近になってモバイル版Googleの検索結果の上位にGoogleの子会社であるレストラン評価サイトのZagatの情報の露出を増やしたことが不公平だという事です。

Googleはこのところ以前にも増して検索結果上に自社が提供している情報を非常に目立つように表示するようになり、それまでそうした情報を自社サイト上で提供していたサイトの訪問者が減るという損害が増えています。

例えば「今日の天気は」と言葉で検索すると検索結果の上部にいきなり天気予報の情報が表示されます。それにより天気予報の情報を提供したサイトのアクセスは減ることになります。



今回のニュースは私達Web管理者に次の3つの新しいルールを教えてくれます:

1、自社サイト上で単純な情報を提供することによりアクセスを増やすことが困難になってきている
→ 独自ノウハウ、独自取材、独自調達をしていないどこにでもあるような情報を自社サイト上で提供しても、それだけでは事業は成り立たない。他社が真似できない独自性のある情報を提供しなくてはアクセスを獲得出来なくなってきています。
今後は独自ノウハウ、独自取材、独自調達をすることにより著作権的にもプロテクトされる情報を生成、発信しなくては自社サイトのアクセスをGoogle等の検索エンジンに奪われる可能性がるということです。

2、消費者のレビュー情報に対するニーズが高まってきている
→ レストランの評価というのは口コミ情報の一つであり、レビュー情報のことです。
最近、米国の消費者はサイト上にあるお客様の声を信じなくなってきていると伝えられています。何故ならサイト管理が自分に都合の良いレビューばかりを載せるので客観的というよりは主観的なものに成り下がってきている。そのため地域ビジネスの口コミサイトのYelpや、宿泊施設と飲食店の口コミサイトのトリップアドバイザー等サイト運営者以外の第三者が運営するレビューサイトの人気が高まっている

3、アップルの独自検索エンジンSpotlight検索の重要な情報源になってきている
→ もう一つの最近の傾向としてはアップルの独自検索エンジンのSpotlight検索ではYelpやトリップアドバイザー、日本では食べログのレビュー情報の数が多かったり、評価が高いサイトが検索の上位に表示されるようになってきているというものです。

私は今、東京の新橋にいますがiPhoneの通知画面の上にあるSpotlight検索で「ラーメン」というキーワードで検索したら食べログでレビューが多いサイトが3件中2件も表示されています。



アップルは旧来のアルゴリズムを使っているGoogleとは違った検索結果を提供するためにこうしたレビューサイトの情報を検索順位を決める上で重要な情報源としています。

今回のニュースは表面上はGoogleが独自サービスをモバイル版Googleの検索結果上で目立つようにさせたため一部のレビューサイトが噛み付いているだけのものに見えます。

しかし、その背景には次のIT企業の覇権争いの渦になるレビュー市場での争いの理由が見えてきます。

私達Webサイト管理者は、今後自社サイト上にある自分都合のお客様の声はもはや力を失いつつあることを認識しなくてはなりません。そして第三者のレビューをたくさん集める取り組みをしなくてはなりません。そうしないと気がついた時は追いつけないくらいの膨大なレビューをライバル会社が獲得してしまうことでしょう。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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