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Web業界の動向
一体ヤフーショッピングは今後どうなるのか?中途半端なモールのままなら早めに閉鎖するべし!!
2015年05月29日
今日、ヤフーショッピングが中国の消費者を対象にする新しいサービスを発表しました。『ヤフーは中国でインターネット通販に乗り出す。中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団と組み日本製の日用品や化粧品の販売を今夏にも始める。まず日本企業100社がヤフーを通じてアリババのサイトに出店する。中国のネット通販市場は日本の5倍の約50兆円でアリババのシェアは6割を超す。ヤフーはアリババの集客力や物流・決済システムを利用して中国市場を開拓する。』(2015/5/29 日本経済新聞 朝刊)
これは日本企業がヤフーショッピングで商品を出品すると同時に提携先のアリババのTモールに同時出店するというサービスです。中国で人気の高いベビー用品や化粧品、家電製品などを中国人観光客に売るかのようにネット上で販売するという思惑のようです。
ヤフーショッピングはこれまで:
・出店料金の無料化
・外部サイトへのリンクの解禁
という大胆な改革をして出店企業を急速に増やしました。
しかし、それによりそれまで出店手数料を払ってやっとの思いでビジネスを築き上げてきた既存のショップの存在感が薄れ、モール内での競争が起きてしまい既存店の売上を減らすということをしてしまいました。
モール主催企業のさじ加減ひとつで出店企業の売上や、利益は大きく変動するということを思い知らされるという結果になりました。
ヤフーショッピングのようなオンラインショッピングモールの数は今日激減してしまい、かつては雨後の筍のように林立してた時代が嘘のように思えるほどです。
結局勝ち残ったのは楽天市場、ヤフーショッピング、アマゾン・マーケットプレイスとその他ほんの一握りのオンラインショッピングモールだけになってしまいました。
誰でもショッピングモールやポータルサイトは開こうと思えば開くことが出来ます。
何故なら物理的に開くだけなら、必要な物は独自ドメイン、レンタルサーバー、CMS(コンテンツマネージメントシステム)とショッピングカートだけです。
しかし、結局ショッピングモールで勝ち残ったところはそれら表面的なものだけではなく・・・
(1)トラフィック獲得力
(2)物流力
の両方を持っているところだけになりました。
アマゾンマーケットプレイスはどのようにトラフィックを獲得しているのというとSEO対策、リスティング広告、ディスプレイ広告の他に強大なアフィリエイターのネットワークを構築しています。
有名な話ですが、インターネットのアフィリエイトのシステムを最初に考案して実施したのはアマゾンだと言わるほどでたくさんのブログや情報サイトにはアマゾンのアフィリエイト広告が張られておりそこには本の表紙とタイトル、家電商品など様々な画像と商品名が表示されています。
アマゾンの物流力は世界最高レベルのものであり在庫管理システムの企業を買収したり、天文学的な資金を世界の巨大な物流センターに投資をして他社の追随を許さないほど突き抜けています。
楽天もアマゾンをなぞるようなトラフィック獲得戦略をとっていますが、アマゾンとの際立った違いは楽天銀行、楽天証券などの巨大な金融帝国と連携しポイントシステムを軸にした楽天経済圏を築き上げています。その勢いはアジアを始め世界に拡大しています。
こうした2大巨頭の後塵を拝するのがヤフーショッピングです。
主催者側のヤフーショッピングも儲かるわけでもなく、儲からないわけでもなく、なんとなく継続しているとしか思えないように見えます。
時々経営トップが発表する奇抜な新機軸を発表するものの結果がともなわずに尻切れトンボになることがよくあるように見えます。
ヤフーの1ファンとして言わせてもらいたいのが、ヤフージャパンの強みはトラフィック獲得力です。
物流会社のノウハウや設備はありません。
ヤフージャパンはIT企業です。
巨大な倉庫を運営する会社ではありません。
当然提携することによりそうしたインフラは獲得出来るでしょうが、そこに強みが無い限り長続きはしないのではないでしょうか?
ヤフージャパンの強みはトラフィック獲得力と言いましたが、問題はどうやってそうしたトラフィック(アクセス)を獲得することが出来るのかというと「まとめる力」が抜群だからです。
ヤフーの成り立ちは元々ヤフーカテゴリ(海外ではヤフーディレクトリ)というリンク集です。
その優れたリンク集が評価されヤフーは世界に広がっていきました。
そしてその後何がヒットしたかというと新聞社のサイトからニュース記事を低コストで調達してニュースのまとめサイトであるヤフーニュースです。
このように他人の情報をまとめる編集力がヤフーの強みなのです。
その他のヤフー不動産、出会い系サービスなども他人の情報をまとめて検索しやすくするという「まとめる力」が発揮されるものばかりです。
では、ヤフーショッピングはどうでしょうか?
情報をまとめるだけで済む仕事ではありません。
1つ1つの出店企業はそれぞれが全く違った状況、考え方の独立した商店です。
これらの商品情報をまとめあげても、そこから商品を申し込んだ消費者に喜ばれるサービスを提供しなくてはなりません。
それは「接客力」です。
最近アップルの接客の力の高さが周りで話題です。パソコンの使い方がわからなくてサポートに電話すると良い意味で期待に反してすぐに担当者さんに繋がり「全力でサポートします!」という掛け声のもとに賢明にサポートしてくれるそうです。
サポートを受けた人たちは感動して口コミをしているくらいです。
アップルはハードウェアばかりに力を入れているとてっきり思い込んでいたので驚きました。レクサスの店に入ったことはありませんが、恐らくレスサスや高級ホテルのような接客レベルの高さなのではないでしょうか?(これはパソコン部門のサポートだけかも知れませんが)
スティーブ・ジョブズが復帰する前に一度は潰れかけたアップルが現在そこまでの接客レベルでサポートを提供していると聞いて感動しました。
アップルほどの接客力はないとしても、そこでお客様に申し込みをしてもらったとしても迅速に当日配送を実現するためには物流に対する膨大な投資が必要になります。(実際には個々の店が商品に関しては接客をするにしてもショッピング全般の事はモール主催者側であるヤフージャパンがしっかりと提供しなくてはなりません)
これもヤフーの強みとは関係の無いものです。
ドライな米国ヤフーは何年も前にYahoo!Shoppingは閉鎖しています。
ただ、ヤフージャパンも親会社のソフトバンクも賢い会社ですので、意味があってヤフーショッピングを運営しているはずです。
うまくいっていっていないヤフーショッピングをここまで長年運営しているのには別の意味があるはずです。
それはショッピング客のトラフィックを集めてかれらに広告を見せてスポンサーから広告料金を取る事業モデルです。
広告を売るためにあえて運営がむずかしいショッピングモールを運営しているのではないでしょうか?
実際に2年前にヤフージャパンが発表したヤフーショッピングの無料出店化の会見で会長の孫正義さんが「これからは広告モデルでいく」と言っていました。
あるいは巨大なオンライン金融帝国を築き上げた楽天のように決済、金融で儲けようとしているはずです。
そうした意図があるのはわかりますが、情報をまとめるのが上手な会社が増えてきています。
たくさんの個人のまとめ人に報酬を払ってクラウド的にまとめサイトを運営しているNAVERまとめや、先日上場したスマホアプリのニュースまとめサイトのグノシーなどかつてヤフージャパンが得意だったトラフィック獲得手法を部分的に特化して追い上げてきています。
いずれにせよ自社の強みを活かしてヤフージャパンさんにはさらに成功していただきたいです。
アメリカ流のGoogleとは違い、日本の文化に馴染んで根を下ろしているヤフージャパンにはGoogleに負けないようにがんばって欲しいです。
まとめる力 → トラフィック獲得力 → 自らの強みを活かす
というシンプルな事を極めてまた輝く存在になって欲しいです。
少なくともGoogle一極集中というとんでも無い流れに一矢を報いて欲しいです。
Googleと提携している場合ではありません!
ただ、先日少しだけ希望を持てる事が報道されました。
それはGoogleでNo2の幹部だった元Google副社長のニケシュ・アローラ氏がヤフージャパンの会長に今年の6月から就任するというものです。
Googleから経営幹部を引き抜いてヤフージャパンの会長、そして親会社のソフトバンクの将来の総帥になるのではとまで言われています。
Googleの経営ノウハウを今度はヤフージャパンに逆流させて欲しいです。
以上ですが、私達ウェブサイト運営者にとっての教訓は・・・
・自社の強みを見つけてそれを伸ばすこと
・それにレバレッジをかけて提携先を集め、共に業績を伸ばすこと
この2つに尽きると思います。
インターネットはサーバーとサーバーをつなぐネットワークですが、インターネットビジネスは企業と企業をつなぐネットワークです。そしてそれが出来た時に初めて企業とその顧客を繋ぐネットワークになります。
そのことを忘れずにお互いにがんばりましょう!
追伸:
で、結局ヤフーショッピングはどうすれば良いのかというと中途半端なショッピングサイトの提供は廃止して、ショッピングカートだけを希望者に無料で貸し出し、個々の独自ドメインのショップをヤフーの編集者が「まとめて」ショッピング雑誌のように紹介して無料でリンクを張るのです。
さらにヤフーの検索結果はGoogleのものを使わせてもらっていますが、そこにちゃっかりヤフーショッピングのカートを使っているショップのサイトにだけヤフーショッピングカートの安心マークを表示するのです。
そして取引が成立したら決済手数料を数パーセントもらうのです。
また、Googleショッピングのようにショッピング系のキーワードだと検知したら右上に写真入りでたくさんの商品リンクを張り広告を買っている企業に送客をしてヤフーショッピングカートと検索結果上の広告の両方で儲けるのです。
そうすればこれまでTカードと提携したり、様々な魅力的なサービスと提携した事も活かすことが出来るはずです。
(このやり方はGoogleが以前試したものですが今度は真似をし返して改善を加えるのです)
そうしてヤフーショッピングはショッピングカートと、ショップの紹介だけに特化すればうまくいくはずです。
出店企業もこれなら商品ページをヤフーショッピング内で作らなければならないという無駄が省けて少しは楽になれるはずです。
そうなることを個人的に祈っています。
スマホ対応サービスを提供できない制作会社は顧客に選ばれなくなる
2015年05月26日
『Googleが日本のウェブ制作会社に要求する6つ目の条件』は・・・「6. モバイルサイトの立ち上げ後の改善作業を契約内容に含める
ユーザーからのフィードバックやウェブ解析のデータを収集し、 それらを反映してサイトを改善することが必要となります。」
というものです。
サイトを作ることは非常に重要なことですが、作った後がもっと重要ということでしょう。
サイトを作るという事は:
(1)WHO?:どのような状況の人たち、つまり見込み客の特性、状況を定義する
(2)WHAT?:その人達に対してどのようなサービスを提供するのかを決定する
(3)WHY?:何故その人達はそれが必要なのか?
などの要素を事前に仮説を立てて、その仮説に基づいてプレゼンテーションをするということでしかありません。
そのプレゼンテーションが完璧なものであれば良いのですが、ほとんどの場合完璧なものは作れません。
何故なら
(1)WHO?:が想定とは違っている属性の人たちであるということがわかった
(2)WHAT?:が想定とは違っているものだということがわかった
(3)WHY?:商品購入の理由付けがわかりずらかったり、ズレている
などの理由のため思ったような結果が出せないからです。
その時はどうしても仮説に基づいたプレゼンテーションであるサイトを変えていかなくてはなりません。
その時に役立つのがアクセス解析ログです。これはPCサイトだけではなく、スマホ対応サイトにも必要なことです。
これからウェブサイトを造り本格的にWebで商品やサービスを売っていきたい方は先ずこの事を最初に知る必要があります。
それはサイトを作ることは全体の1以下であり、残り99以上の時間と努力、お金はサイト立ち上げ後の改善作業に費やすという現実を理解して実践するということです。
特にスマートフォンユーザーを対象にする場合、次の点に注意する必要があります:
(1)スマートフォンユーザーがスマートフォンで検索して探しているコンテンツは果たしてPCユーザーがパソコンで検索する情報と全く同じなのか?
(2)スマートフォンユーザーがスマートフォンで検索して探している商品・サービスは果たしてPCユーザーがパソコンで検索するものと全く同じなのか?
という2点です。
この2点を考慮しながら今後はスマホ対応したサイトの運営を考えていかねばなりません。
レスポンシブWebデザインにサイトをしてGoogleの検索結果に「スマホ対応」という印が表示されてもそれはHTMLソースがスマホ対応しているということであり、そのサイトのコンテンツが商材がスマホ対応しているということを示すものではありません。
私はこうしたことを具体的に分析、提案するセミナーを5月から始めました。
『スマートフォンSEO緊急対策』セミナー
https://www.web-planners.net/smartphone-seo.html
というセミナーです。
すでに東京会場は5月、6月は満員になりましたが、本日8月に急遽東京と、大阪で追加開催することになりました。
また、名古屋、福岡の会場では開催予定はありませんでしたが、開催内容を変更して名古屋、福岡では7月に開催することにしました。
未だの方はスマートフォンSEOと、その先にあるスマートフォンのコンテンツSEO、スマートフォンのトラフィックSEOを提案させていただきますのでセミナーを受講なさって下さい。
本日も先ほどコンサルティングの時間が終了したところですが、会話の6割近くがすでにスマートフォン関連のお話です。
恐らく、スマートフォンユーザーの数がもっと増えてスマートフォンユーザーこそが主要なネットユーザーになる時には会話の8割以上がスマートフォンSEOとそのマーケティングになると思います。
これまで6回にわたって当ブログで『Googleが日本のウェブ制作会社に要求する6つの条件』について書かせていただきましたが、結論は・・・
『スマホ対応サービスを提供できない制作会社は顧客に選ばれなくなる』
です。
これを受け身として捉えれば苦痛と感じるでしょうが、積極的に捉えれば滅多にない業績アップのチャンスです。
ウェブ制作会社の方はぜひ主力商品としてスマホ対応サービス、そしてその先に有るクライアント企業の商材と会社そのもののスマホ対応サービスを先達である楽天、Google、ヤフー、リクルート、カカクコムその他スマホシフトをして業績を伸ばしている企業などを参考にしつつ実現してあげてください。
そしてその結果ウェブ制作会社さんの事業がスマホ対応されて必ず業績は伸びるはずです。
ご成功をお祈りしています。
4つのシフト+1で自社サイトの売上を拡大する
2015年05月25日
今回も前回に引き続きイオングループの4つのスローガンのうち4つ目の・・・「デジタルシフト」について考えてみたいと思います。
「デジタルシフト」の意味は・・・
(1)これまでコンピューター化をしていなかった商店がコンピューター化をすることにより競争が激化する
(2)消費者がコンピューターを活用して合理的な消費活動をするようになった
という2つの面があります。
(1)これまでコンピューター化をしていなかった商店がコンピューター化をすることにより競争が激化する
インターネットが出現した1994年からほんのつい最近まで全ての企業がインターネットを活用してはいませんでした。
保守的な企業や業界の人たちはインターネット活用をするためのコンピューター化を先延ばしにしていましたが、国内経済が縮小するにつれてそれまでのアナログオンリー、紙媒体、TV、ラジオ、雑誌、新聞等のオールドメディアオンリーでは自らの業績を伸ばすどころか維持することさえ困難な事に気が付きました。
そしてこのほんの数年でビジネスプロセスの多くをコンピューター化して、インターネットも積極的に活用しようとしています。
私が講師をしているセミナーでもそうした方々が近年非常に増えていらっしゃいます。
こうしたことにより何が起きるかというと誰よりも早く自分の業界でインターネットやSEO対策を活用していた企業やお店の優位性がダウンするということです。インターネットビジネスの先行者利得が減っていくのです。
そうした方は気を引き締めて初心に戻りさらに優位性を得るための努力が必要とされます。
(2)消費者がコンピューターを活用して合理的な消費活動をするようになった
デジタルシフトは売り手に変化だけではなく、購買者である消費者の変化のことでもあります
これまで紙媒体やマスメディア、生の口コミで情報を得ていた人たちが真の意味でのパーソナルなコンピューターであるスマホを使い、いつでもどこでも情報を収集するようになりました。
本屋に行っても欲しい本が見つかった時それがアマゾンの電子書籍を販売しえいるキンドルストアで売られえいるかチェックして売られていたら即購入ボタンを押してそのままスマホで読むことが出来る時代です。しかも紙の本よりも若干電子書籍のほうが安くなっていることが多いくらいです。
近所の井戸端会議で情報交換をすることから、LINEで情報交換をして購買決定をする人も増えてきています。
デジタルシフトに対応するために私達ウェブサイト運営者に求められることは:
1,現在、過去、未来の社内の情報、販促情報をウェブサイトに載せてインターネット上で情報発信をすること
2,自社スタッフの働きぶりを見てもらうためになるべく多くのスタッフがブログを更新して情報発信をすること
3,採用活動は従来の高額な紙媒体ばかりを使うのではなく、ウェブでも行うこと
4,自社サイトの全ページをスマホ対応して増えゆくスマホユーザーをいつもいつも第一優先順位のオーディアンスとして捉えること
5,消費者が情報交換する新しいメディアであるソーシャルメディアを可能な限り活用して自社情報のタイムリーな発信と受信者の情報共有を促すこと
6,新商品、新サービスの発売時にはネット広告ばかり利用するのではなく、プレスリリース代行会社を利用してウェブのメディアで告知してもらうことを目指すこと
など少し考えただけでも最低6つはあります。
以上がイオングループが提唱する業績拡大のための4つのスローガンである「アジアシフト」「都市シフト」「シニアシフト」「デジタルシフト」の4シフトです。
これら4つのシフトを束ねるためのもう一つのシフトがあります。
それは当ブログで何度も申し上げている「スマホシフト」です。
イオンが昨年話題を作った格安スマホがありましたが、イオンの格安スマホを購入する人たちの多くがシニア層だったということです。
1人一台の真の意味でのパーソナルなコンピューターはパソコンでなく、スマホです。
パソコンはファミリーで供給するファミコンであり、オフィスで同僚や上司にも見られて共有されるオフコンでしかなかったのです。
パーソナルなコンピューターは結局スマホです。
4つのシフトを引き起こすための究極のツールがスマホです。
御社の全ページをスマホ対応する事が求められていますが、HTMLをスマホ対応するだけでは全く不十分です。
コンテンツの内容、品揃え、売り方などの面でもスマホ対応に取り組みこの時代の大きな変化をチャンスに変えて下さい。
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