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2020年05月17日

オリジナルの情報・レポート・研究結果はGoogleで上位表示しやすい!

2020年05月17日


前回のレポートではコアアップデートで順位が下がったサイト運営者のためにGoogleが「サイト評価リスト」というセルフチェックリストを公表したことを述べました。

今回は、「サイト評価リスト」の全文から見えてくるGoogleが検索順位を決める上での方針転換とは何か?そしてセルフチェックリストの1つ目について考えてみます。

「サイト評価リスト」の全文から見えてくるGoogleが検索順位を決める上での方針転換


Googleが発表した「サイト評価リスト」の全文を見るとGoogleが検索順位を決める上での大きな方針転換をしたことが見えてきます。

「サイト評価リスト」の全文を見てみましょう。

【サイト評価リストの全文】

1、《コンテンツと品質に関する質問》

・コンテンツはオリジナルの情報、レポート、研究結果、あるいは分析か? 

・コンテンツはそのトピックに対して相当な、完全な、あるいは包括的な説明を提供しているか? 

・コンテンツは見識ある分析、または至極明白に興味深い情報か? 

・コンテンツが他の情報ソースから得られたものである場合は、単にコピーしていたり、リライトしただけのものではなく、相当量の付加価値と独自性を提供したものになっているか? 

・ページの見出し、または表題がそのページのコンテンツを正確に描写し、読者の理解を助けるまとめになっているか? 

・ページの見出し、または表題が誇大表現ではなく、かつ不必要に感情を揺さぶるものではないか? 

・自らがユーザーの立場としてそのページをお気に入りに入れたり、友人にシェアしたりおすすめしたくなるコンテンツか? 

・そのコンテンツは印刷された雑誌や百科事典、書籍の中で紹介されてもおかしくないものか? 

2、《専門性に関する質問》

・そのコンテンツは人が信用したくなるような情報を提供しているか? そしてそれは明確な情報ソース、必要とされる専門知識に基づいた証拠、著者やサイト運営者という背景を示すために著者紹介ページや運営者情報にリンクを貼っているか? 

・もし自分がコンテンツを制作したサイトをリサーチした場合、そのトピックにおいて深く信頼出来るか、あるいはその権威が広く認識されていると言えるか? 

・そのコンテンツは証明可能な専門家、あるいは愛好家が書いたと言えるか? 

・そのコンテンツには間違った事実が無いと簡単に確認が出来るか? 

・そのコンテンツは人々の経済や命に悪影響を与えないと言えるか? 

3、《プレゼンテーションと制作に関する質問》

・そのコンテンツにはスペルミスや文体上の間違いが無いと言えるか? 

・そのコンテンツは良く作られていると言えるか? またはずさんで慌てて作られたとは言えないか? 

・そのコンテンツは人々の経済や命に影響を与えない・そのコンテンツは大量生産されていた、あるいは多数のクリエイターに外注されたものであるとは言えないか? あるいは多数のサイトに流用されたコンテンツであり個々のページあるいはサイトが注目に値しないものではないか? 

・そのコンテンツには過剰な量の広告があり、メインコンテンツをユーザーが閲覧することを邪魔しないか? 

・そのコンテンツはスマートフォン等のモバイル機器でも問題なく見ることが出来るか? 

4、《相対的な質問》

・そのコンテンツはGoogleの検索結果ページに表示される他のサイトと比べた時に相当な価値を提供していると言えるか? 

・そのコンテンツはサイト訪問者が持つ純粋な知的好奇心を満たすものか? あるいは単に高い検索順位を獲得するためだけに作られたコンテンツか? 


サイト自己評価リストの「結論」は?


以上の質問を全世界のサイト運営者に投げかけると同時に、Googleは以下の4点を確実に推進しようとしています。

(1)コンテンツの品質に対してこれまでに無いディープなチェックをするようになった

(2)専門性の低い著者または運営者が制作したコンテンツがあるページの検索順位は下げる

(3)コンテンツ以外にもWebデザインなどページの見やすさ、使いやすさもサイトの品質の一部として重要視するようになった

(4)年々レベルアップしている他社のサイトと比べて相対的に上位表示する価値のあるサイトであるかを判断するようになった

たとえば「インプラント 大阪」といった競争の激しいキーワードで検索すると、これらの条件から外れてしまうサイトは上位表示されなくなりました。



繰り返しになりますが、現在のGoogleが課している条件から外れてしまうと上位表示は望めません。

「悪いことをしているつもりがない」場合でも、「自分の好きなように作っているサイト」「なんとなく、適当に作ったサイト」の場合なら上位は無理になったのです。

この時を限りに、インターネット集客のルールが変わりました。それは・・・

「インターネットでは自由な発言を自由なスタイルで気軽に発することが出来る」

という文化です。

非常に残念ですが今のGoogle検索の世界だけでなく、Facebook等の大手SNSにおいては、自由な発言は無制限に自由なものは許されず、社会的責任という重石がつけられるようになりました。

このことは特にGoogle検索における健康や医療のサイトで顕著です。何故ならサイト上にいい加減なこと、間違っていることが書かれていたらそれにより被害者が生まれる恐れがあるからです。

Googleが巨大マスメディアと同等の影響力を持つに至った現在、Googleという検索エンジンの中に表示される情報にはこれまでに無いほどの高い質と信頼性が求められるようになったのです。

この変化に対応するためには・・・

1、サイト運営者は自らが運営するサイトが社会に及ぼす影響の重さを認識し、高い質と信頼性があるコンテンツだけを発信すること
2、クライアントのためにWebサイトを制作・運営する企業は、クライアントの言いなりになって情報を発信するのではなく、クライアントに対しては情報発信に伴う責任の重さを十分伝えること


少なくともこの2つは忘れてはなりません。

Google検索を使う、検索のエンドユーザーにとって安全で役立つ情報を発信しないとGoogleという検索エンジンで上位表示されるどころか、インデックスされることすら危ぶまれる時代が来たのです。

これが今回の非常に大きなGoogleの方針転換の内容です。


オリジナルの情報、レポート、研究結果はGoogleで上位表示しやすい


次に、Googleが発表した「サイト評価リスト」の中にあるチェック項目の1つ1つを検証して、具体的なサイト改善案を提案します。

1つ目のチェック項目は:

・コンテンツはオリジナルの情報、レポート、研究結果、あるいは分析か? 

という質問です。

「オリジナルの情報」、「レポート」、「研究結果」、「分析」という言葉は私達が日常よく聞く言葉だと思いますが、SEOにおいてはそれぞれに深い意味があります。1つ1つを深く考察してみましょう。

(1)オリジナルの情報


ここで言うオリジナルの情報の意味は「他のWebページには載っていない情報」です。この「オリジナルの情報」はSEOを目指す上でとても重要な武器になります。

よそのサイトにもよく出てくる情報ばかりを書き込むのはNG行為です。自分の会社・店舗として追加できるコンテンツを用意しないといけません。そのサイトならではの付加価値が必要なのです。

といっても、「全部をオリジナルで・・・」というのはほとんどの場合不可能でしょう。

100%オリジナルで無くても大丈夫です。問題はオリジナル情報のページ内での比率です。

下図のように、自社サイトの一部のページが(20%くらい)オリジナルでなくても、サイト全体にダメージが来る恐れはありません。


そこで:

「オリジナル情報」8:「コピー情報」2

くらいの目安を設けるとよいでしょう。

実例を見てみましょう。全日本SEO協会のブログ記事ページにおけるオリジナル情報部分とコピー情報部分の配分を見てみます。

下のブログ記事ページのスクリーンショットはGoogleのサイトに書かれていた文章のコピーです。



その翻訳がすぐ上に書かれていますが、翻訳は基本的にはオリジナル扱いです。ただし、翻訳した日本語コンテンツを載せるサイトが増えて来たらアウトです。

他人に先駆けて翻訳すればSEO的にはOKです。しかし他人よりもその翻訳記事をアップするのが遅くなると「他のサイトのコンテンツをコピーした」という扱いになりオリジナル情報にならない可能性が高まります。ということは「早い者勝ち」ということです。

この記事にはその後も、Googleサイトの原文と翻訳が出てきますし、画像もGoogle検索結果ページのスクリーンショットで、Googleから拝借したコンテンツなのですが8:2のルールを守っていますので現在でも上位表示しています。

さらに私のブログ記事ページをベースに、注意すべきポイントを図解してみました。



Googleはページのボディ部分(メインコンテンツが掲載されているページの主たる部分)だけを調べているのではありません。ヘッダー・フッター・サイドメニュー等も調べています。

これらのパーツは、気づかないうちにコピーコンテンツになりやすいので注意が必要です。 

いくらボディ部分に、8:2のルールを守ってオリジナルコンテンツが増えるように意識しても、サイドメニューにある各記事へのリンクはどうでしょうか? 

どの記事にも、これらのリンクはテキストリンクであり、それらテキストは全く同じ内容なので、複数の記事ページに全く同じテキストリンクが表示されてしまいます。 複数の記事ページに同じテキストが表示されると重複コンテンツとなりページの品質が下がってしまいます。Googleが高く評価するコンテンツはそのページにしか書かれていないオリジナルコンテンツです。重複コンテンツがあればあるほどGoogleはそのページの品質が低いと見做してページの順位が上がりづらくなってしまいます。

各記事のタイトルはまだ仕方ないとしても、「カテゴリ」はどうでしょうか? 

カテゴリはもちろん必要ですしユーザにとってもメリットがありますが……カテゴリの増やしすぎは避けたほうが良いでしょう。カテゴリのテキストリンクは「6つ以内」にまとめてみましょう。

記事数が少ないカテゴリは思い切ってカットしてしまうべきです。記事数が少ないのではユーザにとってもプラスになりません。

どうしても必要なカテゴリは残してかまいませんが、まずは無駄なカテゴリを減らすことを目指しましょう。

雑誌のサイトやYahooニュース等のサイトでは、各ページの下のほうに目をやると「関連情報」「関連記事」といったコーナーが設けられています。

しかし同じ関連記事や関連情報が他のページにも一様に表示されてしまうと、それもコピーコンテンツとみなされますので自重しましょう。

【ヤフーニュースの記事ページ例】



(2)レポート


レポートの掲載が上位表示のきっかけになることを、Google自ら明かしています! 

ところで、そもそもレポートの定義とは何かですが、レポートとは:

レポート=調査や研究等の報告書、自分の主張を書いたもので、他人に読んでもらうことを前提に書かれているもの

です。

自分自身の実体験がベースであるものは一次情報のレポートです。Googleは一次情報を高評価する傾向があります。

たとえば「大阪のUSJとL.A.のUSJの違いをレポートする」という場合でもOKです。特に、2ヶ所どちらにも自分自身で足を運んでから書くのであれば評価は上がります(他人の話を聞いて載せる場合では、二次情報とみなされるため評価は下がります)

従って、自分自身の体験であるならその点をアピールするのが一番です。例えば現地に行ったときの写真があるならなおさら質が高いレポートになります。

【レポートの例】



(3)研究結果


研究結果はレポートとの区別があいまいかもしれませんが、研究結果の定義とは・・・ 

研究結果 = 研究成果を伝えるための報告書で、序論(問題提起・仮説・目的)・方法・結果・考察・結論、で構成されることが一般的

というものです。レポートと共通しているのは、自分自身が研究した内容をWebサイト上に発表する場合でもOKだということでしょう。

したがって、各地の脱毛エステ店に行って、施術を受けてきた結果を次々に発表する場合でも、「そのサイトの作成者自身の、研究結果」とGoogle側には判断され、評価の対象となるのです。

アフィリエイトサイトでも、オリジナルの研究結果であれば立派に評価され、上位表示され得ます。

【研究結果の例】



(4)分析


この「分析」もまた、「レポート」「研究結果」との違いがはっきりしませんが、「分析」とは・・・

「分析」=物事をいくつかの要素に分け、その要素・成分・構成などを細かい点まではっきりさせること

です。ちなみに、コンテンツ量で比較すると、「レポート」「研究結果」よりも少なめの分量でも「分析」は成立する傾向があります。

例えば下の図で言うと、右側の「ロト6」のページは、グラフや表が大半を占めており、説明文は1行程度しかありません。

それでもこのロト6のページは、狙っているキーワードで上位表示に成功しているのです。ユーザの役に立っているからです。

【分析の例】



これで・・・

・オリジナルの情報
・レポート
・研究結果
・分析


4種類の説明が終わりましたが、これらはいずれもGoogleが高評価するパターンのコンテンツなので、Googleは上位表示しようとします。良質なサイトからもリンクを張ってもらえるチャンスが多く、被リンクの獲得という意味でも有利になります。

昨今の被リンク対策は、こちらから依頼して張ってもらうのでは大きな効果は期待できません。
不特定多数のネットユーザから、「このページは役立つからリンクしたい!」と思わせること。それが理想なのです。

たとえばリクルートやイーアイデムは、「転職希望者の意識調査」「会社員の意識調査」というような調査結果をサイト内にアップしています。これらのデータを欲するユーザはとても多いため、黙っていてもリンクを張ってもらいやすくなります。

リクルートやイーアイデムのような巨大企業ではない中小企業の場合はどうなのか? 日本は中小企業が全体のおよそ99%を占める国ですが、注目度の低い中小企業の場合が価値のあるデータを「レポート」「分析」といったニュアンスで自社サイト内に発表する場合は、ただアップロードするだけではいけません。

注目度を高めるために、以下の3通りの手段を使いこなして欲しいです。 


1、PR TIMESのようなプレスリリース配信代行会社に依頼をする


1回30,000円くらいの料金はかかりますが、新鮮な情報を求めているユーザが見に来てくれます。

数ヶ月後や数年後になっても、リンクしてもらえるチャンスが生じます。


2、自社のFacebookページやTwitterアカウント等のSNSから発信する


この方法は特にコストはかかりません。FacebookやTwitter以外にも、Instagram・LINE・YouTubeとさまざまな種類に応用可能です。

投稿するとき、元のWebページにリンクを張ることを忘れないようにしましょう。チャンスがあるなら、ハッシュタグを使うのも良い手です。

うまくいけば、投稿を見てくれたたくさんのアカウントがリツイートやシェアという形で拡散してくれたり、直接リンクを張ってくれることもあります。


3、Googleマイビジネスで発信する


Googleマイビジネスは、今急速に知名度が上がっているサービスで、Googleが力を入れています。

たとえば「一般社団法人全日本SEO協会 大阪本部」で検索すると・・・



検索結果ページの右側に大きく、概要が表示されます。これはまとまった情報コーナーでとてもわかりやすいのですが、これは「Googleマイビジネス」に登録した企業だけが受けられる特典です。

しかもこのように、1週間以内に投稿したばかりの投稿内容を紹介してくれます。



このおかげで、次の日に10数名のユーザがこの動画を視聴しにアクセスしてくれることがよくあります。何か新着の商品等の情報を掲載するコンテンツができたら、(1週間だけですが)このように目立つ形で検索結果の右側に表示して誘導してくれるのです。

Googleマイビジネスも無料で利用できるため、とてもおすすめの手段です。

以上が「サイト評価リスト」の全文から見えてくるGoogleが検索順位を決める上での方針転換とは何か?そしてセルフチェックリストの1つ目である「コンテンツはオリジナルの情報、レポート、研究結果、あるいは分析か?」という質問の真意です。

次回も引き続き、セルフチェックリストの各項目について解説させていただきます。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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