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2017年12月

Googleマイビジネスに登録することが希望地域名での上位表示への近道

2017年12月02日

これまで2回にわたって「たくさんの地域名で上位表示するにはどうすれば良いのか?」、その対策いついて解説してきました。
今回は最後の2つの対策について提案します。

1つ目の対策は、「その地域に拠点を築く」という方法です。

これは究極の対策であり、本来Googleが最も求めている条件です。
Googleは近年「Googleマイビジネス」というサービスに力を入れています。



ここに自社事業所の所在地情報、事業内容、自社サイトの情報を入力して正式登録することによりGoogleははっきりとその事業がその地域に存在することを認識します。

Googleは最近Googleマイビジネスに非常に力を入れています。考えられる理由はいくつかあります:
(1)Google検索に表示される企業サイトの所在地情報を認識して正確な検索結果、つまり特定の地域で検索された時に「だけ」その地域に実際に存在する事業者のWebサイトを表示するため
→ Googleは実際に各事業者がGoogleマイビジネスの登録画面に申告した住所に存在するのかを確認するためにパスコード付きのハガキを郵送します(他の本人確認の手段としては電話番号に自動電話をかけてパスコードを知らせるという手段もあります。その場合恐らく電話番号の名義を誰が持っていてその名義の事業所の住所を確認していると思われます)
Googleはこうした確認手段によりかなり正確に事業者が所在する住所を確認します。



(2)Google検索に以前に地図情報を表示させ、地図検索結果ページにリンクを張りユーザーを誘導してそこに表示される地図広告の売上を増やそうとしているから
→ 2017年後期くらいから、これまでGoogle検索で地図が表示されなかった検索キーワードでも地図が表示されるようになってきています。そして同時期にそれまで頻繁に表示されていたYouTube等の動画が表示されにくくなってきています。これはGoogleが広告売上を増やす重点領域をYouTubeからGoogleマップに変更したと推測出来ます。

このようにGoogleは「Googleマイビジネス」というサービスを使い特定の地域で検索された時に「だけ」その地域に実際に存在する事業者のWebサイトを表示することを目指していると思われます。

ということは、特定の地域名を含む検索キーワードで上位表示したければ、その地域に存在しているという証拠をGoogleマイビジネスを使ってGoogleに示す必要があるということです。

千葉県浦安市にある整体院が「整体院 千葉」だけではく、確実に「整体院 東京」でも上位表示したければ江戸川を渡って東京のどこかに支店を開くことが最善の策になります。

このことは同時にチェーン店が何故最近様々なキーワードで以前に比べてGoogleで上位表示するようになっているかの説明にもなります。チェーン店の方は支店毎にGoogleマイビジネスに登録することが確実な地域キーワード対策になります。

そしてチェーン店に負けないために単独店舗を運営している経営者がすべきことは支店を希望の地域で少しでも早く開くことです。

最近、自社サイトの上にたくさんの店舗の情報を掲載しているポータルサイトが表示されて困っている場合も、Googleマイビジネスに登録してその地域に存在していることをはっきりとGoogleに認識てもらうことが効果的な対策になります。

ポータルサイトの弱点の一つは1つ1つのページをGoogleマイビジネスには決して登録出来ないという点です。ポータルサイトに負けて悔しい思いをしている方は、すぐにGoogleマイビジネスに登録して本人認証を済ませて下さい。

資金的にどうしても今は支店を開設することが出来ないという場合、一つ考えられる対策があります。それは「上位表示を目指す地域にビジネスパートナーを募集する」という方法です。例えば自社が京都で庭のお手入れサービスを提供しているとします。そして「庭 手入れ 京都」で上位表示しているとします。

しかし色々とやってみても隣の県の地域名である「庭 手入れ 滋賀県」で上位表示が出来なかったとします。その場合は滋賀県で自社サービスを取り次いでくれるような代理店を募集するのです。そしてその代理店がGoogleマイビジネスに登録する時に庭の手入れサービスも提供していることを追記してもらえば代理店のサイトが上位表示して仕事を外注として依頼してくれる可能性が拓けます。

あるいは、それだけでは不十分な場合は、その代理店に庭の手入れサービスのWebサイトを独自ドメインで開いてもらい、その上でGoogleマイビジネスに登録するのです。そうするとその地域のコンテンツが増えて、リンクを張ってくれる被リンク元も増えてその地域名でのSEOが有利になることが期待出来ます。

全てを自前でする資本力が現在ない場合は、このように代理店のようなビジネスパートナーを募集して適正な紹介料金を払って事業を拡大することが可能なはずです。このやり方が上手く行けば代理店がいある地域は全て上位表示出来るのではないでしょうか?

以上が、「たくさんの地域名で上位表示するにはどうすれば良いのか?」、その対策についてです。

小手先のテクニックはGoogleにはもはや通用しません。知恵を絞って誰がどう見てもその地域の地域名を含むキーワードで上位表示されるべきだと思われる実態を作り上げていく必要があります。

ぜひ可能なところから着手して希望の地域名での上位表示を実現して下さい!

【Google公式発表】医療・健康サイトの検索順位が激変!信頼性の低いサイトは上位表示出来なくなった!?

2017年12月06日


Googleが2017年12月6日に重要な公式発表をしました。それは「医療や健康に関連する検索結果の改善について」というものです。



https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/for-more-reliable-health-search.html?m=1

この発表によるとGoogleは:

● 今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートした

● この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなる

● このアップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響する

● 医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行く

ということです。

実際に複数の医療健康関連のキーワードで検索すると確かに以前に比べると中小企業や個人のサイトではなく、大きな病院のサイト、医師が監修している情報サイト、製薬会社のサイト、大学のサイト、大手マスメディアのニュースサイト等が上位表示していることがわかりました。

《2017年12月6日大阪市北区で「がん」で上位表示したGoogleの上位10位検索結果》


《2017年12月6日大阪市北区で「腎臓」で上位表示したGoogleの上位10位検索結果》


ご覧のように実際に中小企業や個人のサイトではなく、大きな病院のサイト、医師が監修している情報サイト、製薬会社のサイト、大学のサイト、大手マスメディアのニュースサイト等が上位表示している傾向が非常に高いことがわかります。

特に有名な製薬会社のサイトがアップデート前に比べて著しく上位表示していることがわかります。

今回のアップデート前とアップデート後のBeforeAfterの一例をあげると:

《2017年11月3日大阪市北区で「坐骨神経痛 原因」で上位表示したGoogleの上位10位検索結果》


《2017年12月6日大阪市北区で「坐骨神経痛 原因」で上位表示したGoogleの上位10位検索結果》


というように製薬会社、医療メーカーの検索順位が上がり、医療業界に属さない一般の中小企業のサイトの順位が落ちていることが明らかです。
(※赤字が順位が落ちたサイト、青字が順位が上がったサイト、黒字が順位が変わらないサイト)

こうした変化に対応するためにはどんなコンテンツが上位表示にマイナスになるのか、マイナスコンテンツを知ることと、上位表示にプラスになるプラスコンテンツを知ることです。

【マイナスコンテンツ】

現在、上位表示にマイナスになっている可能性が高いコンテンツとしては:

・根拠のない口コミ

・自社で収集したお客様の声

・ライターが本や他社サイトの情報を合成、参考にして書いた記事

があります。

これらは今から丁度一年前に、医療・健康関連のキーワードでGoogle検索すると1位や2位をほとんど独占していたWelqという医療・健康キュレーションサイトが根拠のない医療・健康関連の記事を外部のライター達に他社サイトの情報を合成、参考にして書かせていたことが発覚して閉鎖を余儀なくされた事件に対するGoogleからの回答だということが言えます。

《参考:https://www.web-planners.net/blog/archives/internet-joho-shinraisei.html

また、数か月前に根拠のない比較サイトを作った企業が消費者庁が処分されたという事件:
「比較サイト作り、上位に自社サービス 消費者庁が処分」(2017年11月2日 朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASKC24TMZKC2UTIL01X.html
があったばかりですが、こうした不正行為を繰り広げる企業や個人が増えていることを受けてGoogleが断固とした処置を取るようになったということだと思われます。

【将来的にマイナスになりそうなコンテンツ】

・薬機法(旧薬事法)に触れる有害コンテンツ

・医学的根拠のないコンテンツ

※薬機法とは、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

が考えられます。

では上位表示にプラスになるコンテンツはどうかというと・・・

【プラスコンテンツ】

・医師、薬剤師、学者等医療関係者が書いたコンテンツ

・医師、薬剤師、学者等医療関係者が監修したコンテンツ

・学術的根拠を示すためにページ内にエビデンス(証拠)を十分掲載したコンテンツ

があります。

こうしたものが全く無いサイトは早急に対応することが求められます。

Googleはサイト内のコンテンツだけで検索順位を決めるということはしません。

もう一つ重要な検索順位決定要因は外部サイトからのリンク要因です。

上位表示にプラスになるリンク要因は・・・

【プラスになるリンク要因】

・病院、学会、製薬会社、教育機関、政府機関からのリンク

です。(詳細はこちらをご覧下さい

以上が、医療・健康サイトの運営者がGoogleで上位表示するために必要な対策です。

早急に対策を実施して下さい。

根拠のない情報を載せているサイトは上位表示出来なくなる日が来る!?

2017年12月16日

今回は先週報告した:
【Google公式発表】医療・健康サイトの検索順位が激変!信頼性の低いサイトは上位表示出来なくなった!?
https://www.web-planners.net/blog/archives/000272.html
の続報です。

前回の調査では医療関連の検索キーワードの多くで、それまで上位表示していた信頼性の低いサイトの順位がダウンして、代わりに製薬会社のサイト、医療機器メーカーのサイト、大学のサイト、大手マスメディアのニュースサイト等が上位表示していることがわかりました。

しかし、育毛等の頭毛に関するキーワード、美容に関するキーワードでは未だ大きな順位の変動はありません。

今後はこうしたに頭毛に関する業界、美容に関する業界(コスメ、エステ、美容皮膚科等)も信頼性の低い情報のあるサイトの運営者はサイト上にあるコンテンツの信頼性をチェックして少しでも医学的根拠が無い記述や誇大広告的な表現、ステマ(偽造口コミ)の疑いがある記事は削除するべきです。

具体的にどのようなコンテンツが信頼性が低いのかというと:

・医学的、科学的根拠の無い文章
・偽ランキング
・偽口コミ
・偽アンケート
・偽体験談
・偽写真
(偽症例写真、偽の患者写真、偽のBefore After)

等があります。

サイトそのものが偽情報の塊である:

・偽ランキングサイト
・偽口コミサイト
・偽体験談ブログ


などを運営している企業や個人はすぐにサイトそのものを閉鎖するか、まっとうなコンテンツのページに全て差し替える作業をすべきです。

もしもこれらの有害コンテンツを放置しておけばGoogleからサイトを消されるだけではなく、会社の信用やそこで働く人達の良心までも喪失することになるはずです。

今回のGoogleによる医療・健康サイトの検索順位決定方式の変更で思うのは、Googleはもはや「野放しの検索エンジン」では無いということです。

今回の変更で思い出すのが、ヤフージャパンが独自検索エンジン「YST」を運営していた2010年までの期間です。当時ヤフージャパンのYSTで上位表示するにはヤフーカテゴリというディレクトリに登録することが最も効果がありました。

しかし、ヤフーカテゴリには少しでも医学的根拠の無い情報があると登録は出来ませんでした。

今回のGoogleの方針変更によりGoogleもヤフージャパンのヤフーカテゴリのような管理型のスタイルを取るようになったように思えます。

理由は、恐らくGoogleとGoogleを検索エンジンとして採用しているヤフージャパンの国内検索シェアが90%近くあるなか、Googleの与える社会的な影響が増大したからに違いありません。
※ StatCounter "Search Engine Market Share in Japan - November 2017"
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan


Googleはもはやかつてのような何でも有りの「野放し検索エンジン」ではなくなったということを認識して、医療業界の企業も、それ以外の全ての業界の企業もサイト上で情報発信する際には次の点に注意する必要があります:

1、コンテンツの著者の実名と肩書を目立つように載せてそこから、プロフィールページにリンクを張る

2、コンテンツを作った人がその道のプロで無い場合は、情報参照元を明確にするために情報参照元名とそのサイトへの外部リンクを張って主張の根拠を示す

3、根拠のあるコンテンツだけを作ることを徹底する

また、病院や、歯科医院などのサイト運営者は、検索ユーザーが求めるコンテンツを予測して精力的に自社サイト内で情報発信をするべきです。

そうすれば、コンテンツ作りの上手い医療マーケティング会社にそもそも集客を依存しなくても自社サイトが集客を実現するようになるはずです。

Googleは今、病院や、歯科医院、薬局、製薬会社、医療機器メーカーなどのサイトの情報を欲しがっています。

病院や、歯科医院、薬局、製薬会社、医療機器メーカーなどのサイト運営者は今が自社サイトに磨きをかけるチャンスです。

医学書をコピーしたような退屈なコンテンツでは駄目です。読者の興味をひくような見出し、導入文、画像、表、グラフ、一般人にも分かりやすい文章を書くスキルが求められます。

《関連情報》
【Google公式発表】医療・健康サイトの検索順位が激変!信頼性の低いサイトは上位表示出来なくなった!?
https://www.web-planners.net/blog/archives/000272.html

やらせの口コミをGoogleマイビジネスに書き込むと取り返しのつかない損害を被ることになる!
https://www.web-planners.net/blog/archives/000254.html

揺らぐネット情報の信頼性
https://www.web-planners.net/blog/archives/internet-joho-shinraisei.html

【重要】Google がモバイルファーストインデックスの進捗を報告

2017年12月24日


2017年12月19日Google が公式ブログでモバイルファーストインデックスの進捗を報告しました。



https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/getting-your-site-ready-for-mobile.html

今回の重要なポイントは次の点です:

● モバイルファーストインデックス導入後はスマートフォン用 Googlebot によるクロール回数が大幅に増え、検索結果に表示されるスニペットや Google のキャッシュページ内のコンテンツにはモバイル版のページのものが使用されるようになる

→ スニペットとは検索結果ページに表示されるページ紹介文のことです。



キャッシュページというのはデスクトップ版Googleの検索結果ページに表示されるものでURLの右横にある緑色の下向き三角のリンクをクリックすると表示されるGoogleが保持する該当ページのデータのことです。これを見ることにより自社サイトをGoogleがどのように認識しているかがわかります。






● レスポンシブWebデザインを採用しているサイトや動的な配信(デスクトップ版と同等のコンテンツとマークアップをすべて含んでいる)を正確に実装しているサイトに関しては、通常は特に何もする必要は無い

→ Googleがサイトに望むのはデスクトップ版の全てのページとモバイル版の全てのページの数が同じで、かつ各ページのURLが同じであることです。これによりGoogleはサイト内のページを1ページたりとも取りこぼすことなくチェックしてその評価対象にすることが可能になります。

レスポンシブWebデザインでサイトを作れば、PCのデスクトップでサイトを見た時にはデスクトップ版として、スマートフォンの画面で見たらモバイル版として表示されるのでデスクトップ版の全てのページとモバイル版の全てのページの数が同じになります。

《レスポンシブWebデザインの場合のデスクトップ版とモバイル版サイトのURL》



動的な配信でサイトを作ったときも、PCのデスクトップでサイトを見た時にはデスクトップ版として、スマートフォンの画面で見たらモバイル版として表示されるのでデスクトップ版の全てのページとモバイル版の全てのページの数が同じになります。

何故、動的な配信と呼ぶのかというとサイトに表示するテキストデータは全てサーバ上にあるデータベースに格納されており、サイトをユーザーが閲覧しようとする度にそのデータベースから必要なテキストデータを瞬時に抽出してWebページとしてブラウザ上に表示されるからです。

この方式を取ると、PCのデスクトップでサイトを見た時にはデータベースからテキストデータを抽出してデスクトップ版のWebページとして表示されます。また、スマートフォンの画面で見たら同じデータベースから同じテキストデータを抽出してモバイル版として表示されます。

このような理由から動的な配信でサイトを作るとデスクトップ版の全てのページとモバイル版の全てのページの数が同じになり、各ページのURLも同じになりGoogleはサイト内のページを1ページたりとも取りこぼすことなくチェックしてその評価対象にすることが可能になるのです。

《動的な配信のデスクトップ版とモバイル版サイトのURL》



● しかし、デスクトップ版とモバイル版のサイトを作り分けている場合はレスポンシブWebデザインや動的な配信でサイトを作ったときのようにデスクトップ版とモバイル版のサイトのページ数が異なることがあり、デスクトップ版とモバイル版のサイトにある各ページのURLが異なることになる。

《デスクトップ版とモバイル版のサイトを作り分けている場合のURL》



こうした理由により、レスポンシブWebデザインや動的な配信でサイトを作らずに、デスクトップ版とモバイル版のサイトを作り分けている場合は次の点を確認しなければなりません:

(1)モバイル版のサイトでも、高品質で重要なコンテンツを揃えるようにする。テキスト、画像(alt 属性を設定)、動画などを、通常のクロールやインデックス登録が可能な形式で準備する

→ よくありがちなのが、モバイル版のサイトはダウンロード速度を早くするために画像の数を少なめにするとか、画像のサイズをなるべく小さくする、動画の数を少なくするという考えや、テキスト量を少なくしてスマートフォンユーザーに読みやすくするという考えです。

はっきり言って、これらの考えは間違っています。Googleのクローラーがインデックス登録しやすい形式を用いることにより、モバイル版サイトにもデスクトップ版サイトに載せているのと同じように高品質なコンテンツを載せる必要があるのです。

(2)インデックス登録やユーザーが使いやすい検索機能を実現するためには、構造化データが重要。モバイル版とデスクトップ版の両方のサイトに構造化データを追加するようにする。モバイル ページの構造化データの URL はモバイル版にアップデートする

→ 構造化データとは、HTMLで書かれた情報が何を意味するのかを、検索エンジンやその他のクローラーに理解できるようタグ付けしたものをいいます。モバイル版とデスクトップ版の両方のサイトに構造化データを追加することを怠ってはなりません。

(3)メタデータはモバイル版と デスクトップ版のどちらのサイトにも必要です。インデックス登録や検索結果の表示の際に、メタデータがコンテンツについてのヒントとなる。タイトル、メタディスクリプションなどは、モバイル版と PC 版の両方のサイトの全ページで同じ内容にする

→ タイトルタグ、メタディスクリプション等のメタタグはモバイル版と PC 版の両方のサイトの全ページで同じ内容になっているかを確認して、なっていなかったら同じ内容に変更する必要があります。

(4)モバイル用の別の URL を使用するサイトでは、モバイル版とデスクトップ版をリンクするための既存の rel=canonical 要素と rel=alternate 要素をそのまま使用する

→ モバイル版サイトにある各ページがデスクトップ版サイトにある各ページとどのように対応しているのかをカノニカルタグを使ってGoogleのクローラーに教える必要があります。レスポンシブWebデザインや動的な配信でサイトを作らずに、デスクトップ版とモバイル版のサイトを作り分けている場合は必ずカノニカルタグを使わなくてはなりません。

● Googleでは上記の基準に基づいて、モバイルファーストインデックスに対応しているかどうかをサイトごとに評価し、準備が整ったサイトから移行していく予定

→ 驚いたことに、Googleはある日突然、Web上の全てのサイトを一気にモバイルファーストインデックスに移行するのではなく、モバイルファーストインデックスに対応しているサイトから順番にモバイルファーストインデックスに移行するということです。こうすることにより世界のWebサイト管理者が自社サイトの順位だけが落ちてパニックに陥ることを避けようとしていると思われます。

● このプロセスは、ごく一部のサイトに対してすでに開始されており、検索チームが経過を注意深く観察している

→ これも驚いたことですが、すでにWeb上の一部のサイトはモバイルファーストインデックスに移行しているということです。
自社サイトがすでにモバイルファーストインデックスに移行しているかはアクセス解析ログのログを見てモバイル用のクローラーのクロール数がデスクトップ版のクロール数を上回っているかどうかで確認できると言われています。モバイル用のクローラーのクロール数がデスクトップ版のクロール数を上回っている場合は、そのサイトはすでにモバイルファーストインデックスに移行しているということだそうです。

● モバイルファーストインデックスのロールアウトを完了する時期についても、現在のところ特に定めていない

→ すでにモバイルファーストインデックスへの移行はサイト毎にスタートしているが、その移行作業がいつ終わるかは決めていないそうです。これは別の言い方をすればGoogle側としてもいつ終わるかは予想出来ないということでしょう。

ということで今回の発表の最重要ポイントをまとめると:

1、レスポンシブWebデザインや動的な配信でサイトを作れば問題は無い

2、デスクトップ版とモバイル版のサイトを作り分けている場合は、一定の複雑な作業が必要であるのと、モバイル版のサイトにもデスクトップ版と同等の質が高いコンテンツを載せる必要がある

3、すでにモバイルファーストインデックスへの移行はサイト毎にスタートしている

という3つです。

モバイルファーストインデックスへの移行作業はすでに始まっています。移行への準備が未だの方は少しでも早く準備を完了して下さい。

Google はどのようにして医療関連キーワードの検索順位を決めているのか?

2017年12月30日


2017年12月6日にGoogleが発表した「医療や健康に関連する検索結果の改善について」についての続報です。
その日Googleはその公式サイトで:

● 今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートした

● この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなる

● このアップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響する

● 医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行く

ということを発表しましました。

それ以来その発表のとおりに医療機関、医療団体以外のサイトの検索順位が落とされました。それまで検索結果1ページ目の前半にランクインしていたものが何十位、何百位も落ちるようになったのです。

ここで疑問に思うのは「Google はどのようにして医療関連キーワードの検索順位を決めているのか?」という点です。

次の2つの順位決定方式が考えられます:

【仮説1】ホワイトリスト方式(URLフィルタリング)

【仮説2】被リンク元による評価

の2つです。

【仮説1】ホワイトリスト方式(URLフィルタリング)
1つの目ぼ仮説は「ホワイトリスト方式」です。ホワイトリストというのは「対象を選別して受け入れたり拒絶したりする仕組みの一つで、受け入れる対象を列挙した目録を作り、そこに載っていないものは拒絶する方式。また、そのような目録のこと。対義語は「ブラックリスト」(black list)で、目録に載っているものだけを拒絶し、それ以外は受け入れる方式である。」(IT用語事典 e-Wordsより)というようにいわゆるブラックリストの反対の概念で対象を選別して受け入れる方式です。

つまり、Googleが今回順位が急に上がってきた病院、製薬会社、医療機器メーカー、大学、大手マスメディアのサイトのドメインネームを優先リストである「ホワイトリスト」に入れて、そこに登録されているドメインネームのサイトだけに事前に高得点を与えておくという方式です。

何故「ホワイトリスト」方式なのかというと内容的に怪しいサイトは無限に存在する可能性がありますが、内容的に信頼できる医療機関、医療団体のサイトはそんなに急速には増えないはずなのでGoogleのスタッフが手作業、肉眼で識別することは人数と予算があれば可能だからです。

「ブラックリスト」方式では新しく生まれる危険な内容のサイトをその都度登録するのにどうしても一定の時間がかかってしまいその間、危険なサイトがGoogleで上位表示してしまうという弊害が生じるはずです。

元々ITの世界にはURLフィルタリングという概念があり、一定のドメインネームのURLを閲覧させたり、閲覧させなかったりするという処理をする知恵があります。Googleも同じIT企業ですのでこうしたURLフィルタリングをしている可能性が考えられます。

【仮説2】被リンク元による評価
2つ目の仮説はどのようなサイトがリンクを張っているかという「被リンク元による評価」です。

これはGoogleが最も得意とする所です。何故ならGoogleは創業以来、今日でもPageRankなどのアルゴリズムを駆使してサイトを評価する時に信頼性の高いサイトからどの程度リンクされているかという被リンク元のデータを活用しているからです。

私のクライアント企業に以前より多い業種の1つが歯科医院で、過去10年以上歯科医院サイトの被リンク元を調査してきました。昔はGoogleでlink:で調べるとそのサイトの被リンク元がたくさん表示されていましたが、最近では被リンク元調査会社のマジェスティックという有料のソフトやそのデータを使っているSEOスコープを使っています。

歯科医院の業界も今回の変動で病院、製薬会社、医療機器メーカー、大学、大手マスメディアのサイト以外のほとんどのサイトの検索順位が何十位以上も落ちました。

しかし、その中でも2つの企業のサイトだけが大きく順位を落とさずに生き残っていることがわかりました。調査したキーワードは「ホワイトニング 東京」、「インプラント 大阪」等のキーワードです。

それらのサイトは:

(1)歯科医院を探すポータルサイト
(2)歯科医院のオンライン予約サイト


の2つです。

(1)歯科医院を探すポータルサイト
のサイトを歯科医院は被リンク元調査会社のデータを見るとその会社が運営している他の診療科目の人気ポータルサイト複数からリンクが張られています。

これらの歯科医院を探すことが出来る複数の診療科目の人気ポータルサイトの被リンク元を調べると歯科医院複数からリンクを張ってもらっていることがわかります。

(2)歯科医院のオンライン予約サイト
のサイトは、オンラインで患者さんが歯医者さんの予約をすることが出来るサービスを提供しているサイトで膨大な数の歯科医院サイトからリンクを張ってもらっています。

リンクをどのような形で張ってもらっているかというと:

《兵庫県の歯科医院サイトのトップページに張られている画像リンク》



《東京の歯科医院サイトのトップページに張られている画像リンク》



というような画像でリンクを張ってもらっているのです。

下の図は被リンク元調査会社のマジェスティックで調べたこの歯科医院のオンライン予約サイトの被リンク元データの一部です:



ご覧のように歯科医院のサイトからこうしたオンライン予約の画像でリンクされていることがわかります。
その横にある数値はマジェスティックが算定公表しているトラストフロー(TF)というGoogleのPageRankに類似したサイトの信頼度の数値です。

100が最大数値ですが41点、48点などというように非常に高い数値です。通常トラストフローが40点台の場合GoogleのPageRankでは4前後に匹敵します。かなり信頼性が高い被リンク元ばかりからリンクされていることがわかります。

以上が:

【仮説1】ホワイトリスト方式(URLフィルタリング)

【仮説2】被リンク元による評価

についてですが真実はこのどちらか1つではなく、両方かも知れませんし、当然他にも基準があるのかもしれません。

ただ1つ言えることはGoogle上位表示には最終的に「信頼性」が最重要であるという点です。

コンテンツが見た目上面白そうだとか、大衆受けするキャッチフレーズやライティングというだけでは全く「信頼性」には繋がらないです。

真の信頼性というのはそうした主観的なことではなく、客観的、つまり社会的な位置関係で決まるのです。

コンテンツを面白くするという点以外で差がつく時代が来ました。

歯科医院のオンライン予約サイトのように勝ち抜くためには、業界の信頼性の高いサイトがリンクを張らなくてはならない仕組みを考えることが有効です。

自社サイトにリンクを張ると得する仕組みを考案するのが生き残りへの近道です。

医療機関、医療団体以外のサイトを運営している方はこの近道を考えて欲しいです。

そしてそれ以外の分野のサイト運営者の方も、自分の業界における信頼性の高いサイトがリンクを張りたくなる仕組みを考えて将来の変動に備えて下さい。
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