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2017年10月28日

タイトルタグにキーワードを含めていないサイトが上位表示するようになった!?

2017年10月28日

今週の10月24日からニューヨークで開催されたSMX Eastで恒例の重要発表がされました。
それは検索順位決定要因というGoogleがどのようにして検索順位を決めているかのかという重要情報です。

複数のSEO会社が独自の基準でGoogleの検索順位決定要因を調べ発表したのですが、その中で注目すべきは「タイトルタグにキーワードを含めることが従来のような効果がなくなってきている」という調査結果です。

タイトルタグというのはHTMLファイルの名称に当たる部分でHTMLファイル内の:



の部分です。

この部分はほとんどの場合、そのままGoogleの検索結果に表示される部分でもあり、検索結果ページ上での自社サイトのクリック率を左右する重要なタグです。



SEOという言葉が生まれたころからWebページのタイトルタグにそのページで上位表示させたい目標キーワードを含めることはSEOのイロハのイであり、常識中の常識でした。

しかし、今回の米国のSEO会社の調査結果によるとその常識が崩れ去る可能性が出てきました。

下図はSEMrush社のスライドですが「検索数が多い難易度の高いキーワードで上位表示しているWebサイトの35%が、タイトルタグにキーワードが記述されていない」と述べています。



もう一つのSEO会社のSearchmetrics社のスライドでも「Googleで上位10位にランクインしているWebサイトの48%だけがタイトルタグにキーワードを記述しており、同じ調査を2015年に実施した時は75%、2016年に実施した時は55%と、年々減少している」と述べています。



これらの調査結果を見るとタイトルタグに目標キーワードを含めることは従来ほど効果がなくなってきているように思えます。
確かに、最近は検索したキーワードがタイトルタグに含まれていないサイトがGoogleの検索上位にランクインすることは稀なことですが、増えてきている傾向は高まっています。

実際にGoogleで「糖尿病 原因」で検索してみると1位から10位までのサイトのタイトルタグは:



となっており、「糖尿病 原因」のメインキーワード(主体となる核キーワード)である「糖尿病」は10件中10件書かれていますが、サブキーワード(メインキーワードを絞り込むための補助キーワード)の「原因」は10件中7件だけが含まれており残り3件は含まれていません。

しかし、サブキーワードの「原因」を外してメインキーワードの「糖尿病」だけで検索したら従来通り10件中10件「糖尿病」という言葉はタイトルタグに記述されています:



それだけではなく、10件中4件がタイトルタグに2回も「糖尿病」というキーワードを含めています。

他にも「印鑑」で調べたら10件中10件が、「電気自動車」で調べても10件中10件がタイトルタグにキーワードを含めています。

しかし、サブキーワードを含めた複合キーワードで検索すると確かにサブキーワードがタイトルタグに含まれていないキーワードでも検索上位10位にランクインしているサイトがいくつかありました。

ここまでの調べでわかったことは競争率が非常に高い「糖尿病」、「印鑑」、「電気自動車」等のビッグキーワードでは未だまだタイトルタグに含めないと上位表示は困難ですが、サブキーワードは含まれなくても上位表示しているケースが増えてきているということです。

何故、サブキーワードがタイトルタグに含まれていなくてもGoogleで上位表示するのかというと考えられる原因は:

(1)メタディスクリプションというページ紹介文を記述タグには含まれているから
メタディスクリプションの例:



(2)H1タグという大見出しのタグに含まれているから
H1タグの例:



(3)文中に含まれているから
→ 当然Googleはタイトルタグ、メタディスクリプション、H1タグだけではなく、Webページ上の本文を読み込み評価基準として利用しているから。

(4)他のサイトからサブキーワードを含めたフレーズでテキストリンクを張っているから
→ Googleは従来から、キーワードがWebページ上に書かれていなくても、他のドメインのサイトからそのページにリンクを張る時のリンク文言にキーワードを含めると上位表示するクセがあるから(※有名な話ですが、最近までは「18歳未満はこちら」という言葉で検索するとヤフージャパンのトップページが上位表示していました。現在では恐らくGoogleに苦情を言ったのか、ヤフージャパンのトップページはそのキーワードでは上位表示はしていません)

等があります。

もう一つの傾向としては同義語があるキーワードで検索した場合は、そのキーワードがタイトルタグに含まれていなくても同義語が含まれてれば上位表示するというケースが近年増えてきていることは事実です。

例えば、「椅子」で検索してみると1位から10位までのサイトのタイトルタグは:



漢字の「椅子」がタイトルタグに含まれているのは7件だけでした。
しかし、代わりにカタカナの「イス」、あるいは英語のカタカナ表記の「チェア」が含まれいるので同義語をGoogleが理解していることがわかります。

念のため「携帯電話」というキーワードで検索してみましたが



というように「携帯電話」という言葉が含まれずに同義語である「ケータイ」という言葉だけが含まれているサイトが上位表示していることがわかりました。

以上ですが今回の発見をまとめると:

(1)以前に比べてタイトルタグにメインキーワードが含まれなくても上位表示するケースが増えてきている
(2)サブキーワードが含まれなくても上位表示するケースが増えてきている
(3)タイトルタグにメインキーワードが含まれなくても同義語が含まれていればGoogleは変換するので上位表示することがある


という3点の傾向が明らかになってきました。

しかし、だからといってタイトルタグに目標キーワードを含めなくても上位表示するのだと短絡的に判断してはいけません。

実際に今回見てきたように競争率の高いビッグキーワードである、「糖尿病」、「電気自動車」、「印鑑」などでは未だそうした最近の傾向は見られません。

ではどう考えたら良いのでしょうか?

それは「タイトルタグにさえ目標キーワードを含めれば上位表示する」という甘い考えを捨てて、タイトルタグ目標キーワードを含めるという常識はこれまでどおり持って、タイトルタグに目標キーワードを含めながらも、さらに・・・

(1)メタディスクリプションにも含める
(2)H1タグにも含める
(3)文中にも含める。そして類義語も含めて見た目がくどくならないように工夫する
(4)他のドメインのサイトからリンクを張る時はキーワードを含めた自然なフレーズでテキストリンクを張る、あるいは張ってもらう


というSEOの基本を徹底をすることです。

今後もGoogle上位表示の世界では「・・・さえすれば上位表示する!」という短絡的なテクニック論は通用しなくなるはずです。

出来る限り多面的に出来ることを出来る限り着実に実行することが重要になってきたのです。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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