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2015年10月29日

Googleが遂に人工知能を検索順位ランキング計算に導入した!その影響は?

2015年10月29日
昨日のブルームバーグの報道によると「Googleが人工知能を使って検索順位を算定し始めた」
"Google Turning Its Lucrative Web Search Over to AI Machines"(Bloomberg 2015年10月26日)
ということです。

これは未来の話ではなく、数カ月前からすでに人工知能を導入しているという現在進行している話です。

このGoogleの人工知能の名前は「ランクブレイン」という文字通り検索順位を算定する頭脳という意味です。
しかもこの人工知能は機械学習型のもので人間が情報を与えなくても自律的に学習活動を行いパワーアップするまるで生命のような特性を持つ強力なものです。

こうした動きはコンピューターの進化の過程では前々から予想はされていましたが、問題はこの動きによりSEO対策をする私たちにどのような影響が及ぼされるかです。

IT PROによると・・・
『Google検索エンジンには1秒あたり数百万のクエリーが寄せられるが、そのうち「かなりの部分」を「RankBrain」と呼ぶAIシステムが処理している。 Googleが1日に受け取るクエリーの15%はこれまで一度も見たことがない問い合わせで、RankBrainはそうした未知のクエリーや曖昧なクエリーの処理に優れているという。人間の直感や推測のような方法で言葉を翻訳し、意味を解釈する。』(IT PRO 2015/10/27)

とあります。

全日本SEO協会でも偶然ですが特別研究員の郡司武さんが東京国際フォーラムで人工知能に関するリサーチカンファレンスの講演を行い、恐ろしいほどの偶然性を感じます。

そのリサーチカンファレンスで郡司さんから教わったことは人工知能には弱いタイプと強いタイプがあり、弱いタイプは人間が1つ1つのプログラムをして知識を与えないと成長しないSiriやペッパーのようなものと、勝手に学習して自律的に成長する強いタイプがあるとおっしゃっていましたが、Googleは強いタイプの人工知能を手中にしたということです。

人工知能というと非常に怖い響きがありますが、今は冷静にそのSEO対策に対する影響を考えなくてはなりません。

それは各種の情報を総合すると「検索ユーザーの意図を把握して、最も適切な検索結果を返す」ということです。

ここで重要なキーワードは「検索ユーザーの意図」(User Intent)という言葉です。海外のSEOの本でも頻繁に言及されるのがこの言葉です。

ユーザーが特定のキーワードで検索する時にどのような情報を求めているのか、それが正確に把握してそのニーズを満たすためのコンテンツをウェブページとして提供することが今後SEO対策成功の上で益々重要になると思われます。

一例を上げると「肩こり」というキーワードで検索ユーザーが検索した時にユーザーはどのような情報を求めているのでしょうか?

可能性として考えられるのは:

1、肩こりを治してくれる整体院を探している

2、肩こりに効く薬を探している

3、肩こりの治し方、緩和の方法を知りたい

4、肩こりについて研究をするための情報を探している

などが考えられます。

5年くらい前のGoogleの検索結果にはこれら4つのパターンのうちどれか1つのニーズを満たすためのサイトばかりが上位を占めるようなことが良く有りましたが、それでは他のニーズを持っている人達にとっては満足にいく検索結果にはなりません。

丁度2年前の郡司武さんのGoogle重要特許リサーチカンファレンス2013では、Googleはそうした複数の検索ユーザーの意図を推測してわざと複数のタイプのサイトを検索結果トップ10に表示するようになっということを教わりました。このアルゴリズムの名前は"Query Deserves Diversity" Algorithm "(検索結果には多様な情報が表示されるようにするアルゴリズム)というもので現在のGoogleの検索結果1ページは1つの偏ったサイトタイプだけにならないように多様性があるものになっています。

Googleが今回導入した人工知能はこのアルゴリズムのさらに先を行くことになるはずです。

膨大な検索ユーザーの検索のデータを蓄積してどのページが検索結果上でクリックされたのかを全てクッキーなどの技術により記録してユーザーの検索キーワードとそのユーザーが実際にクリックしたページを比較してデータを蓄積します。

そしてこのキーワードで検索するユーザーはこうしたウェブページを探しているだということを人工知能は学習するはずです。

となるとここで私達がこころがけなくてはならないのは:

1、ユーザーの検索意図を推測する

2、その検索意図に対応すべきコンテンツを作りウェブページの載せる

ということでしょうが、これだけでは不十分です。

何故なら様々な検索ユーザーは様々な異なった検索意図をもって検索するからです。

ではどうすれば良いのかというと様々な検索意図を満たすウェブページを1つ1つ作ることです。

そうしなければ本来4人来るべき検索ユーザーの1人しか自社サイトに来なくなってしまうからです。

先ほどの肩ころに例で言えば、例えば私達が整体院を経営していて患者さんを集客したいなら・・・

1、肩こりを治してくれる整体院を探している

→ 自分の整体院の紹介を詳しく説明する

具体的なコンテンツ:院の特徴、先生の挨拶、院の方針、患者様の声、相談事例

2、肩こりに効く薬を探している

→ 自分は薬を売っていないとしても、市販の薬をたくさん紹介する

具体的なコンテンツ:国内、あるいは世界の肩こり緩和のための薬の特徴や成分、評判などを紹介する

3、肩こりの治し方、緩和の方法を知りたい

→ 知識ページを充実させる

具体的なコンテンツ:Q&A、相談事例、YouTube動画で治し方、緩和の仕方を助手の人を患者に見立てて説明する、写真をたくさん用いて説明する

4、肩こりについて研究をするための情報を探している

→ 症例報告をする

具体的なコンテンツ:患者さんのカウンセリングレポート、施術レポートを院の公式サイトがあるドメインにブログを設置して投稿する

など何か1つの検索意図を満たすコンテンツに偏らずになるべく多面的に情報提供する事です。

Googleの人工知能対策は始まったばかりで今後様々な情報が入手出来ると思いますが、今はまずこの「検索ユーザーの意図」(User Intent)には多様性があるので、こちらも多様なコンテンツによって対応するという事を検討してみて下さい。

最後に、Googleが大きな方針転換をする度にとてもタイムリーに重要な特許情報解説という指針を提供してい頂いている郡司武さんに感謝します。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

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