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雑誌広告が読者から嫌われる時代が来た。宣伝だらけのWebサイトが嫌われている理由

2017年09月16日


先日、Amazonから届いたメールDMに面白そうなEC業界に関する雑誌が載っていました。その雑誌の電子版を買おうと思いAmazonに飛びました。

目次を見てすぐに買い物かごに入れようとしましたが値段が2,000円近くもするので念のためレビューを読みたところ、あまりにひどいレビューが投稿されているので買い物かごに入れるのをやめてしまいました。

その雑誌は有名出版社が出しているものですし、巻頭特集がとても面白そうでしたが酷評されていたので買う気を失いました。
どのようなことが書かれていたかというと・・・

・騙された・・・この本は、広告だらけだ
・お金を溝に捨てたレベル・・・タイトルに惹かれて購入したが、特集のことはわずか8ページだけ。なんとか記事といえるのはわずか34ページ。残りは記事広告と過去の広告主のリスト。
・半分広告・・・半分広告。高いのに中身はスカスカ。この内容ならネットに載ってる。買って損した


というように役に立つ情報がほとんど無く広告ばかりだという書評ばかりだったのです。

結局今でもその雑誌は購入していませんが、考えさせられました。

元来、雑誌にはたくさんの広告があるものですし、記事に見えるものも実は裏では有力な広告主になっている企業の商品ほど記事として取り上げられやすい、あるいは取り上げられる時は目立つように取り上げてもらえるというのがよくあることです。

ガジェット、旅行、車、アニメ、パソコン、インターネット関連などの雑誌を見ることがありますが、広告があるのは当たり前だし、記事のページが非常に少ないのも当たり前のことだと思っていました。

私はその雑誌は悪いものではないと想像しますし、広告を否定することはしません。
広告は多くの場合、欲しいもの、買いたいものがある場合、とても助かる情報源です。

しかし、Googleを使えば無料で情報をいつでも得られる現代、欲しいもの、買いたいものが無い時には邪魔な存在になっているということに気づきました。

では私達Webサイト管理者は、広告をどのように自社サイトの載せれば良いのでしょうか?

それは検索ユーザーが明らかに商品を探していると思われるような購入検索キーワード(Transactional Queries)で検索した時に上位表示を目指すページには広告を目立つように掲載しても良いということです。

購入検索キーワード(Transactional Queries)にはどのようなものがあるかというと:

インプラント 大阪 (大阪市内でインプラント治療をしている歯科医院を探している)
腰痛治療 横浜 (横浜市内で腰痛治療をしている病院・整体・治療院等を探している)
ミネラルウォーター 通販 送料無料(ネットで送料無料でミネラルウォーターを安く売っているところを探している)
マンションリフォーム (自分が住んでいる地域でマンションリフォームをするリフォーム会社を探している)
賃貸マンション 1LDK 杉並区(杉並区内の賃貸マンションで1LDKの部屋を探している)

などです。

《インプラント 大阪 での検索結果》



こうした購入検索キーワードで上位表示を目指すページには関連する広告を目立つところに掲載してもユーザーの多くは不快には思わないはずです。
むしろ「ちょうど探していたんだ!」と思って感謝してくれることもあるでしょう。

Google自体もこのことは知っているようで、購入検索キーワードで検索した時は多くの場合広告がいくつも表示されます。そしてそれらをクリックする検索ユーザーが多いのでGoogleは広告売上を何兆円も稼いでいます。

反対に、情報検索キーワード(Informational Queries)で検索した時には広告は読者に望まれない傾向があるのではないでしょうか?

情報検索キーワード(Informational Queries)はどのようなものかというと:

インプラント デメリット
腰痛の原因
遺言書の書き方
耐震リフォーム 効果

のような素朴な疑問を解消するためのキーワードです。

Googleで例えば「腰痛の原因」で検索するとGoogleも情報検索キーワードで検索するユーザーには広告は読者に望まれない傾向があるので広告を表示していないのか、広告主が情報検索キーワードで広告を出してもクリック数が少なくコンバージョンが良くないことを知ってか検索結果ページには広告が表示されません。

《腰痛の原因 での検索結果》



ただ、情報検索キーワード(Informational Queries)で検索ユーザーが100%商品を探していないとは言い切れません。
例えば、「腰痛の原因」で検索するユーザーは腰痛治療は誰かにして欲しいと思っているけど、先ずは原因を知ってその後ゆっくり考えたと思っている可能性があります。

そのような心境でいきなり売り込みの広告を見ても邪魔に感じるのではないでしょうか?
「耐震リフォーム 効果」で検索するユーザーも耐震リフォームに費用にみあった効果があるのなら申込みをしたいが、その前に他に調べてみたいことがたくさんあるのなら売り込みの広告はその時点では邪魔に感じるはずです。

自社サイトに広告を張るべきか張るべきでないのか迷っているサイト運営者はこうした基準で広告を張るべきページ、張らないページ、張るとしてもファーストビューの目立つ部分には張るべきではないページと仕分けをすると良いのではないでしょうか?

このことは自社サイトに広告を載せる広告収益を事業モデルとしている企業だけに言えることではありません。

通常の企業サイトは他社の広告を掲載するために作るのではなく、自社の商材を売るためのものです。

その場合も気をつけなくてはならないのは、明らかに情報検索キーワードで検索するユーザーは無料お役立ち情報だけを探していると思われる・・・

インプラント デメリット
腰痛の原因
遺言書の書き方
耐震リフォーム 効果

などをテーマにしたページには:

(1)目立つところには自社商材の販売ページへのリンクは張らない
(2)無料お役立ち情報ページの本文の目立つところからは自社商材の販売ページへのリンクは張らない
(3)無料お役立ち情報ページの本文の中に自社商材を販売するための宣伝は書かない


という心がけが必要でしょう。

読者から見たら、他社の商材の宣伝情報だろうが、そのサイトを運営している企業の商材の宣伝情報だろうが、宣伝は宣伝でしかありません。

結局、検索ユーザーが求めているものは、無料お役立ち情報ページと、商材の宣伝ページの分離なのではないでしょうか?



そうしないと、どこからどこまでが宣伝なのかが分からず紛らわしく思うのでしょう。そしてそれが不快感につながり、次のサイト訪問のチャンスを潰すことはもとより、そのサイトで販売している商材の購入のチャンスすら潰すことになり、元も子もなくなります。

私達サイト運営者は無料お役立ち情報ページと、商材の宣伝ページの分離を心がけるべきです。無料お役立ち情報ページからは極力読者の邪魔にならない程度に商材の宣伝ページにリンクを張ることしか許してもらえない時代が来たからです。

読者が最も嫌うのは無料お役立ち情報の中に宣伝が巧妙に隠されているステマ、インフォマーシャル的なものでしょう。

インフォマーシャルという言葉は懐かしい言葉ですが、夜中テレビを見ていると30分くらいに渡って視聴者を洗脳する一見お役立ち情報に見えて実はその企業の商品を買うようにシナリオが作家によって注意深く設計されている広告形態のことです。



TVばかりを見る人達に効果はあっても、ネット慣れした人達からするとそれは洗脳番組、ステマだと言われる嫌われる広告物になってしまいます。

冒頭で紹介したEC業界に関する雑誌に投稿されたレビューは恐らくネット慣れした人たちが書いたからこそ厳しいものになったのではないでしょうか?

Webサイトでの売上を増やしたいサイト運営者は、無料お役立ち情報と宣伝ページの役割の違い、それぞれのリンクの張り方に気をつけて下さい。

無料お役立ち情報は100%近く無料お役立ち情報のページにして情報検索キーワードで検索するユーザーを引き寄せて下さい。Googleはそうしたページを高く評価して上位表示する傾向が昔からありSEOにプラスになります。

そして、上位表示した無料お役立ち情報のページからは読者の邪魔をしない範囲の中で、その情報と関連する宣伝ページにリンクを張って下さい。

無料お役立ち情報のページの質が高ければ高いほど検索ユーザーはその企業が張っているリンクをクリックする可能性が高まります。

反対にいくらリンクの張り方が適切でも、無料お役立ちコンテンツの質が低ければそのページを提供している企業は信用されず、リンクのクリック率は低くなり、コンバージョンは望むことも出来なくなります。

宣伝ページの方は、購入検索キーワードに内容を最適化して購入検索キーワードでの上位表示を目指して下さい。

そうすることによって、そうした質の高いWebページに満ち溢れることになるGoogleと、それを見る検索ユーザー、そしてそのWebページを苦労して作った三者が三方良しになりWin Win Winになるはずです。

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