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【発見!】Googleは広告を広告に見せないようにしてクリック数を増やそうとしている!その理由とは?

2017年02月16日
Googleの検索結果画面が一部の地域で検索した時に検索結果上に表示される情報をこれまでとは違ったデザイン・レイアウトで表示するようになりました。

下の図は神戸市内でPC版Cromeブラウザで検索した時に検索結果画面です。



ご覧のように1つ1つの項目がカードのようなボックス内に表示されています。この表示方式自体はGoogleが2016年6月くらいから一部のユーザー環境で試験的に表示してきた「マテリアルデザイン」によるレイアウトです。

これ自体は目新しいことではありません。

問題はそこに表示される広告の見せ方です。

通常の環境で検索した時には広告欄に表示される「広告」という文字は緑色の背景に白抜きで書かれており一目で広告だと認識出来るものです。

【通常の環境で検索した時に表示される広告欄】



【一部のテスト環境で検索した時に表示される広告欄】



このように「マテリアルデザイン」によるレイアウトの検索結果画面に表示される広告欄には緑色の背景は無くなっており代わりに緑色の細い線で囲われているだけです。(ただし、この表示方法も実験中らしく従来の広告画像のパターンが表示される事もあります)

これだと非常に広告だということは分かりづらくなっています。

しかも、マテリアルデザインによって検索結果上の広告欄も、自然検索の欄も同じカード上のボックスで囲われているので一見すると広告が広告に見えず自然検索の一部のような「目の錯覚」を引き起こしているのです。

先程一部の地域でGoogleがこのマテリアルデザインの検索結果レイアウトを表示していると言いましたが、同じ地域の同じPCでも別のブラウザで同じキーワードで検索すると従来のレイアウトの検索結果が表示されています。

何故Googleはこのようなことを一部の地域の一部のブラウザで実験しているのでしょうか?

考えられる理由は・・・

(1)広告のクリック率を高めて売上を増やそうとしている

(2)今年の2月頃には実施が予想されるモバイルファーストインデックス実施のための実験をしている

という2つです。

どちらが正しいかというより、両方とも当たっている可能性があると思います。

(1)広告のクリック率を高めて売上を増やそうとしている
→ これに関しては営利企業としてはある意味当然の事です。
しかし自然広告だと思ってクリックしたリンクが後で広告だったということが分かればユーザーはGoogleに対して良い印象は抱かないというGoogleのブランドに対するデメリットもあるのではないでしょうか?
確かに今でも広告ばかりが表示されているヤフージャパンと比べればGoogleのページには広告がたくさんあるという印象は少ないですが、それでも自然検索結果だと思ってクリックしたリンクが広告だったと分かれば厳しい言い方をすれば「騙し広告」と言う人達も出てくるかも知れません。

(2)今年の2月頃には実施が予想されるモバイルファーストインデックス実施のための実験をしている
→ モバイルファーストインデックスとは、従来のようにPCサイトの内部を評価してPC版Googleやモバイル版Googleの検索順位を決めるのをやめて、モバイルサイトの内部を評価してPC版Googleやモバイル版Googleの検索順位を決めるという大きな方針の転換の事です。(Googleが公式サイトで2016年11月5日に「モバイル ファースト インデックスに向けて」というページで発表https://webmaster-ja.googleblog.com/2016/11/mobile-first-indexing.html
モバイルファーストインデックスの「新Google」が誕生したとしてもこれまでと全く同じデザイン・レイアウトでは変わった感が出ないので、もしかしたらこのマテリアルデザインを採用するのか知れません。

話を広告の話に戻します。

実は広告を広告に見せなくしようとする動きを見せているのはGoogleだけではなく、ヤフージャパンも同じです。

ヤフーのページで最近気になる広告の表示方式の変化がありました。それは「提供リンク」だとか、「おすすめコンテンツ」というとても曖昧な言い方です。

これはヤフーの検索結果ページのことではなく、ヤフーニュースなど他のページに広告が表示された時に表現方法です。

【ヤフーニュース内に表示されている広告の様子】



ご覧のように「PR」とか、「広告」と書かずに「提供リンク」だとか、「おすすめコンテンツ」という表現になっています。
「PR」とか、「広告」と書かれているとこれまでそれらのリンクをクリックすることを避けてきたユーザーはクリックを避けることが出来るでしょうが、「提供リンク」、「おすすめコンテンツ」と書かれていたら広告だということが分からずに間違えてクリックしてしまう恐れがあります。

何故このような表示をするようになったのでしょうか?

それはGoogleの今回のマテリアルデザインの検索結果ページの緑の背景を取り払い自然検索と同じボックスで広告欄を表示する流れと同じで広告のクリック率を高めるためだと考えられます。

しかし、それは何故なのでしょうか?

ネット広告のクリック率が下がって来ているからではないでしょうか?

以前もブログ記事
https://www.web-planners.net/blog/archives/000197.html
で報告しましたが、Googleもその他検索エンジン会社も検索結果に表示される広告のクリック率と自然検索の部分のクリック率のデータを発表しているのを見たことも聞いたこともありません。

以前よりテレビ広告や、新聞雑誌広告の効果が薄れてきており、その影響でネット広告に切り替える企業が増えていると言われ続けています。

しかし、これは推測ですが、広告の費用対効果が下がってきているのはそうした従来型メディアだけではなく、ネット広告全般や、その代表格であるリスティング広告も下がっている可能性があります。

現に私の周りでも昔からネット広告を使っていた人達は「以前ほど広告の効果が無くて困っている。以前は広告欄の順位が3位、4位でも高い集客効果があったが最近で1位表示しなくては以前ほどの反応を取れなくなっている」とおっしゃる方が増えてきています。

皆さんもぜひ周りに人でネット広告を昔から使ってきている企業の方にこの事とを聞いてみてください。恐らく同じような答えが返ってくるはずです。

ネット広告に依存する広告頼りのWebマーケティングは危険です。

その広告の効果がある時期には確かに集客が出来るはずです。

しかし・・・

(1)スマホでのWebサーフィンが増えている今の時代、ほとんどの日本人のネットリテラシーは高まってきています。
以前のように広告と自然検索の区別ができない人はどんどん減るはずです。
自然な情報と広告の情報で広告のほうが好きだという人が何人いるのでしょうか?ほとんどの生活人にとって広告というのは避けるべきものなのです。人はTVのCMが始まるとトイレに行ったり、TV番組を録画した人の多くは当たり前のように広告を飛ばします。

これはTVだけのことではありません。PCでも、スマホでも広告ブロックのアプリやプラグインをインストールしてネット広告は煩わしいから避けようとする人が増えています。

(2)今は未だ中小企業や個人事業主でもネット広告を買うことが出来ますが、今後大企業の多くがTVや新聞、雑誌と比べて効果がすぐにわかり、単価も安いネット広告の良さに気がつけばさらにネット広告への予算を増やすはずです。
そうなると目立つ部分のほとんどは彼らに買い占められる可能性があるのではないでしょうか?

こうした状況になった時、私達サイト運営者はどうすれば良いのでしょうか?

それはリスク分散をするということです。

ネット広告だけではなく、ソーシャルメディア集客、SEO対策、動画集客というように複数の自社サイトへの流入元を確保して育てることです。

これこそがペイドメディア(広告)、オウンドメディア(自社サイト運営)、アーンドメディア(ソーシャルメディア活用)といういわゆるトリプルメディア戦略を駆使したデジタルマーケティングの実践に違いありません。

SEO対策もそうですが、誰でも1つのことだけでも精一杯なのに他に手を広げるのは嫌なものです。

しかしそうした贅沢を許さないのが今訪れつつあるWebマーケティングの普及という時代の厳しさなのです。

どうせやらなくてはならないのなら、せめて楽しみながら、1つ1つの新しい発見やニュースにワクワクしながらやりましょう!そこからきっとそうしたことをやり抜いた人だけに見える新しい景色が見えてくるはずです。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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